夜は短し笑えよ乙女

2月6日
目覚めた瞬間からワクワクしていた。

なんたって!
今日は!
楽しい楽しいライブスタッフ3公演!
仕事しながらもライブを観れる!
そんなモチベーションで仕事してはいけないとは思いつつ、普段の嫌いなホテルバイトと比べると数億倍幸せな仕事なのだ。そら胸も高鳴るわな。

冬の雨なんて、いつもならテンション下がりきる天候だろうに、今日は心が過充電されているせいか全く苦に感じない。
どんよりとした電車にひとり浮かれ笑顔で揺られ、向かったのは新宿の劇場。ここでのライブも慣れたもので、今日は音響と照明のワンオペをした。覚えてしまえば単純な操作だし、何より、最近この技術の仕事が楽しくて仕方ない。

お笑いライブでは、開演を待つ客入れ時間に音楽をBGM程度にうっすら流す。定刻を迎え、開演の合図として、その音楽をぐーっとボリュームアップし、それに反比例するかのように客席の電気を消す。真っ暗な空間に大きな音楽だけが鳴り響くその瞬間、『ああ、待ち焦がれていたライブがいよいよ始まる!』、そんな高揚感が押し寄せてくる。観客でない私ですらこんなにドキドキするのだから、このライブを目当てに劇場へ足を運んでくれたお客様はもっと胸が高鳴っていたはずだ。
その音楽に乗って、明転した舞台へ続々と登場する演者さんたち。そこからは爆笑の嵐!もう機材卓とか関係なく笑っちゃう!たのしい!たのしくてたまらない!
そうして、あっという間に終演を迎えるのだ。「おもしろかったね」「次回も行こう」と一緒に来た友人たちと興奮冷めやらぬまま劇場を出るお客様を見ることまでできる、こんな幸せな仕事があっていいものかと思うほど。

終演後、演者さん方のご好意で打ち上げに誘っていただき、ご飯をご馳走になった。
舞台とはまた違うトークで盛り上がったり、売れない作家の卵の私に面白そうなアドバイスをくれたり、最高に実りのある時間だった。
ああ、やっぱりお笑いっていいなぁ。

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