「永遠」ランボー/中原中也

「永遠」ランボー/中原中也

詩 ランボー/訳 中原中也/ 作曲 演奏 朗読 ハル
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ランボーの「永遠」を録り直しました。
良かったら聞いてみてください!

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アルチュール・ランボーの詩「永遠」を中原中也が翻訳したものを陽月さんが紹介されていたたので、
L'ÉTERNITÉ  Arthur Rimbaud|陽月|note(ノート)https://note.mu/hzk_90/n/nd27132c90e38

ギターを弾きながら朗読してみました。良かったら聞いてみてください!

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「永遠」
詩 ランボー
訳 中原中也

また見付かつた。
何がだ? 永遠。
去(い)つてしまつた海のことさあ
太陽もろとも去(い)つてしまつた。

見張番の魂よ、
白状しようぜ
空無(くうむ)な夜(よ)に就き
燃ゆる日に就き。

人間共の配慮から、
世間共通(ならし)の逆上(のぼせ)から、
おまへはさつさと手を切つて
飛んでゆくべし……

もとより希望があるものか、
願ひの条(すぢ)があるものか
黙つて黙つて勘忍して……
苦痛なんざあ覚悟の前。

繻子(しゅす)の肌した深紅の燠(おき)よ、
それそのおまへと燃えてゐれあ
義務(つとめ)はすむといふものだ
やれやれといふ暇もなく。

また見付かつた。
何がだ? 永遠。
去(い)つてしまつた海のことさあ
太陽もろとも去(い)つてしまつた

いつか詩集を出したいと思っています。その資金に充てさせていただきますので、よろしければサポートをお願いいたします。