見出し画像

キャラクターとライセンス <3>アニメーション

前回の続きです。 最初から読むならこちら

アニメーションのライセンス
アニメーションビジネスは多くの人や企業が参加していて、制作には大変な時間と労力がかかっています。そのため、新しいアニメをつくるとなると、大きな資金を必要とするので、お金をかき集めなくてはなりません。
その資金を回収するためには、多くの放送権を売ったり、配信権を売ったり、海外に番組を売ったり、そして商品化権をライセンスしたりしなければなりません。

昨今のTVアニメーションは、作ってテレビで放送されただけでは、投入した資金を回収することはできません。
そこでライセンス収入が大きなポイントになるのですが(ざっくりだなあ)、前述のように多くの企業が参加しているために、その収益の配分も複雑になります。

現在のアニメーションの制作には、お金を出す複数の企業が組織を組み、「製作委員会」を立ち上げます。
そこに属する複数の企業がその金額に応じて配分されるようになっているのが普通です。
大きな箱に集めたお金を入れて、そこから制作費を出して、放送(配信)権収入だとか、番組販売(番販と呼ぶ)だとか、商品化権(ライセンス)ロイヤリティだとかを入れて、余った分を出資者で分け合うというイメージです。

製作委員会のメンバーになるときに、各企業が自社で得意な分野に対してメリットのある権利を優先的に受けることができます。(これも交渉で制作費100%に対して何%出資するかで、権利の大きさも配分も変わってきます。)

例えばお菓子の企業であれば、そのアニメが放送される際のCM枠でCMを打つことができ、自社のお菓子にそのアニメのキャラクターを使うことができるとか、自社の商品にロイヤリティー支払いを少なくして商品化できるとか・・

ファンはアニメーション作品の好き嫌いがはっきりしているので、原作のコミック作品の売れ方や、アニメを待望するSNSなどの情報がアニメ化されるかどうかの大きな指数となりますが、その先の商品化を見据えた場合、ファンの数は少ないけど熱さが桁違いだった場合は、また違った指数を参考とする場合がありますね。

アニメ作品が大化けしたら、当然商品化の期待も大きくなり、ライセンスは取り合いとなります。
それを見越して製作委員会に入ることが優先権を得られるのですが、同業は普通1社しか入れないし(委員会としてメリットが有る場合は数社同業種の企業が入る場合もあるけどその中で厳格に棲み分けします)、そうなると、委員会が商品化開始の合図を出すまで、水面下でいろいろあるようです。

製作委員会の中は、複数の企業が色々役割を持って、委員会のために売上をがんばります。
その役割には、商品化/番販/宣伝・・など色々あって、ライセンスはもちろん商品化窓口と交渉することとなります。

アニメーションの権利は、たとえ原作の権利があったとしても、あくまでもアニメの商品化窓口と話をします。
すでに原作のコミックを商品化してたとしても、アニメの権利をライバル会社が取るということもあって、アニメの世界は複雑です。(この部分は素人なので間違ってるかもね)
原作の権利持ってたら、アニメ化の話も早く耳に入るだろうし、関係者へのネゴも早くできそうですけどね。
コミックの原作がいいけど、アニメ化はいまいち期待できない、ということも多いのでしょうね。

記憶に新しい「鬼滅の刃」はTVアニメーションでヒットを出し、劇場版アニメで記録的なヒットになりました。
劇場アニメの鑑賞者は100万人までは実力、そこまで行くと社会現象となってそれ以上の人を集めると言われています。
そうなると、やはりライセンスを取って商品化で一山当てたいですよね。

アニメの商品化の際、監修は商品化窓口へ提出します。
監修作業は、窓口で終わることも、原作者や、監督など多くの人が見る場合もあります。(これはわけわからないです、ワタシ的に)

NHKのアニメーションは、普通のアニメとは制作関連で大きく違いますよ。
NHKは放送局(窓口は子会社でライセンスが主な収入源)なので、CM枠がありません。また、製作委員会を組むことがほとんどないのです。
スキームとしては、現行のアニメ枠が空くときに(その情報は関係者情報で入手する)、期限までにアニメの企画書を提出し、必要であればパイロット版まで制作して会議にかけてもらいます。
決まったら制作費をNHKが出して、プロダクション(アニメ制作会社)が制作します。
NHKのアニメーションはほとんどが短編で、1年間続きます。
ライセンシーとしてはターゲットさえ合えば、商品化して店頭で販売されているときにも放送されているので、しかもターゲットが低年齢だから好都合です。(低年齢層にはNHKの番組やキャラクターの認知度は抜群!)

もう一つ、アニメの商品化の大きな特徴は、DVD、つまり映像を販売するというもの。
TVアニメで流れた映像を、何話づつとかをDVDにして販売します。この権利も熱いファンに向けて、特典(DVD用に特別シーンや、イベント参加券など)つきで刺さる商品にします。
映像商品は特殊な技術や流通も必要なので、それを得意とする企業が権利を取ります。
これも当たれば大きな収入になり、おいしいのですが、もし失敗したら大きな赤字となります。

※実はアニメ詳しくないので、修正が必要かもしれない(^^)
つづく



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?