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時事・社会問題

はじめに

BOAT RACEや競馬ギャンブルの記事でなく読者の皆様をガッカリさせてしまうかもしれない。
たまには時事問題についても呟いてみようと思いましたので、少しの時間お付き合い頂ければ幸いです。

旧統一教会解散請求について

安倍晋三元首相の銃撃事件で、殺人および銃刀法違反などの罪で起訴されている山上徹也被告

山上被告の母親が心酔し、のめり込み、多額の献金を続けていた(その額1億円以上とも言われる)旧統一教会に対する解散命令請求が文部科学省より2023年10月13日に東京地方裁判所へ行われた。

冒頭で予め記載をしておく。
山上被告が起こした本事件は、決して許されることではない。
また、賞賛されるべきことでもない。
安倍晋三元首相は帰らぬ人となってしまった。


この事件の背景には山上被告の壮絶な家庭環境にあったのだと理解をするが、決してひとつだけではない様々な要因が絡み合った結果、山上被告の旧統一教会への憎悪が増していった訳である。

母親は夫の保険金、父親の土地、自分たちの住む家、さらには親戚からの仕送りや父親の会社からの役員報酬、これら全てを旧統一教会の献金へと注ぎ込みそのすべてが消え去っていった。

山上被告には、重病を抱えた兄と妹が居たそうだが本人が自衛隊へ入隊したのちも兄妹らの生活を心配し保険金の受け取り人名義を母親から兄妹名義へと変更をしたそうだ。
そして、最後は自らが命を絶って保険金で兄妹の生活費を捻出しようと考えていたらしい。

山上被告は幼少期から成績も非常に優秀で、とても母親思いであったという。
親子関係はというと、母親が宗教へとはまり次第に二人の距離が離れていってしまったそうだ。

高校は県屈指の名門、奈良県立郡山高校を卒業し消防士の道を志す。
公務員試験の筆記は合格していたそうだが、眼の問題があり最後は断念をする。
大学進学は家庭の経済状況から、難しかった。

実父は1984年に、飛び降り自殺をしている。
山上被告がおそらく4歳だった頃だ。
父親は京都大学工学部卒業で、建設会社にてトンネル工事の現場監督をやっていたそうだ。
過労とアルコール中毒に陥り、最期は自ら命を絶った。
実母の母も1981年に白血病で急死し、この短い間に心の支えを失った母親は宗教へとのめり込むことになったのだろう。

ここまでに記載した内容だけでも、山上被告の葛藤は計り知れない。
思いやっていた母親が、次第に豹変し宗教にのめり込む。
さらには、家庭の経済状況もままならなくなり最後は家まで失う。

決して山上被告を、擁護する気持ちはない。
だが、自分がこの環境に身を置いていたらどのような行動に移すのかを問うてみた。
が、結局答えは導き出せなかった。

憎しみ、恨み、この世の終わりとも思える景色を見た山上被告は何を思っていたのだろうか。
そんな事が、ふと頭によぎる。

本事件後、旧統一教会をめぐる世間の風当たりは一段と大きくなった。
また、一部政治家との密接な関係も明るみとなりかなりのスピードで解散請求という非常に重たい措置へと進んでいったことは間違いない。

山上被告は、安倍晋三元首相を殺害し統一教会に対する恨みを晴らせたと思っているのだろうか。
私は決してそう思わない。
誰かを殺害し、解決したと思うはずはないと感じるからだ。

友達も、相談相手もいない環境で自分自身しか食い止める手立てがないという錯覚がきっとあったのだろう。
少しでも早く、誰かが山上被告へ救いの手を差し伸べられていたらこのような結末ではなかったのかもしれない。

結語にも冒頭同様の文章を記載するが、山上被告は決して許されるべき行動を取った訳ではない。
罪を償い、後悔をし、当然法に裁かれるべきだ。

苦しんでいる宗教2世たちが、少しでも早く楽になれる様な法整備、日本社会が今後つくられていくことを願うばかりである。

*参考記事
東洋経済ONLINE 宗教を問う
「山上容疑者を凶行に駆り立てた一族の【壮絶歴史】」
野中 大樹 井艸 恵美 :東洋経済記者


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