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イメージと実物の差を埋めたいんだけど・・・

服や生地を作る時、依頼したイメージと実際の仕上がりが全然違うって事あると思います。特に編物であるカットソー生地を作る時、編み組織を理解していないとジャカードの柄が思い通りに作れなかったり、度目(生地密度)を理解していないと伸び縮みのテンションをコントロールできなくてデロデロの生地になってしまったり(またはガッチガチの生地になってしまったり)、極端にではなくても微妙に物足りなさを感じやすいジャンルです。

依頼先の工場の再現性が低いと嘆く前に、一旦自分の指示を振り返ってみると、工場がどういう受け取り方をしたか?など、思った通りの上がりにならなかった理由を確認することができます。
もちろん工場側の理解力も物足りない場合が多いですが(こちらは『繊維製造工業マーケティングのすすめ。』の方で矯正中)、指示側の知識を製造に添わせていくことでイメージと実物の差を埋めていくことはできます。

視点の違いを知る

この回でも触れていますが、工場へ直接製造指示をする際、共通言語や視点が合わないことがあります。この視点が違うということを意識しておかないと、「工場の人がわかってくれない!」と憤りを感じたままになってしまいます。

例えば生地の伸び感はそのまま、持ち感を重くしたいのに、『重い』というキーワードが優先になると『重くするなら度詰にするしかないから伸び感はキープできない』という具合に、一個の対象に対して工場側が考える方法としてはこのような思考回路になったりします。
目面の変化が許容されるかにもよりますが、この場合は糸の番手を微妙に太くして、仕上げにタンブル乾燥をかけていくなど、見た目にさほど変化を与えずに生地を重くする方法は度目以外にもあります。

こういった代替え案の提示が出来なかったりする場合があるのも工場の弱いところでもあります。しかし、これは「技術的に解決するにはこれしかない」という工場側の普段見ている視点なので、決して工場側が対応することを放棄している訳ではありません。住んでいる世界が違って、普段見てるものが機械なのでこの思考になる至極当然のことです。

また、例えばジャカードなどの編み組織で柄を依頼する時に、斜めの線や曲線の表現がガタついてしまったりするのを「ダメだ」と言ってしまう人もいますが、編み地はそもそも絵画では無いので物理的に不可能です。繊細なカーブや斜線を表現したい場合はプリント一択です。そこに関しては工場に責任は全くありません。指示側の理解度の問題です。
ジャカードで再現性を上げるには、編み地依頼する前に『Windows』に最初から入っている『ペイント』のアプリで、最大拡大した画面に鉛筆ツールで1点打ったものが編目の1目になると見立てて柄を作っていくとわかりやすいです。製図したらそのまま拡張子.bmpで保存してください。

↓これが

↓こうなる

手間ではありますが、再現性が非常に高く、失敗が減ります。そして、.bmp形式で保存されたファイルはそのまま柄屋さんに渡すことでフロッピー作成が早く出来たりします。
しかし、この作業は工場では出来ない(やる気が無いorやり方がわからない)ので、工場に製図前の図案だけ渡すとこの製図作業を柄屋さんに外注していることが多いです。なので工場側の解釈の度合いが異なるとこのように↓

これが↓

このように少し間延びした柄になったりしてしまうので、きちんと製図して依頼した上で、1bitが1目の状態で製図している旨も併せて伝えることでこのようなトラブルは避けられます。「.bmpで作っているので、柄屋さんにそのまま渡してください」と工場に伝えれば、工場は柄作成に対してリスクが下がります。製図のプロでは無いので工場は基本的にクリエイティブな作業を嫌います。

工場は敵ではなくチームなので、視点を合わせて伝えることができるようになると、商品完成度は飛躍的に上がります。これはもちろん工場側にも言えることではありますが、工場に期待するより、自分が成長した方が早いです。そして工業の視点が理解できて製造がうまく回りだすと、工場からも信頼される人になれます。双方に信頼感が強くなっていき、生産における様々なトラブルも前向きに協力しながら乗り越えていけるようになります。これはブランドにとっても、工場にとっても非常に良いことです。

中間業者の利便性

とは言え、そんなにすぐ製造の知識を網羅することは難しく、日々の案件に振り回されていて勉強する暇もないから、なかなか完成度が上がらないということもあるかと思います。これを手っ取り早く解消するのに中間業者は非常に便利です。
中抜きのマージンを嫌う傾向がありますが、自分たちの指示と工業側の言葉の解釈が合わず、自分たちも曖昧な知識の部分があり商品の完成度が上がらない問題があるならば、感覚的な表現を実数値や適切な言語に変換して工場に伝えキチンとコミュニケーションが取れる中間業者に頼ることは問題の早期解決につながります。

かなり人によりますが、技術的に解消できない問題に対する代替え案などの引き出しも多く、様々なケースに於いて迅速に対応してくれたり、きめ細やかな確認をしてくれたりもします。シーズン前の提案やコストのすり合わせがうまくできたりもします。が、なんども言いますが、かなり人によります。大事なことなので二回。

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ヤマモトハルクニ

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究極の素材を創造する ulcloworks Inc.代表取締られ役/工業とファッションの交差点/カットソーメーカー/カットソー素材変態/丸編み生地製造15年/マーケティングで工業とファッションをつなぐ 会社HP/ブログ→ https://www.ulcloworks.net
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