繊維製造工業マーケティングのすすめ。13

このシリーズもようやく工業の方々に読んでいただけているようになってきたようで嬉しい限りです。
そんな今回は僕が発信しているだけでなく、実際に動くことで工業の方々と一緒に産業を盛り上げていくために、新たなサービスの公募を始めたので下記のリンクを参照してみてください。

<プレスリリース>

<募集概要>

実は以前からこの #繊維製造工業マーケティング シリーズの一部で先行案内をしていたので、数社の方々からご興味をいただいているサービスです。

普通の生地問屋と何が違うか?というと、東京に営業所を持たないテキスタイル工業の生地を僕が代わりにお客さんに提案して、お取引が発生した場合は、産地工業のみなさんとお客さんが直接取引をしてもらうという仕組みです。要は中間業者飛ばしです。
運動量の悪い中間業者に対してフラストレーションを感じている方々がいらっしゃったら、ぜひご自身で前に出て、実際にブランドと直接商談してみませんか?その糸口をつくるお手伝いをさせていただければと思います。

では本題。今回はテキスタイル工業に的を絞ります。

縫製業であれば、直にアパレルメーカーと商売していることも多いと思いますが、テキスタイルは実はかなりの中間業者が存在していてアパレルと直で商売はおろか、問屋とも直でやれないような元請け工場の下請けとして小規模な零細工業が無数に存在しています。

構造としては、まず生地商社や生地問屋があり、次いでそこにぶら下がっている工場背景を持つテキスタイルメーカーがあり、そのテキスタイルメーカーにぶら下がっている小規模工場をまとめている振り屋テキスタイルメーカーがあり、その振り屋の外注下請け工場までたどり着くまで、工賃はどんどんと削られていきます。

その削られてしまった、あるか無いかわからないような工賃をもらいながら運営している工場のほとんどの経営者の方が、工場を次世代に引き継ぐことを諦めています。

全てがこの形ではありませんが、高度経済成長期に出来上がった業界構造が依然と続いている地域はまだまだ多いです。そして、下請けに行けば行くほど、思想は悲観的になっています。そして不遇を嘆いては、元請けの不満をこぼすようになるのです。でも本当に中間の彼らがいないと商売できないのでしょうか?下請け工業の未来とは本当に絶望しか無いのでしょうか?

僕の見る限り、やはり圧倒的に下請け工業に足りないのは『営業力』です。
技術を磨けば突破できると思い込んでいる単価の壁や、値段が苦しくてもキャパを埋めるためのロットの壁は、他の誰でもない、自分たちで勝手に作ってしまっているのです。

キャパ売り体質に慣れ切って身動きが取れない

零細工業にとって、潤うほどの純工賃だけで工場が埋まったら、糸などの原料仕入れが伴わなずにキャッシュフローがクリアになるので、一番理想的な収支体系が築けます。
昔、大多数が海外生産に移行する前は、黙っていても工場は埋まり、商談席に座れば1,000反もの発注書が毎週のように舞い込んできたら、工業設備にいくら投資しても有り余るほどの余剰資金が生まれた時代でした。設備があれば世間が勝手に埋めてくれたのですから、商品企画をして売りに歩く営業努力など必要なかったのです。

その世代の経営者が多い今、旗を振る人間がきちんとした営業が出来てない工場は未だにどうしたら良いかわからず、できることと言えば世間を嘆くことくらいになってしまっているように見受けられます。

幾度となく、誰ともなく、この危機感を提唱しているにも関わらず現状が変えられないのは、やはり自身が前に乗り出すことで薄れてしまうかもしれない中間業者からの発注や、前に出ることで絶対的に減る一社当たりの生産数量に対する費用対効果の部分を恐れて腰が重くなっているのです。

でも考えてみてください、すでに今、問屋からの発注も、満たされて有り余るほどの数量は期待でません。それどころか、多少物足りなくても「最近ではこんなに発注くれるところないから・・・」なんて言って、むしろ安価な単価で受注してしまっている現状は誰が作っているのか。
それは他ならぬ、キャパ売り体質から脱却できない工業自身なのです。

実際、資本力があるそれなりの工場は、自社比率も意識はしていますが、外注の方が粗利が出やすいことを知っています。なぜなら、下請け工業は最前線の事情を知らないので、工賃を据え置きにしても不満の声が上がらないからです。

情報を得るためにもやはり営業は必要

商業最前線で情報を得られないプチ鎖国状態の下請け工業は、大きい工場や中間メーカーの恰好の餌食です。情報源が元請けからしか入ってこないので、自然と「世間の商況はそんな感じ」と思ってしまうのです。
嘘は言わないまでも、間に挟まる人の感度によってはだいぶ温度差がうまれます。あるいは意図的に工業が前に出てこないように言いくるめてくる人もいるかもしれません。(そういう人がいない事を祈るばかりですが)

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繊維製造工業マーケティングのすすめ。13

ヤマモトハルクニ

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