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丸編みのスリーポジションって何?

 知識の伝え方は全体から詳細の方が良いのかなと最近思いつつ、今回も詳細な話からいきますね。なぜかと言うと、全体から詳細に移る時に補足として必要となる知識が前提に無いと、結局補足の話が大きくなって本題を見失ってしまうという僕の問題です、すみません。

丸編みカットソー生地は基本的に『ニット』『タック』『ウェルト』の編み方で、スリーポジションと呼ばれている針の動きで構成されています。パターンメッシュや、アイレットなどの目移しはまたちょっと事情が異なるイレギュラー案件なので今後のブログで一回取り上げる予定です。

そもそも丸編みとは?という方はこちらをご覧ください。↓

簡単に言うと『ニットは編む』『タックは引っ掛けて編む』『ウェルトは編まない』です。今回も(いつも)有料ですが、意味が解った人はここまでで充分だと思います。有料部分はもう、マニア領域です。生地を作る時に職人さんと共有できていて便利な要素があるとすると「なんでこの糸でこの組織は編めないのか?」など、自身が納得するためにこのような技術的知識を持っていたら「なぜダメなのか?」を理解しやすいことです。組織別にまとめていってたりするのでこちらのブログも併せてどうぞ。

ではそれぞれ見ていきましょうか。

ニットは編む

まさにそのままなんですが、図解した方が早いので下図をご覧ください。

針が一目ずつ完全に編まれている状態です。
シングルなら天竺目が揃っている状態です。生地を作る時に、ニットできないという状況が起こったとしたら、糸番手がゲージに合っていないか、糸が弱すぎる(もしくは硬すぎる)かと、原因を絞り込むことができます。
適番手と適ゲージについてはこの記事を参考にしてください。

ニットは編みの基本なのでこれは確実に覚えておいた方が良いです。
ニットできないような糸は次の『タック』もできるはずがありません。

タックは引っ掛けて編む

つまむとも言いますが、図解からいきます。この図は右二つの針の動きが次のウェルトの図解になってます。左側4本の針の動きがタックです。

この編み組織書いた絵が少し難解かもしれませんが、赤い糸を編むときにしたから伸びてきてる黒い糸を一緒に編んでる状態のところがタックです。
編んでる途中でニットしきらないで途中に溜めたまま、次の糸を取りにいって、引っ掛けてある糸と一緒に編む編み方です。
ニットより、引っ掛けられてる糸の方がかなり引っ張られてテンション掛かるので糸自体が弱いとタック編み出来ないです。

シングルだとカノコなどはタック編みの代表格ですね。タック編みはニットだけの編地に比べて外に出ようとする力が強く、幅が広がりがちです。物性も不安定になりやすいので、仕上げでタンブラー乾燥をした方が後々トラブルが少ないです。
ダブルの一般的なワッフルは畝と畝の間で二回か三回もタックを取るので、生地としては非常に不安定な生地になります。幅が出たがる上にタンブラー乾燥したらワッフルの縦横の柄が歪みやすいので、結局仕上げの時に幅を引っぱって生地目の調整を入れるので、最終的に収縮率が悪いという結果になります。

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