重さと洋服の量は関係あるの?

ツイッターなどでアパレル生産関係の発信が増えてきていて従事者としてはたいへん嬉しいです。服って色々な人たちが関わって出来上がっていくので、こういった周知は現場従事者のモチベーションを上げることにつながれば良いなと願いつつ、今後も発信をしていきたいと思っています。

さて今回は、前回の #丸編み生地製造の勉強 「頭でっかちの回」の最後に書いたとおり、重さと量について学んでいきたいと思います。

服と重さの関係

以前デザイナーさん向けに講義をさせていただいた時に、『製造は料理』と銘打って講義資料を作らせてもらいましたが、この料理という考え方は生産を理解する上でとても考えやすいと思います。
「ホットケーキ4枚焼くのに、小麦粉が何グラムいるのか?」という具合に、「服を一枚作るのに原料は何グラム必要なのか?」という因数分解をしていくことで服の必要枚数に応じた生地や原料の生産量を算出していきます。

例えば、日本人メンズMサイズのTシャツを30/1天竺で作る場合を見てみましょう。

上図(字が読みにくくてすみません)になぞって、略式ですが簡単に解説していきます。

綿(原料)約200kg(1ベール)を紡績工場へ投入

30/1の糸を作る際に『歩留り』といって、糸になれない長さの繊維が脱落することで最初約200kgあった綿は約180kg(1梱)の紡績綿糸になる。

約180kgの綿糸を編み工場へ投入

180kgの糸で、30インチ28ゲージ(図中表記30"28G)の編み機を使用して、1反あたり11kgの天竺を16反(なぜ10kgで18反じゃないかというと、編み始めや、反の切り替えの時に編みロスが発生するので少し目減りするから。)編むことができる。これで生機総重量は176kg、まだ服になるイメージは湧きませんね。

生機11kg/反x16反を染工場に投入

染色整理加工をして40m/10kg(染色時に反物の端や耳を切り落とすので重量が目減りするロス率は10%くらい)の生地反物が16反出来る。だんだん馴染みのある形になってきましたね。ここまでの総量は生地640m/160kg、いよいよ服にしていきます。

40m/10kg反x16反の生地を縫製工場に投入

30インチ28ゲージ30/1天竺は生地幅だいたい170cm(note適番手適ゲージって何だ?の回参照)なので、メンズTシャツの要尺を80cm/枚と仮定して640mの生地から断ち落とす。(この段階で元々の重さの情報は不要になる。)
640m/÷0.8m/枚=800枚

裁断縫製ロスなども考えられますが、概ね800枚のTシャツを作るのに必要な原料の重さに対する考え方は理解できたかと思います。

これを服から逆算すると、原料がどれくらい必要か?などの情報に落とし込んでいくことができるようになります。
生産する側がそれぞれのポジションでどのような物をどのくらいの量を加工するか?などの役割と分量が明確になっていきます。

また、「糸から別注で作りたい!」なんていう思いも、この考え方があれば、原料ロットからその生産数に対して売り切るチカラがあるか?全て引取る資金があるか?など、企画進行の判断基準も持てるようになるので非常に便利です。

糸番手も重さと太さには深い関係がある

この流れが理解できると、それぞれの製造に関する数値が重さに依存しているという話が飲み込みやすくなると思います。

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