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繊維製造工業マーケティングのすすめ。18

連休明けの週、ドタバタでしたかね?お疲れ様です。帰って飲むビールが最高ですね。酒のつまみに今日のnoteも読んでくれたら嬉しいです。

さて、以前から自社リソースの把握をした方が良いと訴えてきたわけですが、把握をした上で、生かすも殺すもご自身次第なのは言うまでもないですね。

そのリソースを網羅した上で「御社の強みはなんですか?」の問いに即座に答えられる要素がいくつあるでしょうか?
これ、案外製造工業の中で答えられない工場さん結構いらっしゃいます。

自社の『強み』が言えないと、特に新規で、お客さんに対して自社と取引をしていく明確なメリットを示せないことになります。
「人と柄をみてなんとなく商売始まりそう」みたいなふわっとした関係で進む場合もありますが、ビジネスとして対峙した場合は基本的にはまずこの『取り組むメリット』を双方に見出せなければ商売は始まりません。

その点を明確にするためにも『御社の強み』をきっちり打ち出しておきましょう。

『強み』は一つだけでは弱い

例えば、僕の前職の具体的なケースで言うと、
・和歌山(丸編み生産量日本一)
・老舗工場(創業90年)
・東京営業所がある
・小ロット対応ができる
・紡績工場の協力によって糸から企画している
・毎月20品番新作生地を作っている
・OEM部隊もあり生地から一貫して服まで生産納品できる
などなど、、、

色々書けますが、それぞれ一個一個の要素が、他社と比べて相対的に強いかどうか?がお客さんにとっての勝負ポイントになってきます。
で、残念ながら、それぞれで一番か?と問われたら、そうでもないのが現実です。まぁ何をもって一番とするかは、相手が決める部分でもあるので一概には言えないのですが、この要素をつなぎ合わせて競合他社に無いメリットを相手に伝えていくことはできます。

例えば、
・紡績工場の協力によって糸から企画している
X
・小ロット対応ができる

原料から選んだオリジナルの生地を自分たちの分だけ作ることができる

これは結構、面倒くさがってどこでもできる業ではありません。

またこれに加えて、
・毎月20品番新作生地を作っている
を、付加すると
→全く実績の無い生地でも似たような履歴はあるかもしれない
→見当違いの商品が出来上がるリスクが低い

原料から選んだオリジナルの生地を作ることができ、仕上がりをある程度想定しながら進めることができる。

など、オリジナルに対するハードルを下げる要素を付加することでお客さんに安心感を与えることができます。

ここまでくるとなかなかこんな対応ができるニッターはそうそう見当たりません。このような自社の強みを営業個々人がしっかり把握した上で、さらにそのメリットを教授したいと考えているお客さんに対して営業に当たることで、新規口座を開設したけど全く商売にならなかったという状態は激減します。

『強み』だからと言って受け入れられるとは限らない

これは大事ですね。いくら他社より秀でた部分があるからと言って、必ずしも誰からもその要素が受け入れられるかどうかは別問題です。
先ほどの文末にも書いた通り、『そのメリットを教授したいと考えているお客さんに対して』のみ有効の『強み』になるので、バカの一つ覚えが如く「弊社の強みは原料から皆さんのオリジナル生地を必要分だけ作ることができて、全く見たことが無い生地でも、近い履歴を元にイメージを共有しながら作成することができます!」なんてのは、そういう相手じゃなかったら全く無用の長物でしかありません。

この #繊維製造工業マーケティング シリーズをずっと読んでくれている人ならわかると思いますが、お客さんを見て、しっかり調べて、自社のリソースの組み合わせを変形させて相手にとって必要な状態にもっていくのが有効な手段になります。

例えば、
・和歌山(丸編み生産量日本一)
X
・老舗(創業90年)

で、技術的に安心できる会社だと思ってもらえます。

この切り口で先ほどとは違ったお客さんを得ることが可能です。

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