海保機の焼け跡の謎

事故当初から疑問だったのが、海保機の焼け跡だった。
滑走路上にいたとして、JAL機に後ろから激突されたのに、機体姿勢が真っ直ぐ前向きで機体原型を留めた焼け跡だった。紡錘形の焼けた形状がそのまま残っているというのは、胴体破壊が殆どなかったに等しいということを意味する。



翌日の上空からの映像では、海保機がまるで昔の丸木舟のように真っ直ぐな形を留めており、激突の衝撃で破壊された形跡が殆ど乏しいのである。

仮に、JAL機衝突後、ほぼ破壊されず前方に押し出されたとしても、回転力が加わるので機体は斜めになるだろうし、胴体部分の屈曲や変形が見られるはずだが、まるで完全弾性衝突後であるかのように海保機は大きな損傷をせずに滑走路ラインに平行に移動しただけで焼けた、ということだ。

普通の後部からの衝突では、かなり難しいだろう。

例えば、自動車でのトラックの追突実験映像というのがあった。



海保機の場合だと、前方の壁のようなストップがないので、後方から激突されたら前に大きく押し出されるだろう。その時、垂直に完全に真後ろから激突するのは相当困難なので、前方に弾き飛ばされ機体は左右何れかに回転するはずで、そうすると胴体部分が斜めになる為JAL機エンジン部や主車輪に激突して折られることになるだろう。

JAL機のノーズ部分は丸いドーム型で、トラックのような平行な面衝突ではない。衝突された海保機の水平・垂直尾翼部も紡錘形のような狭く尖った形状の部分なので、完全に垂直に前方へ押し出されることはまずない。


ところが、海保機は弾き飛ばされず、機体方向は完全に滑走路と平行を保ったままの焼け跡が残ったのだ。激突直後にJAL機の下に圧下されたようになり、ぶつかった形跡が皆無のまま(海保機の機長が脱出できるというのは、機体姿勢が真っ直ぐ前を向いたままということ以外にはない)、焼け跡が残ったということなのである。

追記(24日午前9時頃):
「海保機の高さはキャビン部分で地上から約3.5mに対し、JAL機A350-900の胴体下面は約2mしかなく、海保機の上をJAL機が通過すると海保機のキャビン部分の約1.5mが削りとられる(か押し潰される)ような感じになり、操縦席の上半分くらいが潰れるのでは?
JAL機が海保機の真後ろではなく、僅かにずれて主翼付け根付近に衝突だとしても、JAL機尖端のドーム状部分の衝突痕と矛盾が生じるだろう。」


以前から指摘しているが、物理減少としてはほぼ不可能に近い。


JAL機と海保機のような、重量差が大きな航空機が激突したのに、海保機の胴体半分の損傷形状が「真っ直ぐ」に焼け残るのは極めて不可解。破壊されるのもあるが、前方への移動(押し出され)が生じるのも当然のはずなのに、機体姿勢がセンターラインに完全に平行のままで、海保機機体の上をJAL機胴体が通過できたというのも、あまりに不自然なのだ。


何が不思議って、翌日の現場上空の映像でも、海保機の両主翼の残骸が皆無であるということだ。

仮にJAL機の下に運よく潜り込んだとして、圧下された機体の両主翼が瞬時に切断されたわけで、燃えるより前に海保機の主翼はバラバラになって飛び散るだろう。

いくら航空燃料がかかっても、燃え尽きる程には翼を燃やせないだろう。
普通なら、主翼形状が分かる部分が飛び散った残骸として発見されるはずだ。


そういうものが一切発見されてなかったというのは、普通の事故ではあり得ない、という話である。




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