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人間はなぜギャンブルを求めるのか?歴史が本能を形作る?

一つの答えとして、たまに聞くのが
「狩猟民族であった期間が長いから。」
という説。どこで読んだかは忘れてしまったのだが、自分の頭で改めて考えてみる。

狩猟の歴史とその影響

今研究でわかっていることとして、人類は人間になってから10万年ほど、狩猟採取で生計を立てていた。その後の農耕牧畜は1万年くらいだから、狩猟時代の遺伝子が色濃く残っているはず。という前提に立つ。

実際、狩猟は非常に運に左右される。戦略や基礎体力などももちろん要因にはなるし、狩りが上手い人間もいただろう。
ただ、どんな名人でもきっと失敗に終わることが少なくないだろうし、初心者は言わずもがな。

しかしながら、狩りを成功させないことには生きていけない。
この状況のときに生き残れる人間というのはどんな性格をしていたか。
もちろん、失敗にめげずに何度もチャレンジできる人間だろう。

失敗にめげずにチャレンジでき、その上で獲物を獲得できた人間が生き残ったわけだ。
きっとそういった人間は族長的なポジション、遺伝子を増やすことができるポジションにも居たはずである。ライオンの群れでも強いオスライオンがハーレムを作っているように。

結果的に、その後の農耕社会である程度その傾向が失われたとしても、まだまだきっとその遺伝子は色濃く残っているはず。と考えられる。
この遺伝子が、近代となった今も人をギャンブルに走らせる原因となっているという仮説が考えられる。

ギャンブル依存症の男女での比較

また、特に狩猟を担当していた男性は、女性よりもギャンブルにハマる傾向にある。ということも言える。

”過去にギャンブル依存症が疑われる状態になった人は158人(3.6%)。20~74歳の全人口に当てはめると約320万人という規模になる。男女の内訳でみると、男性は6.7%、女性は0.6%と、男性に依存症が疑われる人が多い。最もお金を使ったのはパチンコ・パチスロが最多で、123人(2.9%)だった。”
厚生労働省『ギャンブル依存症の実態を把握するため、成人1万人を対象にした2017年度の面接調査の中間結果』より

多くのスタートアップ経営者に男性が多いのも、このギャンブルに張れるか、というリミッターが女性よりも外れやすいからかも知れない。

ギャンブルを好む本能への対処を考える

多くのレジャー、スポーツ、恋愛、戦争に至るまで。ギャンブル性があり、理性では無駄に思えたりすることでも、人間が本能的に求めることはなかなか無くならない。

そんな前提を認識し、よく自分の本能を認めた上で、うまく付き合っていきたいものである。

仮説に対する反論

しかしながら、この仮説(狩猟民族の遺伝子がギャンブル好きの性向となる)には反論もある。
※色々とあるだろうがここでは一つだけ。

諸外国に於いてギャンブル依存症が疑われる人の割合を生涯で見た場合は、オランダが1.9%(06年)、フランスが1.2%(11年)、スイスが1.1%(08年)である

諸外国と比較すると、日本の3.6%という割合の高さが目立つ。

・日本社会の仕組みやパチンコの存在によるものなのか?
・日本人はより狩猟民族に近いのか?

という話についてはまた別途考えてみたい。

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