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The lateral fibulotalocalcaneal ligament complex: an ankle stabilizing isometric structure

どうもあやです。

今回も前回の続き、考察を和訳していきます。和訳するために何度も何度も読んでいるのですが、その度に違う角度で理解が深まります。こういうのも原文を読む利点ですね。

さっそく、スタート。

Discussion

今回の研究で最も重要なことは下部線維、CFLそして弓状線維が結合し靭帯複合体として弧を描き1つの機能的構造として貢献していることである。したがって、LFTCL複合体はこの構造にとってより正確な用語になる。加えて、ATFLの下部線維は関節外関節である。

足関節捻挫は整形外科のけがの中で最も多い外傷の1つである。足関節内反捻挫でATFLは大抵一番最初に損傷する唯一の靭帯である。このため、ATFL損傷は外側靭帯複合体構造弱化の原因となる。より高い変形力により、下部線維とCFLにまで損傷が波及する。最終的に足関節脱臼が理由でPTFLにまで破断が及ぶかもしれない。これらの靭帯損傷は(ATFL、CFL)、機械的足関節不安定を引き起こす可能性がある。

以前のMilnerとSoamesにより報告されたATFLの記述ではATFLの線維の数について1つ38%、2つ50%、もしくは3つの線維12%とばらつきのあるプレゼンがされている。現在の研究では2つのATFLが全ての検体で確認された。他の沢山の2つの靭帯を発見しこれが最も一般的であることを記述している。今回の研究でATFLの2つの線維は腓骨動脈網状血管枝によって分かれていることが観察された。ATFLの2つの線維は形態的特徴が異なる。最初に、両線維は前方遠位腓骨部に連結した付着部を持っているが、これらより遠位の距骨部の挿入部はお互いに離れて位置していた。上部線維の挿入部は距骨の距骨体と距骨頸部の接合部にあり、関節内構造をしていた。一方で、下部線維の挿入部は距骨体のより足底側に位置し関節外構造である。2つ目に上部線維の長さは足関節の底背屈により変化し、一方で、下部線維は変化しない。したがって、下部線維は等尺性線維でそれに対して、上部線維は可動域によって長さが変化すると仮定した。(Fig.5)これらの解剖学的違いの観察は各ATFL線維の異なる機能を示唆させたため、病理学的結果としても上部線維の単独損傷もしくは上部線維と下部線維の複合損傷は機能的な違いとなるだろう。足関節の微細な不安定性については上部線維の損傷が影響していることが記載されていると同時に上部線維と下部線維の損傷の影響は慢性足関節不安定症を結果として起こすと以前からの記述にもされていた。私たちの結果はこれらの定義を裏付けるものであり、慢性足関節不安定症(ATFL±CFL損傷)か微細な不安定症(上部線維単独損傷)かの違いを分類するための解剖学的根拠になるだろう。この研究は微細不安定症という用語を使用している解剖書を見つけた;考慮すべきは上部線維単独損傷による初期の不安定性の生産であり、おそらく足関節内反捻挫の再受傷を起こしやすくなり、慢性足関節不安定症を発症するだろう。結果として、下部線維とCFLの損傷をするだろう。

さらに、下部線維とCFLは私たちの観察によると類似する解剖学的特徴を有している。この両靭帯は等尺性靭帯であり、同じ腓骨付着部を有している。(Fig.7)腓骨から始まる各靭帯の向かう方向は異なる。しかしながら、この2つの靭帯は弓状線維となり結果として1つの解剖学的機能構造を有する。三角構造の指標は下部線維の上縁、CFLの後縁、共通の挿入部である足関節外果先端部、弓状線維の最も長く遠位の線維からなる。下部線維とCFLを連結させる弓状線維の存在は既にGolanoらと他の著者によって既に解剖記述に記載されている。しかし、彼の解剖学的研究には静的、動的な形態と行動について行われた詳細なデータはない。これらの下部線維とCFLを連結させた線維線維の長さは足関節の底背屈足底時に変化しなかった。このことから、著者は靭帯間で緊張の伝達が機械的役割を果たし、足関節と距骨下関節の直列の静的安定性に働く。結果として、下部線維とCFLは共通の解剖学的特徴で相互接続されており、2つの靭帯は1つの機能的ユニットとして共に働いている。私たちはこの解剖と機能ユニットをLFTCL複合体と名付け、これに対して、腓骨距踵靭帯、RouviereとCanela 靭帯は足関節の後方部に位置した。

外側距踵靭帯は不定着な構造と記述されており、内側と前方の踵腓靭帯からなり、今回の研究では個々の構造として見つかっていない。今回の研究結果で外側距踵靭帯はLFTCL複合体の一部として示された。常に様々な場面で行われていた解剖学的研究はおそらく一般的に過解剖を導いており、以前までの解剖学的研究ではLFTCL複合体の存在は気づかれていなかった。

内反捻挫後、上部線維は最初に緊張する靭帯で初期の足関節不安定性もしくは微細な不安定性が結果として出現する。症状が出た時、患者は不安定感を感じ、ADT(-)、足関節内反捻挫を繰り返した既往、前外側痛、これらの組み合わせを訴えた。しかしながら、損傷の力が加わり続けたら上部線維は緊張し下部線維とCFLが次に損傷し、患者は機械的足関節不安定性に発展するだろう。患者は普通足関節のギビングウェイとADT(+)、距骨傾斜テスト(+)を訴えるだろう。

考慮すべき重要な点は上部線維が関節内にあることである。他の関節内靭帯データから外挿され、上部線維が損傷したとき、上部線維は治癒しないだろう。なぜなら、関節内靭帯は自身で治す力を持っていないからだ。上部線維単独損傷くらいの中程度の足関節捻挫患者は慢性不安定性を症状にもたないだろうが、初期の足関節不安定性や微細な不安定性、足関節捻挫の再発や関節内損傷の形成のリスクを増加させるだろう。これらの患者の診断は経験や知識などの能力を必要とし、これらの患者は足関節再発や主観的な不安定感を感じ、そして、足関節前外側にいやな感覚を持っており、このような患者は関節内損傷をしている(長期的な損傷は初期不安定性もしくは異才な不安定性を生み、前方骨のインピンジメントや軟部組織のインピンジメント、距骨の骨軟骨欠損を引き起こす。)さらに、繰り返される足関節捻挫のせいで、結果として靭帯の損傷の拡大し最終的にLFTCL複合体にまで影響を与え、慢性足関節不安定症にまで発達する。また、ATFL単独損傷が起こると記述にあった上部線維は関節内靭帯と報告されていた。解剖学的研究で検体は高齢の物が使用された。これらの検体は平等にするために彼らが生きている間に足関節捻挫をしていたものと仮定した。彼らの中の何人かが上部線維の単独損傷があった場合、それは治っておらず最終的に体に再吸収されたとした。解剖を行った1つの靭帯線維は病理学的に報告するものではなかったので、研究から除外した。

関節外靭帯は足関節捻挫の後、固定をするとLFTCL複合体は治癒する可能性がある。

LFTCL複合体の存在は下部線維CFLの両靭帯の損傷の存在によるCAI治療においてATFL単独損傷修復するという素晴らしい結果を得ることができる。しかし今回の研究の外側靭帯修復は行われなかった。ATFL損傷単独損傷の力学的利益は開放学的手術でも鏡視下手術でもトルクの破綻や失敗の程度、動作構造の硬さなど異なる点は見られなかったと報告した。文献により臨床支持を得ており、CAIを持っている患者はATFL単独損傷後の素晴らしいフォローアップによる修復結果を受けている。これらの知見に基づいて、著者らは手術中に解剖を積極的に行い弓状線維を破断させると両靭帯の結合がなくなりこの症例の場合それぞれの靭帯の修復と再構築が必要になると仮説を立てた。臨床的視点のポイントから、LFTCL複合体の損傷、どちらか一方の完全損傷もしくは部分損傷で、足関節不安定症の結果が出るとされた。

いわゆる解剖学的修復は構造上の修復も含む。ATFLとCFLに下伸筋支帯を加える可能性もある(補強術にて)。このコンセプトは変わった。現在の関節鏡視下靭帯修復術の技術によりATFLのみ修復を行う場合もある。今回の研究はATFLのみの修復という手順を行ったのにも関わらず、実は間接的に全ての損傷した構造に解剖学的修復が行われていた。(ATFLとCFL)。なぜなら、CFLは解剖学的に下部線維と弓状線維で結合されているからである。今回の研究は検体の数が少なかったこともあり比較するのには限界があった。より多くの症例を見ることでこの研究は改善されるだろう。もう1つの限界は解剖の再現性を出すために解剖技術経験の高い解剖学者によって行われていても解剖学的に解剖を行うのが難しい場所であることだ。下部線維と弓状線維はCFLにて結合されている弓状線維は、不完全な定義であり、一部の構造がうっかり解剖されてしまう可能性がある。それにもかかわらず、今回の研究で全ての症例で100%LFTCL複合体が見つかった、このことで、解剖する際に注意をして解剖すれば過解剖を確実に避けることに成功するだろう。最終的に弓状線維の組織学的特徴と力学的特徴は今回の研究では調査されていないので将来これらの機能について調査する必要がある。今回の研究で使用された不安定性のない足関節は、通常の足関節複合体の解剖学と比較して病理学的症例でわずかに異なるかもしれない。

この研究の臨床的関連性は上部線維と下部線維は構造的に確実に異なり機能的にも異なっていたことである。上部線維は関節内靭帯であり、ほとんど確実に断裂後修復できず、特にこの線維の単独損傷が存在する場合は、足関節捻挫後の患者の慢性的な症状の謎を説明することができる。下部線維とCFLは等尺性靭帯であるが上部線維はそうではない。さらに、下部線維はCFLと弓状線維によりLFTCL複合体を形成している。上述した通り、足関節捻挫と慢性不安定症の病因は外科的治療だけでなくこれらにも影響を与える(同様に);上部線維の臨床的単独損傷を評価するための臨床的テストが必要であり、足関節捻挫の診断の1つになりえるかもしれない。


今回はここまで。

いやぁ難しかったです。

次回は最終章です。

Thank you for reading.

I hope to see you again.

bye for now.

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