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【横浜DeNA】ソト→佐野の守備変更はメリットがあったか?

2022年、横浜DeNAは試合終盤になるとファーストをソト→佐野へ交代することがありました。
具体的に内訳を見ると
109試合でスタメン出場した内、67試合で途中交代していました。
スタメンでフル出場していたのは42試合で、全体の6割近くは途中交代していたことになります。
そしてソトの代わりに一塁に入っていたのが殆ど佐野でした。

これは試合終盤の守備固めを兼ねての交代でしたが、シーズン終了後にソトの一塁守備指標が実は非常に良く、GG賞じゃなかったのがおかしいと言われるぐらいの評価になっていました。

こちらのDELTA社の一塁手の守備データからも分かるように、ソトは一塁周辺の打球処理能力が非常に高く、他の一塁手と比べても秀でていたことが分かります。

こうなると、シーズン中のソト→佐野への交代は果たしてメリットがあったのか、気になるので考察してみました。

ソト→佐野は外野の守備固めのため

まずソト→佐野へ交代することは一塁の守備固めのためではなく、外野の守備固めのためだったと考えられます。
ソトの守備指標が良かったことは認知されていますし、現場の監督やコーチたちにしてもソトの一塁守備を低く見ていたとは考えられないでしょう。
ですが試合終盤に交代させる必要があったというのは、一塁のためではなく外野のためだと考えられます。

佐野は今季セ・リーグ最多安打を記録し、打率もチーム内トップで打線において欠かせない存在です。しかし反面、佐野の左翼の守備指標はかなり悪く、12球団でも最下位になっていました。
この佐野の守備でのマイナス分は試合終盤の1点を争う場面では致命的になりやすく、ここに神里や関根などを守備固めで起用することで左翼の穴を埋めることができました。
具体的にUZRであらわすと、これで7.0近くの改善が見込めます。

そして佐野を一塁で起用した場合の守備変化を見ると、ソトの貢献度には及ばないものの佐野もUZRではプラスになっていますし、5.7程度のダウンで済みます。
さらに佐野の場合はソトよりも守備範囲は狭いですが、失策が少ないのでエラーからの大量失点などの大怪我には繋がりにくくなります。
このように左翼の守備固めと、一塁の交代を総合的に見ると、トータルでは守備が改善できていることになりますし、ソトから佐野に交代させるのは合理的な判断と言えるでしょう。

来季の一塁の運用は?

試合終盤にソト→佐野へ一塁を交代する運用は、来年も続くでしょう。
佐野の打撃力はチームでトップクラスですし、ソトも来年34歳になることを考えると、守備負担の軽減にも繋がりますのでメリットが大きいです。
ただこうなると、ソトがいつも試合終盤に交代させられるので、記者から見るとGG賞として選考するには良いイメージがつきにくく、来季もソトが好守だったとしてもGG賞に選ばれる可能性が低くなります。
ですがソトが守備で貢献していることはデータ解析に秀でたDeNAなら分かるはずですし、守備の貢献分も査定アップに繋がることを願います。

ソトは来季で3年契約の3年目ですが、攻守で今季並みの成績を残すことができれば、来年オフにまた複数年契約を結ぶ可能性がありますし、そうなれば在籍7年以上になって、FA権を取得し日本人登録できるようにもなります。
今季GG賞を獲れなかったことに不満があったかもしれませんが、ファンはソトの貢献を十分理解していますし、是非ともまだまだチームに在籍して活躍し続けて欲しいですね。

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