2024年のDeNAのコーチングスタッフについて、意図や目的の考察をまとめてみました。

一軍コーチングスタッフ

オフェンスチーフコーチに靏岡賢二郎を抜擢

2023年は相川コーチがチーフ作戦コーチとして三浦監督の参謀役になっていたが、24年からは攻撃(オフェンス)と守備(ディフェンス)の２つに分けている。
そして攻撃(オフェンス)側の作戦担当に、一軍ゲームアナリストだった靏岡 賢二郎コーチが就任した。

靏岡コーチはこれまで、二軍バッテリーコーチ補佐兼育成担当やゲームアナリストなどの職に就いていた。
今回、そこからいきなり一軍ヘッド待遇のオフェンスチーフコーチを任されることになり、大抜擢と言える。

靏岡コーチに求められているのは、役職名の通り攻撃面の作戦を考えることだ。

靏岡コーチの経歴を考えると、アナリストとしてデータ収集・分析した経験を活かして、作戦を考えるようになるだろう。

現役時代に活躍したコーチだと経験則や慣例で作戦を考えやすいが、靏岡コーチなら良い意味でそういう考えに囚われないはずだ。
フラットな視点で、データ分析の結果から得点効率が高くなる作戦を立案して欲しい。

これで攻撃面の作戦はガラリと変わる可能性があり、良い方向へ進めばチーム全体でデータ分析を重視するようになるはずだ。

石井琢朗コーチが走塁面も兼務

24年からは石井琢朗チーフ打撃コーチが、走塁コーチと一塁ベースコーチも兼務することになった。
これまで走塁は内野守備走塁コーチ、外野守備走塁コーチがそれぞれ担当してきたが、これからは石井琢朗コーチが一手に引き受ける形だ。

そして一塁ベースコーチも兼務することになる。
ベースコーチはコーチの役職として明記されてないところも多いが、あえて役職に入れたのは、石井琢朗コーチには攻撃時に一塁のコーチャーズボックスに立ってもらうということだろう。

一塁ベースコーチは打球や守備を見て単打・長打の判断を瞬時に行ったり、一塁ランナーが盗塁を仕掛けるタイミングやスタートのアドバイスをするなどの仕事がある。
なので石井琢朗コーチが「走る」ことのコーチングを一手に引き受けることになる。

DeNAは23年の盗塁数がリーグ最少で、成功率もワーストだった。
走塁面もまだまだ改善の余地がある。
石井琢朗コーチの盗塁・走塁指導で、今の状態から脱却することが狙いだろう。

一軍投手に小杉・大原コーチ

23年まで一軍投手コーチを務めていた、齋藤隆・木塚敦志コーチが２人とも退任し、新たに二軍の小杉投手コーチと大原一軍投手コーチ補佐が一軍投手コーチとなった。

齋藤隆コーチは24年から本部長付アドバイザーに就任する。
外国人選手の獲得や編成部門に携わるとのことで、元々フロント業務に関心が強くて、MLBでの経験もあるのでうってつけの役職と言える。

そして木塚敦志コーチはまた球団スカウト就任する。
2015年にもスカウトをやっていたので復帰という形で、来年からのドラフト候補をチェックしていくことになるはずだ。

こうして一軍投手コーチが２人共配置転換されたが、新たに一軍投手コーチになる小杉・大原コーチたちはそれぞれデータ分析の知識や経験が豊富だ。
靏岡コーチと同様に、データを意識しながら投手陣のコーチングを行っていくことになるだろう。

これも新しい試みなので、投手陣の状態が良い方向へ進んで欲しい。

田代コーチが一軍打撃コーチ復帰

石井琢朗打撃コーチが走塁・一塁ベースコーチも兼任することになったが、打撃面も強化するために田代コーチが一軍打撃コーチに加わった。

田代コーチは23年まで巡回コーチとして一軍・二軍を見てきたが、24年からは一軍打撃をしっかり見ていくことになる。

石井琢朗コーチ・鈴木尚典コーチとは長い付き合いなので、連携面の問題は無いだろう。

来年70歳になるので健康や体力面が心配だが、長く培ってきた指導経験やノウハウを活かして、チームの打撃成績を底上げして欲しい。

万永野手コーディネーターを一軍登録

万永コーチは23年まで二軍のコーチだったが、24年からは一軍になる。

役職が野手コーディネーターという聞き慣れない言葉だが、おそらく野手運用で三浦監督にアドバイスをしたり、経験・データ双方を併せた立場から選手に助言していくような役割だろう。

万永コーチは三浦監督と球団内でも長い付き合いなので、三浦監督のサポートを期待したい。

二軍コーチングスタッフ