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小学生のスマホトラブルが激増中。親として今すぐできることを専門家に聞きました

こどもたちの未来を創り、家族が安心して笑顔に暮らせる社会の実現を目指す、Hamic(ハミック)です。

先日、小中学生のスマホトラブルに関する記事が立て続けに公開されました。

まずは毎日新聞から、「SNS原因で犯罪被害の小学生139人 2023年は過去最多」というニュース。
そして、FNNプライムオンライン(フジテレビ系)から「100万円超の課金も!国民生活センターが子どものオンラインゲーム無断課金相談件数が増加し注意喚起」というニュースです。

小学生に向けたスマートフォンを開発・販売するHamicでは、小学生が安心安全にスマホを利用する方法について、Hamic事業部に所属する危機管理の専門家、防犯ジャーナリストの河合にヒアリングし、今すぐできる対策を公開させていただきます。

Hamee株式会社Hamic事業部
防犯ジャーナリスト 河合 成樹

小学生のスマホトラブルが増加する背景

小学生のスマホ所持率が上昇

まず小学生のスマホトラブルが増加している要因として挙げられることは、小学生が当たり前にスマホを利用しているという点だと河合は説明します。

つい先日、NTTドコモの企業内研究所であるモバイル社会研究所から発表された「小中学生のスマートフォン所有率に関する調査レポート」では、スマートフォンの所有率は全学年で上昇したという結果が出たそうです。

特に小学生高学年(4~6年生)では初めて4割を超えたというので、その所有率の高さにガラケー世代としては驚きを隠せません。

小中学生のスマホ所有率上昇 小6では半数を越える―NTTドコモ・モバイル社会研究所調べ

お下がりスマホの危険性

その中でも、河合が特に注視するのは、家族の利用していたスマートフォンを小学生が利用する「お下がりスマホ」のケースだと言います。

小中学生のスマートフォン所有率に関する調査レポート」において子供が最初に使った自分専用のスマホ(Wi-Fi利用を含む)をどのように入手したかを聞くと、小学生では35%が「保護者や兄姉が使っていた端末を譲った」と回答したそうです。(参考:iza「小中学生のスマホ所有率上昇、“お下がり”は2~3割」)

お下がりスマホがトラブルの原因となることについては、親のアカウント情報が残っていたり、フィルタリング機能が外れていることなどが挙げられるそうです。

100万円超の課金も!国民生活センターが子どものオンラインゲーム無断課金相談件数が増加し注意喚起」でも、親のアカウント情報が残っていたことにより子どもによる高額課金が発生したと述べられていました。

フィルタリングとは、子どもが不適切なサイトやアプリにアクセスできないよう制御したり、スマホ依存を防ぐために利用時間等に制限を持たせられる機能です。

実はこのフィルタリング機能については、2018年2月に施行された「青少年インターネット環境整備法」により、18歳未満の方が携帯回線を契約する場合には利用するように義務付けられました。

そのため、18歳未満の方がスマホを利用する場合であれば、原則的にフィルタリングサービスに加入する必要があり、店頭で購入する際にはその前提で手続きを進めることになります。

しかし、家族が利用していたスマホをそのまま利用する場合は、その手続きを経ていないため、子どもを守るためのフィルタリングの設定がされていないケースが多発しているのだそうです。

その結果として、小中学生がスマホトラブルに巻き込まれるケースが増加しているのではないかと、河合は述べています。

スマホトラブルから子どもを守るために

ただ制限をするのではなく、メリットを享受しながらデメリットを排除していくという視点を

河合は「スマホトラブルが話題となると、制限をすることに意識が向きがちだが、メリットもたくさんある。メリットを享受しながら、デメリットを排除する仕組みが必要だ」と説明します。

メディアインタビューを受ける河合

冒頭の調査にもある通り、SNS上で悪意を持って近寄ってくる人(グルーミングなど)、攻撃してくる人(誹謗中傷など)などが増加し、問題視されています。

これらの問題に対して、子どもを守るために「スマホを与えない」という結論に至ったご家庭も多いのではないでしょうか?

しかし、スマホがあるからこそ得られるメリットも当然ありますよね。

例えば、いつでも連絡が取れたり、GPSアプリを活用して居場所がわかったりする点は、親にとっても安心感につながります。

その他にも、簡単にあらゆる情報にアクセスできることで、好奇心・探究心が高まり、子どもの可能性が広がる可能性だってあるかもしれません。

デメリットがあるからと言って闇雲に制限してしまうのは、少しもったいない気がします。

スマホトラブルが生じる原因と対策

スマホトラブルは、親の見えないところで発生していることがほとんどです。

これについて河合は、夜道で不審者と遭遇する場面に例えていました。

「例えば、夜道を親子で一緒に歩いている時、不審者が子どもに近づいてきたら親が対処しますよね?それと一緒です。スマホトラブルも、親の見えるところで生じることなら、大事になる前に親が介入して守ることができるんですよ」

つまり、異変が生じた際、親が気づける状態にしておくことが大事だということです。

具体的な対策としては、つながりが見えないサービスは使わせないようにすること、子どものインターネット上のつながりを見えるようにすることが挙げられます。

フィルタリングの活用や、みまもり機能付きの連絡アプリを利用する方法のほか、物理的に子どもに見せてもらうという方法もあります。

この際に注意すべきことは、スマホを子どもに渡す前に、どのような理由で親が見守る必要があるのかということをしっかりと伝えておくことです。

スマホを渡してからでは子どもは親に隠すようになる傾向が強く後戻りができないので、スマホを手にする前のタイミングで子ども自身が事前に理解する必要があります。

子どもが納得できたら、お約束ごととして紙に書いて見えるところに貼っておくのもおすすめですよ。

実際の約束ごと。
内容はスマホのことではありませんが、
自分で書いたことは注意される前に行動しています。

また、最近では、オンラインゲーム経由で知らない人とつながりトラブルに発生するというケースもあります。

その対策としては、親が子どもと一緒にゲームをすることが一番だと河合は言います。

一緒にゲームすることにより、ゲームを通じたつながりを自然に見ることができるため、不適切な行動に走らせないように予防しながら、親子の適切なコミュニケーションを図ることができます。

さいごに

子どものプライバシーもある中で、どこまで親が介入すべきか悩ましく思われる方も多いのではないでしょうか。

もちろん、一人で歩きたくなる時期は必ずくるし、子どもの自立は親としても喜ばしいことです。

だからこそ、その時に思いっきり背中を押してあげられるよう、並走期間を設けることは、親子にとって必要なことだと思います。

今回の調査で、お下がりスマホがスマホトラブルにおける一定の要因となっていることがわかりました。

Hamicとしても、子ども達を守るため、できることを考え実行していきます。

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Hamic事業部 髙橋
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