拝啓 HAMIDASYSTEMさま

 ワンマン2daysにて映像演出をさせていただきます、Humungasと申します。
『黄昏の君/黎明の貴方』によせて、という名目でラブレターを送るべく筆を執った次第です。
 ひとりのクリエイター(と名乗るのもおこがましいのですが、便宜上)として、また、一ファンとしての思いや彼女たちの魅力を綴ります。お時間のある方はどうぞお付き合い願えますと幸いです。

 HAMIDASYSTEMのみなさま、私はあなたたちが大好きです。

 昨年の10月。YouTubeの海を泳いでいる最中に蝉の声のMVに辿り着き、サムネイルをクリックした瞬間、鳴り響いたのはTR-808のリムショット。画面に現れた4人の女の子たちから伝わってきたものは儚さ、可愛さ、美しさ、あどけなさというそれぞれの魅力。そして全員に共通するのは精悍な双眸。暫く見惚れているとギターの音が頭を貫き、それに呼応するように歌声は鋭さを増していく。
 大変なアイドルを発見した、そんな興奮とこれまでの価値観が揺るがされた衝撃に心が震えたことを、今でも覚えています。
 新しい楽曲がリリースされる度に音源を聴き、嗚呼、彼女たちのライブを観てみたい、と思いながらも、当時多忙を極めていた私は現場に足を運ぶタイミングを作ることができず、どうやら用語では ”在宅” と呼ぶらしい、そんな人間でした。

 今年の2月。突然、全てのエネルギーを喪失した私が過ごしていたのは、音楽や映像に触れることを恐れ、外に出ることも創作意欲もない日々でした。
「映画館ライブでのVJをお願いできませんか」その連絡があったのは、5月の青山でのライブの日のこと。私の無気力さを心配してくださっていたアーティストの方から「ハミシスと対バンするから元気があったらおいで」と誘われていた日でした。これは運命に違いない。自分のこころが微かに蠢いたのを感じたのです。
 その日のライブのことをはっきりと覚えています。複雑に交錯するダンス、絡み合う歌声、楽曲を全身に憑依させたかのような、空間を掌握する存在感。私が得たのは ”在宅” では味わえない感動でした。
 ライブを観ながら、私の頭には映像を背に立つ4人の姿が浮かんでいました。失っていた創作の感覚が戻ってくるのは当然のことでした。何故なら、みなさまには、それだけの魅力があるからです。

 6月の映画館でのライブをきっかけに、私はまた少しずつ映像と向き合い始めました。自分の中にまだ残っている ”映像を、演出を、続けたい" という「呪いすら抱いて」そしてそれを「許せると信じて」。

 現在、12月。みなさまがWWWという会場を掌握する光景を目撃できることを楽しみにしながら、また、創作意欲を蘇らせていただいたことへの感謝を抱きながら、映像を用意してきました(実を言うとまだ調整を続けています)。
 本日と明日、私がまたあなたたちのステージを彩る舞台装置になれることを光栄に思います。今の自分のすべてを以て、与えていただいたものへの恩返しをするつもりです。

 HAMIDASYSTEMのみなさま、私はあなたたちが大好きです。

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