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打者地獄?サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地、オラクル・パーク(旧AT&T)

サンフランシスコ・ジャイアンツ。2010,2012,2014と5年間で3度ワールドシリーズを制した名門球団ですが、ふと調べていると面白いことが分かりました。

本拠地のオラクル・パークとは。

サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地であるオラクル・パーク(旧AT&T)は特殊な形をしているのが多いMLBのボールパークの中でも、特に珍しい構造をしています。

2013年のWBCで準決勝、決勝の舞台となりました。
日本代表はプエルトリコとこの球場で対戦しましたね。


↓Wikipediaより。

本塁から左翼まで339フィート(約103.3メートル)あるのに対し、右翼までが309フィート(約94.2メートル)しかない。そのため右翼方向のフェンスは高さ25フィート(約7.6メートル)もある。さらに右中間は最深部が420フィート(約128メートル)もあり、これは本塁から中堅までより長い。この独特の構造と高いフェンス、そして海からの向かい風が相まって、打者不利な球場であり、特に左打者には非常に不利である。

これらからも左打者にとってはMLBで最もHRの出にくい球場とも言えるでしょう。右中間が420フィートまであるというのは、他の球場なら悠々スタンドインのところをフェンス直撃、或いはアウトになってしまう可能性まであるのでポール際までの距離は短いと言えどフェンスがそもそも高い&マッコビー・コーブからの風で押し戻されるのでキツいですね。。

そんな左打者にとって不利なこの球場を本拠地にしているジャイアンツの選手は誰しも苦しめられてきました。

オラクル・パーク本拠地のジャイアンツの選手の打撃成績

↓Wikipedia参照

ジャイアンツ所属選手で、この球場が本拠地となった2000年以降、シーズン30本塁打以上を記録した選手はバリー・ボンズ(2000年〜2004年)、ジェフ・ケント(2000年、2002年)、リッチ・オーリリア(2001年)のわずか3人である(しかも40本塁打以上はボンズのみ)。左打者に至ってはボンズを除くと、2010年にオーブリー・ハフが26本塁打を記録するまでは2000年のJ.T.スノーが記録した19本塁打が最多で20本塁打超えすらおらず、スイッチヒッターを含めても2006年のレイ・ダーラムが記録した26本塁打が最多である(2012年シーズン終了時点)。

これは衝撃的ですね。。30HR以上を記録した選手が僅か3人しか居らず、左打者に限ってはボンズしか超えていないんですね。40HR以上もボンズのみとなっています。右打者でも非常に不利な部分があるんでしょうか。


更にはパークファクターと呼ばれるHRなどの各項目を球場ごとの偏りを表す指標があり、1以下なら他の球場と比べHRが出にくい、1以上なら他の球場よりHRが出やすいというものです。(数値が上に大きくなればなるほど出やすい、逆に数値が小さくなればなるほど出にくい)

このパークファクターでオラクル・パークは旧AT&Tパークの頃から何と1度も1を超えたことがないんですね。言わずもがな"打者地獄"と呼べるでしょう。

バリー・ボンズの異次元さ

ここでスポットライトが当たるのはバリー・ボンズですね。打者地獄の当時AT&Tパークを本拠地にしながらもMLBのシーズン本塁打記録を作る73HRをマークしました。

ステロイドの問題などを加味したとしても、異次元という他ありません。凄過ぎますね…。

ボンズのAT&T本拠地での功績
・30HR以上を12年連続でマーク。
・40HR以上を5年連続&8度マーク。
・MLBシーズン記録の73HR。
・2004年には45HR、41三振と異次元の成績。
・同じく2004年にMLBシーズン最高のOPS1.422。
・ジャイアンツ時代は100三振以上無し。
・スプラッシュヒット35本

異次元過ぎますね、化け物としか言い様がないです。
前述の通りステロイド疑惑というのは今後一生付きまとうでしょうし、やっていたとすると(ほぼやってるだろうが)良くないことです。

しかしステロイドを使用しただけではこの上記のような異次元の功績は残せなかったでしょうし、彼の打撃技術が世界トップクラスという事実も変わらないと思いますね。

スプラッシュヒットに関してですが右中間方向の場合には最低130M以上の飛距離が必要となり、最多35本のボンズに次いで多いのはブランドン・ベルトの9本でした。合計でも81本なので、約43%がボンズという異常な感じになっています。

因みにこのスプラッシュヒットが記録されると、ライトスタンド最前列に開場時からの合計本数が電光掲示で表示されるとともに、スタンドと海の中間にある噴水が吹き出る仕組みになっています。

オラクル・パークの設備やアトラクション

↓Wikipediaより。

右翼フェンス後方がサンフランシスコ湾の入り江になっている。この入り江は、前出のウィリー・マッコビーの名を取って「マッコビー・コーブ」と名付けられた。右翼席も小さいため、場外ホームランが出るとそのほとんどが海に飛び込む。海に飛び込む特大アーチはスプラッシュ・ヒットと呼ばれており、中にはこのスプラッシュ・ヒットボール目当てに、入り江で舟に乗って待ち構えているファンもいる。
右翼立ち見席兼通路の下には「ナットホール」という遊歩道があり、アーチ状のところから試合を無料観戦できる。「3回、5回、7回に他の人と交代しましょう」と書かれた看板があり、交代観戦を呼びかけている。
対する左翼席後方には、巨大なグラブとコカ・コーラの瓶がある。グラブはビンテージ・スタイルで、世界最大級の大きさを誇る。サンフランシスコの対岸にある学園都市バークレーに在住の芸術家が製作した。ホームから500フィート(約152.4メートル)も離れたところにあり、未だこのグローブに収まる大ホームランを放った選手はいない。隣にあるコカ・コーラの瓶は長さ約24メートル。中は4つの滑り台になっている。

↓マッコビー・コーブ

↓ナットホール

↓レフトの巨大コカ・コーラ&グローブ

※マッコビーコーブの由来であるウィリー・マッコビーはAT&Tパークが開場した年=彼の62歳の頃に初めて見た際に「右翼フェンスまでの距離を見たら思わず現役復帰を考えたくなった」と話していた。当初はマッコビーコーブの影響が分かっておらず、"左打者有利"と言われていた。

そして何故彼の名前が由来かと言うと、マッコビーは現役時代に左のプルヒッターとして名を馳せていたからと言われている。因みにマッコビーは殿堂入り選手。

最後まで見ていただいてありがとうございました。
守備指標の内野、外野編はまたいつかNoteに載せます。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AF





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