2023ケンタッキーオークスデー 全レース予想

11R ケンタッキーオークス(G1) 6日AM06:51

3歳牝馬限定 ダート9ハロン

◎7.Wet Paint 

○10.Flying Connection

 今年は2歳牝馬戦線で活躍した馬が3歳戦線において極めて不調で、特にBCジュヴェナイルフィリーズ組は優勝馬Wonder Wheelを除いて出走無し。しかもそのWonder Wheelでさえ14の出走枠のうちポイント14位とギリギリでの出走だったというのだから、驚くばかりだ。唯一例外として、2歳から継続して一線級を進んでいるのはデルマーデビュータントS(G1)優勝馬のAnd Tell Me Noilesで、2月のサンタイサベルS(G3)、3月のサンタアニタオークス(G2)でいずれも2着と気を吐いている。
 そのAnd Tell Me Noilesを相手に2戦とも圧勝したFaizaが大本命……と言いたいところだが、バファート厩舎なのでケンタッキーオークスへの出走は不可能。それに加え、その他100ポイントレース(最重要プレップ)で大荒れだったレースがいくつかあり、混戦ムードだ。そしてその混戦ムードの中でも有力馬とされているのが、Wet PaintとBotanicalだ。
 Wet Paintは2歳9月に芝でデビューして10着と大敗するも、ダートに替わって初勝利を挙げた。以降ダートでは全戦全勝を続けており、その中には2月のハニービーS(G3)、3月のファンタジーS(G3)が含まれている。最後方付近からの強烈な末脚が魅力で、特に前走のファンタジーSでは比較的多頭数(12頭)の中でもあっさりと追い込みを決めている。追い込み一辺倒のタイプはどうしても多頭数で不安が生まれるが、その点Wet Paintが既に経験済みなのは心強いという他ないだろう。
 もう1頭の有力馬Botanicalも1・2戦目が芝で目立たない成績だったが、転機が訪れたのはその次走。オールウェザー戦に転戦すると、突如2着に10馬身と4分の3差を付ける圧勝を果たし、後にそのメイドンを含めて3連勝。特に前走バーボネットオークスは他馬と6ポンドのハンデがありながらの逃げ切り完勝ということで大きく評価された。Equibaseスピード指標ではエイトベルズS(G2)の出走欄でも紹介したMunnys Goldを上回る112を獲得しており、ダートでもそのスピードが活かせれば、といったところだろう。

 ◎Wet Paintは多頭数で結果を出しているという点がやはり大きなアドバンテージに感じる。枠もちょうど真ん中で競馬しやすそうだ。また、個人的に前走ファンタジーS(G3)のパドックでWet Paintを見た最初の感想が「重そう」だった。結果は楽勝だったが、本番ではもっとパフォーマンスが良くなることを期待している。
 ○Flying Connectionは比較的穴目の1頭だが要チェック。前走サンランドオークスでは逃げて速いラップを刻みながらも最後突き放し完勝しており、完全に横綱相撲といった競馬だった。サンランドオークス優勝馬は2013年にMidnight Luckyが5着に入着して以降ケンタッキーオークスの活躍に乏しいが、今回はタイムも優秀(1マイル通過タイムも同日サンランドダービーより速い)で、軽視は禁物か?


1R メイドン 5日23:30

3歳以上牝馬限定 ダート8.5ハロン

◎12.Forever After All

 ここ5戦で2着4回、4着1回とひたすら善戦続きな◎Forever After Allを本命視したい。前走で負けたLovedはハッキリと1頭だけレベルが違っていて、それこそ重賞でも通用しそうな走りだった。今回はメンバー構成もいくらか楽そうなので、ここで初勝利を挙げたいところだ。



2R アローワンス 6日AM00:00

3歳牝馬限定 ダート6.5ハロン

◎9.Undervalued Asset

 ◎Undervalued Assetは前々走のフォワードギャルS(G2)で2着と好走。この時Undervalued Assetを下したのは今日の第7レース・エイトベルズSでMunnys Goldの対抗候補として出走してくるRed Carpet Readyで、さすがにこのレベルの馬はいなさそうだ。
 Red Carpet Readyのレベルを測る意味でも重要なレースで、注視したい。



3R アローワンス 6日AM00:30

3歳以上 芝1マイル

◎9.Cowboy Justice

 ◎Cowboy Justiceはアイルランドから移籍2戦目。移籍初戦の前走こそ3着だったが、アイルランド時代はMagic Chegaga(後にG3で2着)に迫っており、本来の実力はもっと上。少なくともアローワンスでモーニングライン10倍に甘んじる馬では無いと見る。状態が良化していれば圧勝まであっても。


4R アローワンス 6日AM01:05

3歳以上牝馬 ダート1マイル

◎10.Guana Cay

 ここ3戦はオールウェザーを使われている◎Guana Cayだが、半年前のキーンランドで3着に入着した時やチャーチルダウンズで5着に入着した時など、ダートでも出脚よく器用な先行競馬が出来ている。このレースでは14頭と多頭数で、器用な競馬が出来るというのは大きな強みになりそう。オッズ的には大穴扱いだが、果たして。



5R アリシーバステークス(G2) 6日AM01:43

4歳以上 ダート8.5ハロン

◎4.West Will Power 
○3.Rich Strike 
▲Last Samurai 
△1.Art Collector

 昨年もOlympiadとHappy Saverがワンツーしたが、今年もケンタッキーダービー馬Rich Strikeに、ペガサスWCを優勝し現在ダート馬国際レーティング2位のArt Collector、昨年のリズンスターS(G2)で1着Epicenter3着Zandonの2着に突っ込んだSmile Happy、今期ベイヤー指標1位のWest Will Power、そのWest Will Powerを2月に破っているLast Samuraiなど、G1級のメンバーが揃った。
 ◎West Will Powerの前走ニューオーリンズクラシック(G2)優勝時はArt Collectorをチギり捨てるような競馬で、今年はこの馬がアメリカ古馬のトップになることを予感させた。前走はArt Collectorと同斤量だったが、今回はArt Collectorよりも4ポンド(約1.8kg)こちらの方が軽いということで、順当ならWest Will Powerの方を上に取るべきだろう。
 4歳初戦を迎える○Rich Strikeも楽しみだ。ケンタッキーダービーのみならず、ルーカスクラシック(G2)ではHot Rod Charlie相手に食い下がったように、チャーチルダウンズ適性は抜群だ。クラークS(G1)ではWest Will PowerやLast Samurai相手にも惨敗しているが、その時はアメリカダートと考えるとややスローな競馬だった。今回は面子的にハイペース濃厚で、一気に浮上までありそう。調教もここ2週は素晴らしい。
 ▲Last SamuraiはWest Will Powerを破っているという実績を純粋に評価。
 △Art CollectorもペガサスWC(G1)やチャールズタウンクラシック(G2)並のパフォーマンスが発揮出来たら、この面子でも分からない。(国際レーティングでダート世界2位の馬がこういった評価になるのも変だが)


6R モデスティステークス(G3) 6日AM02:26

4歳以上牝馬限定 芝9ハロン

◎2.Didia 
○7.Shantisara 
▲6.McKulick

 一昨年のクイーンズエリザベス2世チャレンジT(G1)で5馬身差圧勝したことで知られるShantisaraや、昨年のニューヨーク芝牝馬三冠レースのうち2つを勝ったMcKulick、そのMckulickをチャーチルダウンズで破った経験のあるNew Year's Eveなど、G3にしては濃いメンバーが集まっている。
 ◎Didiaは2021年のアルゼンチン最優秀牝馬で、北米移籍後も余裕のある競馬で3連勝中。その3連勝も破ってきた相手は先述のNew Year's EveやAdventuring、Almsと一線級で、北米の環境にも十分適応出来ていることが伺える。高速馬場はもちろん、時計のかかる馬場にも対応可能で、5月のチャーチルダウンズという条件も問題は無さそうだ。ここは一枚格上とみる。 
 ○Shantisaraは久しぶりに重い芝で走れそうで、近走では一番チャンスがありそう。
 ▲McKulickはもう少し直線が長い条件の方が向いてそうだが、地力でどこまで。


7R エイトベルズステークス(G2) 6日AM03:09

3歳牝馬限定 ダート7ハロン

◎9.Munnys Gold 
○10.Condensation 
▲8.Accede

 短距離路線の牝馬ながら3歳ベイヤー指数で断トツ1位のMunnys Goldや、ロードトゥケンタッキーオークス100ポイントレースのファンタジーS(G3)3~5着馬Olivia Twist・Condensation・Grand Love、フォワードギャルS(G3)優勝馬Red Carpet Readyなどが出走してきており、例年の当レースよりも非常に注目度が高くなっている。
 ◎Munnys Goldは昨年6月のデビュー戦からベイヤー指標で101を叩き出し、アメリカでは早い時期から知られている馬だった。そこから2歳は全休し、1月はガルフストリームパークのアローワンスはほぼ公開調教で楽勝、そして前走3月のフロリダ3歳牝馬限定戦では17馬身差の圧勝を果たした。前走のパフォーマンスは極めて優秀という他無い。タンパベイダウンズダート7ハロンのレコードを更新したのはもちろん、2月にタンパベイダウンズの6ハロンで行われたSibeliusのペリカンS勝ちタイムが1分08秒75で、Munnys Goldの6ハロン通過タイムは1分08秒16というのは……。馬場差を考慮してもとんでもない逸材では? 時計のかかる馬場での経験に乏しく未知数な部分もあるが、それでも勝って欲しいという思いはある。

 BCジュベナイルフィリーズ4着馬○Sabra Tuffは今期初戦。今年のBCJF組は3歳戦で苦戦を強いられていて、優勝馬Wonder Wheelでさえケンタッキーオークス出走枠に14枠中14番目で出走枠滑り込みというレベル……であれば本来は敬遠したくなるところだが、このメンバーの中では貴重な追い込み馬という点に注目したい。ひたすら大外を回しても最後まで伸びてくるのがSabra Tuffの強みで、今回のレースはMunnys Gold(やRed Carpet Ready)の影響でハイペースになることが確定的。全頭がバッタバタになる展開であれば無欲の一発も。
 ▲Red Carpet Readyはここ2戦を見る限り、道中まではMunnys Goldに付いていけそうで、あわよくば枠を活かしハナを取れる可能性もある。ただ、どこまで粘れるかは疑問で……?
 △Accedeの前走は、ハイペースを3番手から追走し4コーナーから反応よく先頭に立ちそのまま押し切るという好内容だった。これがデビュー戦だったことを考えればなかなかセンスのある競馬で、2走目でどれだけ良化してくるかは注目したいところだ。


8R アンブライドルドシドニーS(リステッド) 6日AM04:03

3歳以上牝馬限定 芝5.5ハロン

◎11.Caravel

 重賞勝ちは無かったものの、チャーチルダウンズ芝5ハロンで異様な強さを誇り旧レコードも保持していた牝馬”Unbridled Sidney”を冠したレースで、その名の通り「芝短距離」「牝馬限定」という条件で行われるリステッド競走である。通常であればいかにもリステッドに出てきそうな芝短距離牝馬が集まるレース……といったところだが、今年はここに昨年のBCターフスプリント(G1)優勝馬のCaravelというトップ中のトップホースが参戦してきたことで、大変注目が集まっている。日本で例えると宝塚記念を勝ったマリアライトがその次走に新潟牝馬ステークスを選んだ、くらいの空気感といえば良いだろうか。(恐らく良くない)
 他のメンバーも昨年のミントレディーススプリント(G3)でCampanelle(ロイヤルアスコットで2勝3着1回)にクビ差まで肉薄したBay Stormや、ここ11戦で9勝と驚異の勝率を誇るOeuvreなど決して手薄では無いが、さすがにGolden Pal・Creative Force・Highfield Princess・Casa Creed・Naval Crownといった強豪を一手に倒した◎Caravelに逆らうのは難しい。
 ○Bay Stormはケンタッキーダウンズで良いパフォーマンスだったように、タフな馬場の方が合っているかも。雨が降ったら面白い。


9R ラトロワンヌステークス(G1) 6日AM05:04

4歳以上牝馬限定 ダート8.5ハロン

◎2.Search Result 
○7.Society 
▲4.Secret Oath

 昨年のケンタッキーオークス馬Secret Oathがチャーチルダウンズに帰ってきた他、一昨年のケンタッキーオークス2着馬でエイコーンS(G1)優勝馬のSearch Results、昨年のコティリオンS(G1)優勝馬のSociety、G1を含めここ8戦で複勝圏を外していないPlayed Hardなどメンバーは多彩。NestとClairiere以外の古馬牝馬トップ層が大体揃った、といった印象だ。
 個人的には贔屓もあって強力な逃げ馬◎Search Resultsと○Societyを応援したい。2頭ハイペースでぶっ飛ばして、どれだけやれるかが大変楽しみだ。バテバテになってもご愛嬌。
 ▲Secret OathはチャーチルダウンズかつClairiereがいないということで大チャンス。ハイペースになっても大丈夫そうだ。


10R エッジウッドS(G2) 6日AM05:51

3歳牝馬限定 芝8.5ハロン

◎9.Papilio 
○3.Cairo Consort 
▲11.Revalita

 ここ5~6年における賞金の増額が著しいレースの一つで、2018年は15万米ドルだったところが昨年には50万米ドルまで膨れ上がった。かつてシーザリオが出走したことでも知られるアメリカンオークス(G1)の賞金総額が現在約30万米ドルなのでこれも超し、ニューヨーク芝3歳牝馬三冠競走、QE2チャレンジトロフィー(G1)に次いで5番目に高い3歳牝馬限定芝グレード競走となっている。
 ここは前走アパラチアンS(G2)の1着馬◎Papilioと2着馬○Cairo Consortがハッキリと2強で、そこに芝レースで怖いチャドブラウン厩舎の3頭▲Revalita、Liguria、Preliminaryがどれだけ食い下がれるかといった所が焦点になりそう。



ベルモント競馬場8レース 
ウェストチェスターS(G3) 6日AM6:05

4歳以上 ダート1マイル

◎8.Repo Rocks

 ここ10年の勝ち馬にはCody's Wish、Code of Honor、Tonalist、Palace Maliceなど一流馬がズラリと並び、オークスorダービーデーの裏でどうしたらこんな豪華なメンバーが集まるねん案件が風物詩と化してきたウェストチェスターSだが、今年の出走馬もその例に漏れず豪華としか言いようがない。
 昨年のブルーグラスS(G1)優勝馬でケンタッキーダービー(G1)3着等の実績もあるZandonが今期初戦をこのレースで迎える他、フロリダダービー(G1)優勝馬White Abarrio、前走のカーターハンデ(G1)で2着に入ったRepo Rocks、目下6連勝中のDr Arditoなど、この時間だけはベルモントの映像にわざわざ切り替えるだけの動機が十分に出てくるメンバー構成となった。
 ◎Repo Rocksは7ハロン戦を中心に使われてきたものの、スタイミーS(G3)で優勝したように1マイルまでは許容範囲とみる。また、むしろ過去のレースを見返すとLife is GoodやSpeaker's Corner、Isolateといったようにテンが余りにも速い馬がいると潰れている節があり、マイル以上の方が向いている可能性もある。昨年のテイルオブザキャットSでRepo Rocksに先着したIsolateは、今年のゴドルフィンマイル(G2)で見事に距離延長がハマり圧勝した。Repo Rocksもこの相手に距離延長で通用するか、しっかり見ておきたいところだ。


(ケンタッキーオークスはページの1番最初で予想済)



12R アローワンス 6日AM07:25

3歳牝馬限定 ダート8.5ハロン

◎1.Curl Girl

 ケンタッキーオークスが終わった後で疲れもあるだろう(特に徹夜組)が、出来ればこのアローワンスもなるべく見ておきたいところ。◎Curl Girlの前走は6馬身差の圧勝だったが、このタイムは2日後に行われたレキシントンS(G3)と0.5秒しか違わないタイムだった。このレースの3着馬Disarm(明日のケンタッキーダービーに出走)よりはまず速いタイムで走っている上、このタイムはレキシントンSよりもハイペースで刻んだものだった。斤量もレキシントンS出走馬より2ポンド(約1kg)重いことから牝馬としてはかなりのパフォーマンスだったと言え、相当期待が持てる。気は早いが、エイコーンS(G1)でケンタッキーオークス出走勢と相まみえる所を見たい。


13R メイドン 6日AM08:00

3歳以上牝馬限定 ダート7ハロン

◎10.Huntress for Hire

 ここがデビュー戦の馬もいてなかなかの混戦ムードだが、前走はスタートで後手を踏んで6着まで追い込んできた◎Huntress for Hireを本命視する。調教が良化模様なのも心強く、今回はスタートをしっかり決めて初勝利を挙げて欲しい。

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