本多忠勝のはなし
ーはじめに編ー
徳川四天王・本多平八郎忠勝
生涯57度の戦で、その身に一か所の手疵も負わなかった戦国最強の武士。
私が戦国武将のなかで一番好きな人物である。
私の「本多忠勝のはなし」では、私が独断と偏見で厳選したエピソードを私なりの解釈を添えてお話し、みなさんが少しでも平八郎殿に興味を持っていただければ幸いである。
史実に忠実で、歴史的価値のある内容を期待されている方は、そっとページを閉じるか、もしくは温かい目で見ていただきたい。
ーはじめに編ーである今回は、なぜ私が平八郎殿について書こうと思い立ったかをお話したい。
「趣味や好きなものはなんですか?」と質問され、「歴史ですかね。」と答えると必ずと言っていいほど「歴女ですね!」と言われる。
私は「歴女」と言われるのが好きではない。
決してアンチ歴女なわけではなく、「歴女」と言われるほど深く探求していなければ、武将を「推し」と呼ぶほど恋焦がれてもいないからだ。
私が「歴女」なんておこがましい。
「歴史上の人物で誰が好きなんですか?」と質問される。
「本多忠勝です。」
「ホンダタダカツ?」相手の口から繰り返される名前とともに、なんとも言えない表情をされるのを私は何度も見てきた。
なんなら男性にすらその表情をされたこともある。
「男子たるもの本多忠勝を知らぬとは何事か」と心の中で言ってしまう。
「織田信長です。」とでも言えばいいのだろう。しかしあの表情をされるとわかっていても、私は絶対「本多忠勝です。」と言ってしまうのだ。
すると気を遣って「ホンダタダカツって何した人ですか?」と質問される。
私は「まぁ、めちゃんこ強かった人ですよ。」とスーパーざっくり答える。
そして「へぇーそうなんですね。強い人が好きなんですね。」で会話終了。
平八郎殿の初陣の話も、名槍・蜻蛉切の話も、創の話も言いたい、言いたいけど、なんだか話せなかったのである。
申し訳ない、平八郎殿。
しかし平八郎殿のアツい話がしたい。誰かに聞いてほしい。
それが私が「本多忠勝のはなし」を思い立ったきっかけである。
次回からはいよいよ平八郎殿のエピソードをお話していきたい。
まずはー初陣編ーから。
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