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第6回 グループの名称が被ることで生じる不利益とは?

名称が丸被りすることによって生じること

  さて、ようやくここから本題に入っていきたいと思います。この「MOONCHILD名称丸被り問題」は、特段、MOON CHILDのファンではないという人たちの間でも疑問を呈する声が多く聞かれますが、名称丸被りによって生じる支障は、大まかに言えば次のようなものになると思います。

① 情報を混同させ、目当ての情報になかなか辿り着けなくなる。
  →→需要者(消費者)を混乱させる。
② グループ名称の独自性を棄損する。
  →→グループ名称の価値を希釈させ、集客力を低下させる。


支障① 情報が混同し、消費者を混乱させる

 まず多くの人から支障だと言われているのが、①バンドとガールズグループの情報が混同し、それぞれお目当ての情報に辿り着くのが難しくなることです。実際にネットで検索をかけた時に、両方の情報が混ざってしまい、バンドの情報になかなか辿り着けなくなりました・・。

 また、SNSを利用する際にキーワードに#(ハッシュタグ)をつけて投稿し、同じキーワードでの投稿を瞬時に検索したり、趣味・関心の似たユーザー同士で話題を共有したりすることが行われていますが、これも現在、双方のハッシュタグが混ざってしまい、混乱した状態になっています。

 さらに、情報検索上の不都合だけではなく、誤ってお目当てでない方の「ムーンチャイルド」のCDを購入したり、MP3ファイルをダウンロードしたりしてしまう人が出てくるかもしれません。CDのジャケットがご本人たちの顔写真ならまだ判別しやすいのですが、イラストやイメージ写真の場合、どちらの商品なのかを瞬時に判別することは難しく、間違える人が出てくるのも当然だと思います。こうなると、一般消費者の損害に直接つながります。

 また、ラジオに「ムーンチャイルド」が出演すると聞いたので楽しみにしていたところ、聞こえてくるのはどう考えても少女の声だったため、「ササキさんは少女に転生したのか・・・?!」と困惑していた人もいらっしゃいました。


支障② 名称がもつ価値を希釈させる

 それに加えて同じ名称のグループ名を付けることで、②グループ名称の価値を希釈させることも軽視できない問題です。グループ名称はブランドであり、積み上げてきた実績や信用が化体したものです。

 そのような名称と同一または類似の名称を他人に使われれば、その名称がもつユニークさ=独自性が希釈されます。独自性は価値ですから、まさにそのブランドの価値を棄損することになります。そしてブランドの価値を棄損するということは、名称がもつ集客力を低下させるということです。
 
 

「名前被り」は不正競争防止法で規制されている!

 以上のとおり、①「混同を惹起する」行為によって消費者が被害を受け、②「他人の価値を希釈させる」行為によって同じ名称の既存グループが被害を受けるということができそうです。
 そして、このような行為は不正競争防止法という法律で規制されています。
 
実はこの「不正競争」に該当する可能性のある行為であることが、「MOONCHILD名称丸被り問題」の本質、実体であり、商標の問題は付随する問題に過ぎません。

 不正競争防止法についてはまた後日触れたいと思います。


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