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日本人の自己肯定感が低い理由とその問題

海外に住んでいたとき、日本人は他の国から来た人と比べて「自己肯定感」が低いなと感じていました。

例えば、日本人で英語を喋ることができるのに英語を積極的にしゃべらない人って結構いるんですよね。何故、英語でしゃべらないの?って聞くと、私の英語なんて上手じゃないし、間違えるの恥ずかしいって答えるんです。

フランスとかスペインなどのヨーロッパの国の人達は、文法が間違っていて、訛りが強い人たちでも自信満々で英語を話すんですよね。同じアジア圏の国の人たちも日本人よりは積極的ですよね。

この違いって自己肯定感(自分に対する自信)の違いによって起こってしまうと思うんです。自分に自信があって、自己肯定感が高ければ、間違えることを恐れず積極的に喋ることできますよね。

下記の図は内閣府が調査した自己肯定感の国際比較です。

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参照:http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/tokushu.html

日本人は他国と比べて、著しく自分に自信が無い人が多く、長所があると答える人の割合が低いです。自分に自信が無く、長所が無いと自己肯定感は低くなると思います。

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では、なぜ日本人の自己肯定感は低いのでしょうか?

上記のツイートから分かるように、日本人の評価方法が”減点方式”なんですよね。

シュート練習で日本のコーチは8~9回決まっても、それを褒めるのではなく外した1本に対して言及する。対して、ヨーロッパでは1,2回の決まったシュートを褒めるそうです。

上手くいったことを褒めて加点してくれるのではなく、できなかったことを減点していく。

減点方式は”何ができない”かで評価し、加点方式は”何ができるか”で評価してくれる。

普段の生活でも、日本人の減点方式が多々ありますよね。学校のテストはもちろんのこと、相手の良いところを褒めるより、重箱の隅をつつくをように相手の至らない点を述べる人が多いなと感じる。野球を高校までやっていたけど、指導者の方に良い点よりも悪いばかりを指摘されていた記憶があります。

僕はカナダに留学していましたが、カナダの先生は常に僕の至らないところよりも良い点を褒めてくれました。拙い英語を責めるのではなく、僕の積極性やプレゼンテーションの仕方などを褒めてくれました。カナダは減点方式ではなく、加点方式で評価していたなと思います。  

自分ができること、上手くいったことを加点する文化と、自分が失敗したこと、できないことを減点していく文化のどちらが、自分に対しての自己肯定感を高めてくれるか明白ですよね。

日本人は子供のときからこの減点法の評価軸に晒されるので、他国の子供と比べて自己肯定感が低いのだと思います。

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自己肯定感が低いことの問題点は、失敗や間違えることを恐れて挑戦しなくなってしまうことではないでしょうか。

上記で図表3で示してるように日本人は他国の人達と比べて、うまくいくか分からないことに意欲的に取り組むという項目でも、52.2とかなり低い数値が出ています。

自己肯定感が低く、色んなことに挑戦したり、失敗したりすることができないと自分の可能性を探求できないですよね。可能性を探求できないと、自分が好きなものとか向いてるものって分からないと思います。

失敗も子供のうちから"慣れておかない"と、大人になって大きな失敗に耐えることができなかったり、失敗を恐れて大きなチャレンジができなくなってしまうのではないでしょうか?

自己肯定感が高く、自分に自信があるのであれば、どんどん新しいことに挑戦していけるし、たくさんの失敗を子供のときからできますよね。

そういった子どもたちは、大人になっても色んなことに意欲的に取り組み、失敗を恐れずに行動しやすくなると思います。

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21世紀は"正解"が無い時代だと思います。昭和、平成と続いてきた既存のシステムが通用しなくなっています。

いい大学を出て、いい会社に入ったからといって"一生安泰"ではないですし、テクノロジーの変化により古い仕事は淘汰され新しい仕事が生まれてきています。これをすれば大丈夫!みたいな方程式が成り立たないですよね。

そんな時代に必要な能力って、様々なことに意欲的に取り組んだり、新しいことに挑戦していく力や、何度も失敗して立ち上がっていく力だと思います。

そのために必要なことは”自己肯定感” 自分に対する自信だと思います。

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こんな話があります。

高校生当時、”怪物”と呼ばれた元サッカー選手の平山相太さんが、高校当時無名だったがサッカー選手として成功を収めた本田圭佑選手と自分の差をメディアに語っていました。

本田も参加していたユース世代の日本代表合宿での出来事を持ち出して説明する。エースだった平山氏は練習でもゴールを量産し、チームメートからも絶賛されたが、本田だけが異なる対応だったという。誰もが平山氏を「すごい」とたたえる中、ラストパスを出した本田は「こんな良いパスもらったことないでしょ」と、さも自分のおかげで平山氏のゴールが決まったといわんばかりの言葉をかけてきたという。
奇しくも本田は08年1月に、平山氏がはね返されたオランダリーグに挑戦。名古屋から初の海外挑戦としてVVVフェンロに移籍する。その入団会見で「車のHONDAとは違うホンダです」とジョークを交えてオランダ語で堂々とあいさつする本田を見て、自分との差を感じたという平山氏。

参照:https://www.daily.co.jp/soccer/2018/07/08/0011427360.shtml

日本で本田選手くらい自己肯定感が高い人って稀ですよね。"自分はできる"と自己肯定できるし、間違えること失敗することを恐れていない。そこに成功の理由があるのだと思います。サッカー選手以外のことにも果敢に挑戦していますよね。

みんなが本田選手のようになれるわけではないですが、日本人はもっと加点方式の考え方を取り入れて、みんながもっと子供のときから自己肯定感を育めるようにしたほうがいいと思います。子供のときから挑戦、失敗することに慣れたほうがいい。

1人1人が自己肯定できて、相手の良いところを評価したほうが楽しい社会になるのではないかと僕は思います。



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