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なぜ素人が山小屋を運営しようと思ったのか【その3・終話】

今月からnoteを始めて3日続けて投稿をさせていただきました。
三連休と重なったこともあって昨日までは比較的時間に余裕がありましたが、やはり今日から世の中的にもスタートという感があって、夜になってようやく書く余裕ができました。運転とか打ち合わせが続くとなかなか時間の確保はむつかしいと実感していますが、書くことを習慣化していきたいと思います。

それから嬉しいことに、まだたった3回しか投稿していないのに、なんとサポートをしてくださった方々がいらっしゃいます!!本当に感謝申し上げます!こんなにすぐにリアクションがあるなんて本当にびっくりしました。これからの活動費としてありがたく使わせていただくとともに、引き続き更新を頑張っていきたいと思います。

さて、今日は管理が始まるまでの実際のお話です。だいぶん忘れていることもありますが、思い出せる限り書いてみたいと思います。

○指定管理者選考に応募する

指定管理者になるためには選考があります。
北杜市の場合は、市役所のホームページ等で告知があります。

私が代表を務める株式会社ファーストアッセントは、平成29年度と令和2年度は七丈小屋に、令和3年度はアグリーブルむかわに応募しました。

指定管理者制度には個人では応募できません。
そこで私は、七丈小屋の指定管理者に初めて応募した2016年は、「株式会社を設立することを条件」に応募しました。つまり応募した時点では、任意団体である「ファーストアッセント」しか存在していません。

ということで、私が株式会社を設立した一番の理由は、指定管理者制度に応募するためだったと言っても過言ではありません。やりたいことは定まっていましたが、会社という形を作ることに関しては、全くこだわりはなかったです。応募するには法人になっておくことが一番確実だった。そして会社を設立するだけなら、それほど難しい話ではなかった。そんな非常に消極的な理由です。
ただあとになって考えたら、この時点で会社を設立しておいてよかったと思いました。

応募に際しては、まず指定の書式に則って、事業計画書の作成から始まります。運営に対する大きな方針だけでなく、3カ年あるいは5カ年計画を単年度づつ、予算も合わせて計画していかなけれななりません。

書類選考のあとは、選考委員会によるプレゼンテーションがあります。
2016年に七丈小屋に初めて応募した際は、私の他に2社の応募がありました。
すでに北杜市内外で山小屋を運営している事業者さんが手を挙げていたので、この時点で私が選ばれるチャンスはないだろうなと思っていました。
普通に考えたら、全くの素人を選ぶわけがないだろうと思ったのです。

この選考委員会は独立していて、各課の思惑などは一切排除されています。ここで事業計画の説明だけでなく、書面では反映できないことをいろいろとヒヤリングされました。私としては失うものは何もないので、この地域の山岳資源にはまだ伸びしろしかないことや、自分が管理者となることで、施設運営だけでなく、地域を包括して考えていきたいといった話をさせていただきました。

○指定管理者候補者に選ばれる

人生何が起こるかわかりません。

2016年の秋は第2回目のヒマラヤキャンプで1ヶ月半ほどヒマラヤで登山していました。

ヒマラヤキャンプ2016 ロールワリンカン(6664m)
ロールワリンカン山頂にて

無事に目標のピークの初登頂に成功し、とても充実した気持ちで11月6日に帰国。
忘れもしないその翌日です。北杜市役所から封書が届いていました。

「あなたを指定管理者候補者に選定する」

つまりこの時点で、ほぼ「あなたに決まりましたよ」という通知でした。
「候補者」となっているのは、最終的には市議会の承認が必要だからです。

プレゼンの際に山小屋運営経験がある2社があったため、ほとんど諦めていたので、正直この通知には驚かされました。と同時に、もう一気にアクセルを踏み込むしかありません。

このようなヒマラヤキャンプの報告会や山岳映画のプロモーションなどに加えて、山岳ガイドのお仕事も並行してやらせていただきながら、ここからいろいろと怒涛の準備が始まりました。

業務の引き継ぎ

業務の引き継ぎは比較的順調だったと思います。

当面の間、前管理人さんをスタッフとして来ていただくことにして、
その間にいろいろと仕事を覚えていくことにしました。居抜きでの引き継ぎとさせていただき、前管理人さんが揃えた備品は買い取る形で契約書を交わしました。

運営の切り替えは2017年4月1日。
通年営業の小屋だったので、年が明けたぐらいから現場にちょくちょく入り始めました。

2月の雪下ろしの様子

この年の冬は非常に雪が多く、4月に入ってもかなりの雪が降りました。毎日のようにこんな雪かきをしながら過ごしていました。

雪が降る度に途方に暮れていました。。。

こんな感じで山小屋一年目が始まりました。

よろしければサポートもよろしくお願いします。いただいたサポートは、登山道の保全やヒマラヤキャンプといった、登山文化を次世代に引き継いでいく活動費として使わせていただきます!!