hana|言葉の海®

浮かぶか泳ぐか溺れていって。 https://kotobanoumi.jp/

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マガジン

  • hanaの●●な思考

    なかなか無法地帯。

  • 愛とか恋とか、

    愛とか恋とか、別れ話とか。

  • 朔日。

    毎月朔日(さくじつ、ついたち)に、その月の異名からインスピレーションを受けて書いた詩です。

  • for love and colors

    主役は愛する色。色彩に恋して。

最近の記事

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フラクタル。

宇宙で星がたくさん生まれ 宇宙で星がたくさん消えた ぶつかって壊れて ばらばらになって 漆黒に消えていく 燃えながら 輝きながら 落ちていく 落ちていく 宇宙で離れ離れになった光 地球に落ちてきた約束の光 ぶつかって壊れて ばらばらになった あなたを何度でも探して 転びながら 泣きながら 呼んでいる 叫んでいる 分裂する細胞の不思議 創造的破壊は摂理 何度も作り直すよ 自分らしく輝いて 氣づいてもらえるように 悩みながら 迷いながら 思い出さなくちゃ 待

    • 人生に無駄なことなんて起こらない。

       私は比較的、引っ越しが多い人生だと思う。  その中で、今はそこまでしないけれど、内覧に行くときは必ずコンベックス(メジャー)を持参して、不動産屋の担当者さんが印刷してくれた間取り図に大体の寸法をメモし、部屋が決まったらそれをさらに1/10スケールくらいで方眼ノートに落とし込み、手持ちの家具が入るかどうかを毎回検証していた。  コンセントの位置や個数、ドアの開閉の向きまですべてメモし、家具の配置まで考えてから引っ越していた。そのほうがやれ冷蔵庫が通路を通らないだのというトラ

      • 365日もあれば。

         ちょうど一年前の今日は、ある神社の節分祭にいた。  当初の予定が頓挫して悲しみに暮れていた私を、いつもとても可愛がってくださっている先輩方が誘って連れ立ってくれ、出向いた節分祭だった。  寒い中執り行われた節分祭のすべてを憶えているわけではないのだけれど、あの日、ご一緒していたある人に衝撃的なことを言われたことは、今日までに何度も思い出された。  詳細に記すつもりはないから書かないけれども、要約すると、一年前の私が望んでいた、ないし当たり前に続くと思っていた人間関係や

        • 近況なんかを脈絡なくつらつらと。

           とても遅ればせながら、あけましておめでとうございます。  実は新年早々、40度近い熱を出してダウンしたり、なんだか体調面で大変不安なスタートを切りました。今は元氣にしております。  ちょっと前から、SNS等がとても嫌になった時期があったのと、自分自身、言葉に向き合うことが困難になってしまって、書きたいのに書けなくて悶々としていました。最近は超久しぶりにおはなとはちこのnoteを更新していますので良かったら読んでみてください。相変わらずゆるゆるだけどね。  取材したり書い

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        記事

          輪になって廻って。

          深海に落ちる瞬間 この耳が探すのは 寄せては返す波のように 反芻する人魚の寝息 宇宙の声を聴きながら 遠ざかっていく今日 残る記憶をかき集めて 再生される「夢」 朝が来るまで私たちは 海を飛びまわり空を泳ぎ 草花の囀りを愛でては 沈黙の中で微笑した いつかどこかの惑星で見た 虚空に浮かぶ美しき残像 忘れたくないことだけ 煙のように漂っては消える 輝いて見えた灯りの傍らで 意味を拾い意義をぶちまけて 散り散りになった影と陰が 手を繋いで命を奏でる 輪になって廻って

          輪になって廻って。

          降っても、晴れても。

           解散してしまった好きだったバンドのメンバーが、新しいバンドを結成しているのは知っていた。でも、曲を聴いたことはなかった。  新バンド結成から何年も経っていたけれど、今になって聴いてみようかな、という氣が起こり、朝からアルバムを順に漁っては耳障りにならない程度の音量で流し続けている。サポートメンバーによって元はなかった楽器が入っている効果もあって、旧バンドの好きだった頃のテイストは残しつつも、やはり異なる音楽になっている。  そりゃそうだよね、と思いながら、こちらのバンド

          降っても、晴れても。

          オレンジ。

          美しさとは ただあるがまま ありのまま 生きる命のことで 強さとは 風に吹かれても 雨に打たれても しなやかに生きる命のことで 愛おしさとは まるで生まれる前から 知っていたかのように 私はあなたであなたは私と 何の疑いもなく感じさせる 透明な信頼がもたらす 魂の共鳴のことで 愛とは あなたが好きな花を あなたが好きと言ってくれるような 美しさも強さも愛おしさも 伝わるように写真を撮って 贈りたいと思う心で あなたの好きな色を見つけては あなたを思い出

          あなたがくれた夕暮れに。

          稜線に今日が沈みゆく もう何度目かのこの景色を眺めながら あなたが今どこで何を感じているのか 目を細めて繋がろうとする 小さくても確かに続いていく祈り その祈りで織り上げられた絵が たとえ漆黒の海であっても いつもあなたが光をくれるから 還る場所を忘れることはもう 決してない 「ただいま」と「おかえり」があること 儚い蒼海の一粟はただ奇跡なのに 人はどうして慣れてしまうのだろう 手放してしまうのだろう 忘れてしまうのだろう この空が夜の海のように静謐になったら 人がずっ

          あなたがくれた夕暮れに。

          portfolio。

          真っ白な紙の上 幾重にも重なる線から 歌が聴こえた 二次元に産み落とされた 君の小宇宙 幾年月を重ねようとも あの時の君との対話を 嬉しそうに歌ってた 真っ白な紙の上 幾重にも重ねた線で 光に向き合う君を観た 照らしたいものは 目に見えるものなんかじゃなくて 未来も過去もそして現在も すべて繋げて「愛」と呼ぶような 名も無きたくさんの小宇宙 真っ白な紙の上 幾重にも重ねた線が 愛すべき君をつくった 連綿と続く純粋で透明な 生命が贈る声援 それは君の小宇宙で輝いて 光

          彼の岸から届く愛。

          かつてあなたがいた景色に 今年もあの朱が点って 会いたいよと零す唇を あなたが贈った風が撫でる 過去確かにここにいた 命の痕跡が整列している あなたの名前を見つけるのは いつ来ても容易いのに あなたの体温を思い出すのは どうしてこんなにも難しいのだろう 何も言わずに佇むあなた 問いかける私 会話なき対話 愛してるの代わりに頬を伝う温度 抱きしめる代わりに贈られる風 あたたかい寂寥 また歩いていけるように 彼の岸から届く愛 言葉の海 hana

          彼の岸から届く愛。

          ドライ。

          一番高いところで 咲き誇った花は枯れて 葉は萎れて俯いて 生を置き去りにしても 根は水を吸い上げて 生きようとする いくら進む方角がわからなくて 足を投げ出して座り込んでも 心臓が止まらないのと同じように 美しく咲いていたあの時のまま 立ち止まっていたいのに セカイは凍ってくれない どこまでも差し出せたこのココロ いつしか心じゃなくなった 最初から誰のものでもないのに 奪って奪われて色も形も変わっちゃった 反対色を加えてごまかし続けて今さら 透明になる方法が見つからないよ

          round and round。

          また此処に立っている 私はワタシを見下ろして 何を想う 何を想う また此処に浮いている 感情も思考も 失くして 失くして また此処で叫んでいる 声にならない祈りを 抱えて 抱えて また此処で呼んでいる いつまでも迷子のアナタ どうしてる どうしたい? いつも此処で出逢ってしまう 約束を果たすまで 繰り返し 繰り返し いつも此処に答えがあったの 私がわたしだった頃 覚えてる? 憶えているよ いつも此処に還って来ていた アナタの手を取って 何度でも 何度でも でも

          揺蕩。

          境目のなかった昨夜と今朝の波間で 始発のガタンゴトンを 揺蕩いながら聴いた 青白く染まっていく部屋に 溶けないように起き上がる 諦観と期待を乗せたガランとした電車 そこになぜだかいるような感覚を 白湯を沸かしながら脱ぎ捨てる 鳥の囀りが通り過ぎる窓辺で 喉を通る熱が現在地を教える 水も取り替えられない花瓶の中で いつもなら早々に色褪せるはずの薔薇が 青白い部屋の中で棘を隠す 現在地から あと何度この心臓が動いたら 還れるのだろう 冷たい棘に触れながら 熱い白湯を与

          まるで高尚な文学作品のようだった。映画【ザ・ホエール】

           ここに前置きを書く。  私は基本的に文学作品の映画化にはアンチで、「やめてくれ」と思うタイプだ。  高校卒業間近からその後の大学生活において、授業中であろうと常習的に文学作品を喰らっていた私にとっては、自分の中にある世界観が壊されるのがただイヤだ、というチープな認識程度でいたが、少々解像度を高め改めて書いてみると、その理由は下記のようなものであった。  「原作からインスピレーションを受けました」と謳って別物にしてくれるのならばまだしも、世間に売るために過度にドラマチック

          まるで高尚な文学作品のようだった。映画【ザ・ホエール】

          アイスクリームな思考。

           レディを救うのは甘いものだけなのよ。  我が常套句をひっさげて向かった先は、数字がそのまま名前になっている某有名アイスクリーム専門店。目が合ってしまったのだから仕方あるまいよ。ちょうど甘い物が食べたかった。  限定のビターコーヒー味と私の王道ストロベリーチーズケーキのスモールダブル、ワッフルコーンで作られた救世主を左手に、買ったばかりの文庫本を右手に、久しぶりの読書に専念しようじゃないかと適当な席に腰を下ろしたところで、「片手ふさがってたら読みにくいやんけ」とようやく重

          アイスクリームな思考。

          requiem。

          厚い雲の向こうに 太陽があることは知っていた 降り注ぐ光はただ 届かなかっただけ あなたが生きた日々が 無意味になることなんてないのに 傷ついたあなたは 隠れてしまって 世界は暗くなってしまった あなたの名残も面影も まだ生生しくそこにはあって なくした実感がまだ持てない私たちは 随分と遠くへ来てしまったみたいに 辺りを見渡しているんだよ その手を握ろうとつい 探してしまうの 思い出される声も 他愛もないやりとりも 屈託のない笑顔も きっと魂に生き続ける だけど哀しい