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人と話すのが苦痛。感音性難聴と診断された私の話。

ここでは、以前私自身の耳の聞こえづらさを
客観的に理解してもらおうとまとめた資料です

診断していただいたのをきっかけに
スライドにまとめて周りの人とのトラブルが
起こりにくくなるといいなと作りました

もし身近に聞こえにくさを感じる方が
いらっしゃったら
どうか寄り添ってあげてもらえると
私も嬉しいです




1.    聞こえる範囲の音がせばまる

ご老人の耳元で若い方が話している姿を見たことはありませんか?

私は何度かこのような、
耳元でお話しすると見せかけ
叫ぶようにして話している光景を
何度か目にしたことがあります

大抵のご老人の方は聞き取ることができずに
聞き返している気がしませんか。

この光景のように、
単純に音を大きくしても聞こえるわけではないのです。
上部の左側の図をご覧ください

通常、“聞こえ”には『聞こえる音』
というのが存在します。
別名ダイナミックレンジと呼ばれる、
青い枠で囲われたものです。

このほかにも『小さすぎて聞こえない音』『大きすぎて不快な音(うるさい)』があります。
この2つは言葉や音として認識されません。

感音性難聴には『小さすぎて聞こえない音』の範囲が健常な方と比べとても広くなります。

『大きすぎて不快な音(うるさい)』は健常な方とさほど大差ありません。
そのため、問題なく聞こえる範囲が通常の方よりうんと狭くなります。

誰だって耳元で叫ばれたら聞こえませんよね。
もしくは聞こえづらくないですか?
単純に音を大きくしても
聞こえるようにはなりません。
寧ろ不快に感じてしまうので
叫ぶのはやめてあげてください。



2.音がばやける

相手の話し言葉は聞こえるけど、
自分に言葉として認識されない。


いまいちピンとこないと思うので例えを一つ。

ピントが合っていなくて、
画素数がとても低いカメラで写真を撮りましょう。
すると写真はとてもぼやぼやしていませんか?
とても不明瞭ではないでしょうか。

もしくは目が悪い人がコンタクトや眼鏡をせずに
生活するとどうでしょう。

感音性難聴でなくても、
生活がつらいのではないかと想像つきやすいかと思います。
音は不明瞭で、虫食い状態で、ぼやけた音として
聞こえることが健常の方より感じやすくなります。

音を感じる細胞は耳の“有毛細胞”で感じますが
感音性難聴をもっている人はなんらかの理由で
極端に減少しています。

このため音は聞こえているのに、
言葉として聞き取れないという現象に陥ります。



3.聞こえない音ができる

私の実例ですが、会話で聞き間違いをして「もう一度話してほしい」とお願いをしたのに、全く言葉が分からないことが多々あります。

そう、多々あります。

音には聞こえやすいものと聞こえづらいものがあるからです。

a.i.u.e.oと発音する母音は比較的大きく低い音です
対して子音は、音が小さく高い音とされています。
図のように子音の中でも特にサ行やハ行は高音域に位置します。

私を含め、一般的な感音性難聴は高音域が聞こえづらい状態です。
そのためサ行やハ行のような高音域を含む会話では聞き間違いが起こりやすくなります。

聞き間違いは、聞く気持ちが足りないのではなく
聞こえない音ができるため、聞き間違いが起こります。


4.こんなように困ってます

自分が日ごろ難聴ゆえに困っていることをいくつかご紹介します。

①    雑音化での会話は苦手です

②    聞きたい音が選び取れません
人には、雑音化でも必要な音を聞き取る能力を持っているが、感音性難聴にはこの力が極端に弱いです。こんな時は特に聞きたい音が選び取ることが出来ません。

③    聞き取れないときは、宇宙語?知らない外国語を聞いているように感じています。

④    音楽の歌詞は大抵聞き取れていません。
その他、テレビの会話も含めなんとなくで聞いています。

⑤    かすかに聞こえる言葉(虫食い状態に聞こえる)と口の動きと状況を組み合わせて話を推測しています。
聞こえないなりに想像力を働かせて頭をフル回転させて聞いています。


5.こう接してくれたら嬉しいです

聞きづらさを感じているときは、
こんなように接していただけたら
とても嬉しい内容を3つお伝えします。

これまでお伝えした通り、
①    何度聞き返しても聞こえない言葉や音があります。
何度も同じ言葉を繰り返されても、聞き取れないため想像で聞いて返答してしまいがちになります。伝えようとしてくれているのに、何度も言わせてしまうのも本当に申し訳なく感じます。冗談ではなく5回以上聞き返しても理解できません。

何度も同じ言葉を繰り返すのではなく、
「か.き.く.け.この“け”」や「ことりの“り”」などと教えていただくと理解が深まります。

②    ゆっくり、はっきり、俯かずに話していただけると嬉しいです。
はじめにお伝えしたように、私たち感音性難聴者には音や言葉が不明瞭でぼやけて聞こえます。その時の状況や背景や口の動きを読んで言葉を想像していることが多くあります。多くの情報をかき集めて一生懸命話を聞いています。

脳の中での情報処理に時間がかかる場合があり、聞いた後に理解するまでにタイムラグが発生することがあります。ゆっくり話してもらえるとタイムラグも少なく済むことがあります。


③    聴覚過敏も併せもちます。
大きすぎる音や声は苦痛や恐怖、不安を感じます。



以上です。




私は今でも聴覚に障害を持つ方々のコミュニティに参加していますが、全員と言っていいほど共通の悩みをもっています


人と話すのが怖いです
聞き返すと社会人失格といわれました
話す相手を不機嫌にさせてしまいます
職場の電話が怖くて手が震えます
真剣に人の話を聞いてないからだと言われました
周りがみんな自分の悪口を言っている気がしてなりません

私も知的障害があるはずだから検査してきたら?
と上司に言われたこともあります


耳が悪い


ただそれだけですが、
当事者はとても苦しんでいることを
すこしでも理解してもらえたらと思い記しました。

身近に、感音性難聴といわれる人がいる場合
もしくはご老人の聴力低下も当てはまります。

心細く感じている方がいらっしゃるかもしれません


寄り添っていただけたら救われます。




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