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誰も教えてくれない申請

申請企画の話です。

「これじゃあ考えていることの1ミリも伝えられていない」
「親御さんに、このお子さんに、どうしてもうちを選んで欲しい」
誰もが悩み、頭を捻って、関係を思い描き、何度も読み返し、そして出来るだけ急いで行うもの。私にとって申請とはそんな印象です。どうすれば話が成立するのか?それはそれは気持ちが悪いくらい考えます。

申請する時、申請を受ける時、おこがましくもお断りする時。
御礼や挨拶のメッセージを送る時。
検索してもヒットする関連記事は数個のみです(本当に当時ありがたかった……!)。どこにも正解なんて無いのだから、好きに書けばいいとは分かっているものの、もっとテンプレ参考文みたいなものがあってもいいんじゃない!?とめちゃくちゃ思ってました。密かにそう思ってる人って多いんじゃないでしょうか。今思えば、単純に自分が受け取って嬉しい文章を書こうということですよね。でもそれがなかなか難しい。書いてると何が良くて悪いのか分かんなくなるんです。

このブログでは「申請する時」の文章について考えてみようと思います。


まず自分が何者なのか

挨拶して名乗る。初めましてなら丁寧に、既にお世話になっている方へのメッセージなら日頃の感謝も込めて。申請シーンにおいて、キャラクターはもちろんですが意外に作者自身についても見られている印象です。親御さんによってスタイルは様々ですよね!twitterIDも掲載しているなら、ついでにドス黒い闇ツイやキツめの性癖ツイをカモフラージュしましょう(バレます)。


どういう用件なのか

単刀直入に書く。あなたのお子さんがとても素敵なので、つまりうちの奴にください!といった旨。話をする時は結論から述べろ!とかよく言われますけど、これがなかなか話し手になると忘れがちで、私は相手をよくそわそわさせてしまいます。聞き手の立場になってみると、用件を聞いてから詳細を説明してもらえる方がスッと入ってきやすい。話し手にとっても、一番大事なポイントを最初に宣言することで気合いが入るのではないでしょうか。用件を最初に述べることは、双方にとっての心の準備だと思っています。


なぜその子でなくてはならないのか

「どうしてもこの子がいい!」と感じた理由をしたためます。何に一番惹かれたのか。単純にその子の性格やデザインが好みである場合も多いですが、自キャラのプロフィールと関連付けて書くと、より一層説得力が増す気がします。例えば「人に頼られると断れない○○さんのことを、拙宅の××は空気を読みすぎる性格も手伝って陰からよく見ている。お人好しと要領良し、性格も交友関係も正反対で、普段一緒にいることの少なそうな間柄だけど、××には○○さんの人一倍ひたむきな内側を知る一人になって欲しい。欲を言えば、誰も知らない裏側で小さな秘密を育んでいく関係性にしたい」とか。“キャラをロールする自分”が、その子を素敵だと感じていることは勿論です。が、それ以上に“作者の手から離れた2人”をどこまで想像できるかだと思うんです。


関係を組んだらどうしたい

成立後のペアの展望について触れている方が、受け取る側はきっとイメージも返信もしやすい。でも、あまり長文だと重い。バランスが難しいところ……。企画の世界観をヒントに、舞台の中での2人の位置づけをイメージしたいですね。ガンガン王道いきたいです!とか、王道から外れるけどあなたのキャラとうちの奴でこういう変わったことがしたいんです!とか。最早この部分は提案という名のクソポエムだと思っています。縹から申請を受け取った皆さんに55258回謝りたい。そんなポエムも、めでたく成立したら本当のことになっちゃうんだから驚きです。申請企画楽しいですね……!


相手の事情を想像する

もしかしたら複数の申請を受けているかも。仕事や身辺が忙しいかも。既に気になっている相手がいるかも。うちのキャラの何処かに苦手な要素があるかも。既に撤退を考えているかも。とにかく自分とは全く異なる状況にあるかもしれないことを忘れないようにしたい。想像した上で、本当に今の文章で大丈夫なのか見直します。


ご覧頂いたことに感謝する

大袈裟かもしれませんが、申請文をご覧頂いたということは、他人の人生の一部を頂戴したも同じです。素直にありがたや~~!


自キャラのリンクを張る

受け取った側は「ところで貴方のそのお子さんはどの子や……!?」となるので、リンクを貼っておくとすごく親切です。


最後に私が実際にお送りした文章をフェイクしまくりで載せておきます。こんなもんかよと笑って流してください。

【○○○○○○(企画名)】申請
○○様

初めまして。(企画名)に参加している縹と申します。
△△さんに拙宅の××とペアを組んで頂きたく、メッセージを差し上げた次第です。

△△さんのCSを初めて拝見した時からどうしようもなく心惹かれました。
キリッとした瞳なのに自信のなさそうな口元がどこかアンバランスで、他にはない表情に見入ってしまいました。書かれてある台詞の一つ一つは戸惑いの中にも優しさがあって、どんなシーンで発せられた言葉なのだろうかと、読む度につい想像してしまいます。

拙宅××がもしも△△さんとコンビを組ませて頂けるならば、慎重派の△△さんを××がぐいぐい引っ張る形になるのかなぁとぼんやり考えています。初めのうちは「なんて頼りないヤツ!」と一蹴してしまうかもしれません。効率重視で勝気な女ですが、きっと△△さんと1つ1つ問題をクリアしていくことで、自分一人だけではここまで来れなかったと気付く日が来ると思います。損得で割り切ってしまえない曖昧なもの、けれど大切なものを、△△さんの優しいお人柄に触れることで感じ取るようなエピソードを描きたいと思いました。

必ずしも恋愛発展がゴールとは考えておりません。もどかしいですが近すぎない距離感を大切にしたいと思っています。向き合いかけてやっぱり素直になれない、けれど利害の一致と片付けるには寂しすぎる、そんな風にたゆたう関係性をイメージしています。

どうか、ペアを組んで頂けませんでしょうか。

色々と書きましたが、お返事は全く急ぎませんので、御手隙の折にでもご連絡くださいますと幸いです。ゆっくりとお待ちいたしております。
それでは、長文失礼しました。

縹(アカウント名等)
××(CSのURL)

何か思いついたら追記します。