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産んでくれと頼んだ覚えはない、厨二病への回答

おそらく本人は、かなり真面目に問うているのだろうけれど。
そして、母親は、それに、直後、呆気に取られて答えられないだろうけど。
敢えて、その答えを教えるとしたら。

A. 陣痛という、恐ろしい痛みと共に、君は産んでくれと、出産時に、無意識でも頼んだのだ!

胎児として、母親のお腹の中で、胎盤から、血液、酸素、栄養、全てを注ぎ込まれゆっくり育って、母親の心音を聞き、お腹を蹴って胎動でここにいると示し続けた君。無事に産まれておいで、早産になりそうなら、まだ、もうちょっと我慢して育ってね。お腹の方が安全だからね
私も、そうっと動くから。絶対安静で、君を守るから。そんな声かけの主の声を、聞いていた君。
予定日過ぎても出てこないときは、そろそろ出ておいで? 胎盤が退化し出してるから、お外は明るいよ?そんなふうに声かけして。

とうとう、お母さんの、身体を無理やり、産道としてこじ開けて出ようとする君の動きが、陣痛として、恐ろしい痛みとして、波のように繰り返しお母さんの身体にやってくる。

逃げられない。だって君は渾身の力を込めて、出てこようとする。お腹の中は、狭くて、そろそろ居心地が悪い。
鼻の奥から、スイカを出すのは無理そうだとは
理解できるよね?そのくらい大きく引き伸ばして、最終的に鼻の穴を産婦人科医が、広げるために麻酔なしで、一旦切って、君が出てくるのを手伝った。それを君が産まれたあと、医師が縫うほどの傷だよ。
もちろん、お母さんは、大出血してる。

それでもいきむ。数時間から3日かかることもある。君が陣痛という痛みをお母さんに与えて頼んでくる。産まれてきたいと。それにお母さんは、いのちがけで答えて君と一緒に、命懸けの二人の呼吸を合わせて、君は産まれてきたんだ。証人?医師や、立ち合ったお父さんに聞いてみたら?

つまり、きみが、そこに、存在しているということは陣痛があって産まれてきてる。
君は、命懸けでお母さんに、産んでくれと頼んだ結果なんだよ?!

そんな、ごく当然の経験を、一生忘れない経験をしてるお母さんに、君たちは、産んでくれと言ってないと怒る! そりゃあ、あっけに取られてしまうよ、お母さんは。
いのちがけで頼まれたのに、そんなこと言うんだ?!って。

もちろん、新生児だから覚えてないだろうけど。そのまま、全治数ヶ月の出血が続くうちにも君はおっぱいが欲しい、初めての外が怖い、
お母さんからお腹の時のようには酸素が勝手に送られてこない、ぷかぷかできない重力で動きづらいなどなど、なんだかわからない世界に転生してきたようだ怖い不安だと泣き続ける。お母さんは、泣き続ける君に頼まれ続けて、君を寝ないで育てる。昼夜もわからない君を、明け方でも、深夜でも、いつでも不安な君はとにかく泣いて助けてと訴える。

それを、お母さんは、何をして欲しいのかな?
お腹空いてるのかな?寒いのかな?おしめが濡れて気持ち悪いのかな?苦しいのかな?
言葉が使えない君の頼みに応えようと、いろいろ試す。お母さんだって、君がなにして欲しいのかわからない。でも、助けを求める君を放置しない。どうかして苦痛や不安を訴える君をなんとかしてあげたいと、抱っこしてあやしつづける。腕も腰も痛くてコルセットしても。
眠くても寝てたら君が死んじゃうかもしれない不安と始終闘いながら。それが一年以上、土日の休みなんか無しに続くブラック職場だ。
トイレに行く暇なくて、膀胱炎になったり、
おっぱいが腫れて乳腺炎になって膿んでしまったり、君にカルシウム優先して届けたせいで、歯がボロボロになってしまったり。
そんな恐ろしい労働を君はまだ知らないだろう。

君は、覚えてないだけで、ずーっと、お母さんに要求し続けて育ったんだよ?!

それを思春期になって、自分は、頼んで無い!!って、いきなり手のひら返しをしてくるわけだよ。なんじゃそりゃ?  ってお母さんはあきれかえる。それが本音だと思う。

新生児の頃は、覚えてなくても、子どものころお母さんに泣いて何かを訴えたことを覚えてない人間はいないでしょう? それって頼んだ、ってことだよ!

違ってるかな?

こいつは、今頃、何を言ってるんだ?
自分が言ってること、わかってないんだ今も。
こんなに大きくなるまで頑張ってほぼあらゆる要求に答えてき続けて今があるのに?

言葉で伝えるようになれるまで育てていろいろ自分でできるようになったとほっとしてるころ
になって?

そんな気持ちになってるのが、目の前で君が、
当たり散らしてる相手だよ。

お写真は、新生児、で検索して出てきて驚いたお父さんと赤ちゃんの珍しい画像。

この時、お母さんは、出産の出血を止めるいのちスレスレで戦っている。それでも、君が無事で産まれたことが嬉しい。
産まれるときは、1人なんて嘘だよ。産まれるということは、お母さんと赤ちゃんがまさにいちばん最初の共同作業なのだ。命懸けの。

支えてくれるのは、お医者さんや、看護師さんや、助産婦さん、産婆さん、二人が危険になったらどちらかを選べと言われたらどうしようと悩みながらも新しいビデオカメラ買ったりして準備してうろうろ待ったお父さん、命懸けと知ってるおばあちゃん、おばさん。

#思春期の君に伝えたいこと

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