椿は まだ空を見上げていた。
今日は、少し散歩へ出かけた。
四月ながらまだ少し肌寒いのは、
今朝まで雨が降っていた所為もある。
ふと 道の先に椿の花が落ちているのを見つけた。
赤い花弁を纏ったまま、水面に浮かんでいるかのように空を見上げている。
周りを見渡してみるけれど、近くに椿の木は見当たらない。
何処から来たんだろうー。
鳥が運んできたのか、それとも風にのってきたのか。はたまた、椿の木を私が見つけられていないだけなのか。
私は椿の花を踏まないよう、気を付けながら先を歩いた。
少しして、気になってふり返り 見ると
椿は まだ空を見上げていた。
なぐも
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