安田純平さんと鎌田慧さんのトーク会

2019年4月6日、千駄ヶ谷区民会館で行われた、安田純平さんと鎌田慧さんの対談を聞きに行った。

私が安田純平さんに興味を持ったのは、シリアで拘束されたあとに帰国した時に吹き荒れた「謝れ!」「自己責任だ。帰って来るな!」のバッシングに疑問を持ったことからだった。

ワイドショーや有名人はこぞって槍玉にあげ、その実績を矮小化した。

記者会見は、始まっても全チャンネル冒頭から流さず「申し訳ありません」と深々と頭を下げた所だけ切り取って何回も繰り返し流した。

そんなことは記者会見が終わってから、夜のニュースにでも流せばいいのに!

私は今の記者会見を生で見たいんだよ!一字一句聞きたいんだよ!とイライラしていた。

少し生中継が流れて見入っていて確信部分になりそうだとすぐにCMになり、他のチャンネルに変えても全部CM。CMが終わってもまた頭を下げるシーンばかり。

これは恣意的に生中継を流さず、詳細(日本は救出に向けて何も動かず、身代金も払っておらず、生存確認さえしていなかった)を話されたら困るからではないか?

私は3年4カ月もの間シリアで拘束され、拷問を受け、唾を飲み込む音さえも立てられずにコップに捨てていた壮絶な日々から、生還したジャーナリストの話を聞きたかった。

私の周囲は反戦平和の善人達だが、すっかりテレビに感化されて

「わざわざそんな危険な所に行って拘束されて、迷惑だ!」(あなたに何の迷惑がかかったの?」

「外国のジャーナリストが撮影したもので充分なんだよ!」(外国の報道が真実である確証はないし、どうせあんたは興味も関心も持たないでしょ?)

と大怒りだった。

そんな人達は、深々と頭を下げて謝罪する映像を観て、溜飲を下げたようだった。

次の瞬間からまた叩ける誰か(芸能人の不倫、子どもの虐待、高齢者の暴走運転等)を探して、チャンネルを変えていた。

しかし記者会見での安田純平さんは、キリッとした表情で淡々と自分の置かれた状況を説明していた。

一般的な人間は、そのような苛烈な体験をして、帰国してもバッシングに晒されたら、病院に数ヶ月入院せざるを得ない。

また、怒りを露わにしたり、泣いてしまったり、取り乱したりするだろう。

安田さんはそのような事は一切なく、誠実に真摯に対応していた。

私は「この人の言う事は正しい。」「この人は日本に与えられた勇敢で誠実な希有な存在だ。」と感じた。

シリアにも安田純平さんにも、あまり関心を持って来なかったが、この人の話を聞きたい!と強く思った。

前置きが長くなったが、その願いが叶って4月6日の講演会に行くことができた。

続きは次のnoteに書きます。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?