英語論文を作成した人が英文チェックを依頼する前にしっかりとやってほしいこと【英語論文初心者向け日本語講座】
【この講座で身につくこと】
#英文作成以前に 日本語で文章を書く際の心構え
#英文作成以前に 、研究内容や主張を日本語で明確に伝えるための文章
#日本語で論文を書く際にも役立つ考え方
#論文作成に必要な リテラシー
* この講座は、英語論文を書くときの英文作成テクニックの講座ではありません。ご注意ください。
はじめに
大学病院で診療放射線技師として勤務していたころ、初めて英語論文を書く理系大学院生から日本語原稿と英語原稿を渡されてチェックしたことが何度かあります。
僕は査読委員ではありませんが、共同研究者として投稿前の段階で英語論文チェックの依頼を受けたり、英訳のお手伝いをしたりしています。
なぜ僕が依頼されるかといいますと、プロフィールに書いたように、英語が好きなのでいろいろな形で勉強してきた経緯がありますが、最強の経験としては、翻訳学校で講座を受講し、2年間勉強したことです。諸事情により、プロの翻訳者になるのは諦めましたが、こういう形で人のサポートをすることが、自分のスキルアップにもつながっています。
今でも、元同僚が論文を投稿する際にチェックすることがありますが、やっていて気付いたことがあります。
英訳する以前に日本語ができていないことです。
英語論文を書くための細かいテクニックを書いた書籍・ホームページ・ブログなどは数々ありますが、このことを書いてあるものはほとんど見当たらないのではないでしょうか。
英語論文を書くための細かいテクニックを知りたい方は、いずれ別の記事で書きますのが、現段階では書籍を購入するか、Google先生に聞いていただくことにして、この講座では、英語論文を書く前の段階について考えます。
小手先のテクニックよりも、まずはしっかりとした土台を作りましょう。
日本語を徹底的に吟味してから英文チェックや翻訳を依頼する
原稿を渡されて、日本語と英語を突き合わせてみると、英語をチェックする以前に日本語ができていないことが多いです。
たとえば接続詞。
A。しかし、B。
と書いてあったら、AとBは逆説または対比になるはずです。
(例)
逆説:一般的に、方位磁針のN極は北を向くと言われている。しかし、北極では、方位磁針のN極は北を向かない。
対比:水素は気体である。しかし、水は液体である。
このように書くと、「そんなの当たり前じゃん」という声が聞こえてきます。
ところが、実際には、AとBが逆説や対比になっていないどころか、まったく関連性がないこともあります。
なぜこんなことになってしまうのでしょうか。
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