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テストステロンは、健康で長生きホルモン

◆ホルモンとは

ホルモンは、体のほぼすべての臓器が作る情報伝達物質です。
人体は、脳、胃、腸、肝臓、腎臓、膵臓、筋肉、骨などの臓器でできていますが、それぞれがバラバラに活動していては大変なことになります。

会社でも、企画、製造、営業、販売を担当している部署が、統率のとれた働きをしたとき、その会社はグーンと成長します。
そのためには、部署間の情報共有と命令系統が不可欠でしょう。

人体も同じです。
各臓器が連携を取り合って、一糸乱れず機能していますが、
そのネットワーク形成に大きな役割を担っているのがホルモンです。

1900年にアドレナリンが発見されてより、
今日まで100種類以上のホルモンが見つかっています。

◆男性ホルモンのテストステロン

男性更年期障害の原因となるのが、
テストステロンというホルモンの減少です。

テストステロンは男性ホルモンの一種ですが、
決して男性だけに関係しているのではありません。
女性もテストステロンを作っています。
テストステロンは、男性は主に精巣で、女性は卵巣で作っています。
これ以外にも、筋肉や副腎、脳の海馬でもテストステロンは作られています。

ではなぜ、テストステロンを男性ホルモンと言うのでしょうか。
その理由の一つは、生まれる前の胎児の時期にあります。

男性は女性にはないY染色体を持っています。
Y染色体を持つ胎児は、まず精巣ができ、
そこでテストステロンを作り始めます。
テストステロンの作用によってペニスができ、
男の子として生まれてきます。
これを医学的に「一次性徴」と言います。

男子は思春期になると、テストステロンの分泌が爆発的に増えます。
ヒゲが生え、筋肉がたくましくなり、精巣は精子を作るようになります。
これを「二次性徴」と言います。

テストステロンは、一次性徴、二次性徴のときに、男性特有の働きをするので男性ホルモンと呼ばれますが、決して男性に限った話ではなく、女性もテストステロンの影響を受けているのです。

テストステロンは、男女ともにほぼすべての臓器で働いています。
女性の血液中のテストステロン濃度は、
エストロゲン(女性ホルモン)の数倍~10倍も高いのです。
閉経後はエストロゲン濃度は激減しますが、
テストステロンは、それほど減りません。

◆テストステロンは「意欲」「体力」「認知力」を生む

テストステロンは「獲物をとって、家に持ち帰るホルモン」と言われます。
獲物をとるためには、「獲物をとる意欲」「獲物をとる体力」「どこに獲物がいるかを知る認知力」の3つが必要です。

これはマンモスを捕っていた原始時代のことだけではありません。
「意欲」「体力」「認知力」は、今日でも、男女を問わず、
生きていくために必要な「力」です。

テストステロンが高い人は意欲があり、ハツラツとしています。
また、免疫力が高く、病気になりにくい傾向があります。
高齢でも活力を保て、長生きする傾向もあります。

どうすればテストステロンを増やせるのでしょうか。
やっぱり、運動でしょう。

参考文献
1)堀江重郎:『LOH症候群』,角川新書,2021

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