木村華子

フォトグラファー、現代美術家、Soulflex所属。 好きなことが沢山あるけど、基本的…

木村華子

フォトグラファー、現代美術家、Soulflex所属。 好きなことが沢山あるけど、基本的に出不精です。 http://hanako-photo.sakura.ne.jp/

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最近の記事

「なぜ作るのか」ということ。

 先日とある場で現代美術家の方が「作品を作って発表することで社会全体を良い方向に変えていきたいという気持ちはあるんでしょうか?」という質問を投げかけられていた。 それを聞いた私は思わず心の中で「おぉ」と声が出た。 なぜなら私自身には作品を作って発表することによって、社会全体を良い方向に変えるという発想がなかったからだ。 質問を受けた美術家の方も言葉を選びながら、自分には特にそういう気持ちはないし、たぶん作品を作って発表している人たちの多くはそういうことを殆ど思っていないのでは

    • Sony Imaging Galleryでの個展について。

       タイトルの通り、2020年11月20日-12月3日に銀座プレイスのSony Imaging Galleryにて開催した個展についての記事である。 (今年1回目の個展の様子はこちら) 今回は横120cm × 縦84cmの作品を12点出展した。  同シリーズで阪急MEN’s TOKYO内にあるtagboat galleryで個展を開催した6月よりも、格段に新型コロナの感染者数が増えてしまった11月。 Sony Imaging Galleryの皆様にご協力を得つつ、対策に一層注

      • 2019年大晦日のご挨拶。

        令和元年最終日、皆様いかがお過ごしてしょうか。 私の2019年は昨年発表した作品がきっかけで、沢山の貴重な体験ができた1年でした。 ことアジアにご縁が繋がり、初めてのタイはバンコクでアートフェスに出展したり、フォトフェアとグループ展のために台北に年2回行ったり、制作準備のためにソウルに行ったり。 さらに中国の深センに一週間ほど滞在して、現地で自分史上最大の屋外作品を制作したりしました。 (↓バンコク Art Ground 4) (↓台北 wonder foto day

        • "SIGNS FOR [    ]"について

          前回の記事からすっかり間が空いてしまったが今回は自分の利便性の為だけに、久しぶりにノートを書いてみようと思う。  昨年度発表した"SIGNS FOR [ ]" という一連の作品で、UNKNOWN ASIA 2018というアートコンペでグランプリを頂いてから、有難くも自分がどういう作品を作っているかを説明する機会が増えた。 しかし如何せん口頭で説明すると、どうしても長くなってしまうのである。 「そんな時いつでもサッと読んでもらえるように、"SIGNS FOR

        「なぜ作るのか」ということ。

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        • 中国深セン滞在記
          3本

        記事

          深センの古いマンション最高って話。(後編)

           先日(中編)で書いた日の数日後、なんとか無事に作品が完成し、いよいよアートフェアのオープニングの日を迎えたのだが、その前に私はまた一人でひっそりと古いマンションの一画に向かうことにした。 それまで長らく天気が曇りか雨の二択だったが、その日は朝から晴れており、外に出るとどこからともなく一層甘い花の香りが強く漂ってきた。  前回ルルさんと訪れた時は雨が降っており全体的に暗い雰囲気だったマンションも、その日は木漏れ日が壁を明るく照らして全く違う趣である。 敷地内に生えているジャ

          深センの古いマンション最高って話。(後編)

          深センの古いマンション最高って話(中編)

           6月〜7月頭まで何かとバタついており(7月前半はART OSAKAに出展していました)、すっかり間が空いてしまったがやっと前回の記事の続きの題名にもなっている古いマンションの話である。 前編後編を予定していたのだが、あまりにも長くなってしまったので今回は中編である。  深センで泊まっていたホテルの道を挟んだ向かい側に、日本の古い団地のような雰囲気のマンションが立ち並んでいる一画があった。その一画は表の道からは結構奥まっているので、少し意を決して入り込んで行かないと辿り着か

          深センの古いマンション最高って話(中編)

          深センの古いマンション最高って話(前編)

          さて、前の記事にも書いたが先月1週間ほど中国の深センに行って作品制作をしてきた。私にとっての初中国である。 今回はそこで見た、忘れられない深センの古いマンションのことを書こうと思う。 無駄に長くなったので、前編と後編に分けたがざっくりいうと内容は題名の通りだ。(しかしなかなか肝心の古いマンションのことに辿りつかず、だらだらと書くことになるが許してほしい。) ところで深センと言えば、何を想像するだろうか?不勉強な私は「東洋のシリコンバレー」「すげー高層ビル乱立」「新年のヤ

          深センの古いマンション最高って話(前編)

          日々ビュンビュン過ぎていく出来事に目印をつけておく。

          4月の前半に台湾に行って帰ってきてから、GWにグループ展に参加した。その後、令和元年が始まって3日目に日本に遊びに来た香港人の友人(とはいえ会うのは2回目)に大阪案内をした。そしてその3日後、私は中国の深センである野外アートフェアの作品制作の為に現地に飛んで1週間滞在した。(↓のインスタはその時に制作した作品。) 文にして書くと、たったこれだけ。しかしこの間にあったことは、こってりドロドロの豚骨スープみたいに濃い。かき混ぜる箸が重いのなんの。なのに深センから帰国してから、ま

          日々ビュンビュン過ぎていく出来事に目印をつけておく。