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模写の風景 画家の心 第7回「ピエール・ボナール 果物皿のある生物 1923年作」

クロード・モネが「光と影」の印象派なら、ボナールは逆光、影と光の画家である。
早速、模写を始めよう。白い紙画上に果物と皿を書き写す。ここまではよく画けたと腹の中で自画自賛していた。次に、果物皿の青い影と背景の黒を入れて行くと、なんてことだ! 黄、赤、紫の果物たちがどんどん暗くなり画面の底に沈んでいくではないか。これにはビックリ仰天驚いた。
原画をよくよく見ると果物や器に施したハイライトの強度や、果物たちの間のわずかな隙間に黒や赤の影を入れている。その効果が絶大で、果物たちが画面の前にバーンと迫ってくるのだ。ボナールは間違いなく「影と光り」の巨匠でした。

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