5と6の間(愛だ)。

自分はアフィリア・サーガのワンマンライブはファーストワンマンから、関東で開催されたワンマンライブについては全て参加しているけど、そのなかで一番特別で、良かったライブだなぁって思っているのが、5thワンマンライブ ~恋の百年戦争~です。

これは、その当時のメンバーがどうこうとか、ヲタクがどうこうとか、そういう、あの頃はよかった的な話ではないです。

アフィリア・サーガ5thワンマンライブは2013年、アフィリア・サーガ・イーストからアフィリア・サーガに改名し、2ndアルバムArchismのリリースを受けて開催された、アフィリア・サーガ初めてのライブツアーでもありました。日本青年館での東京公演に始まり、名古屋、大阪と巡る東名阪ツアー。

このライブから新たに、ライブ中にセリフを言ったり物語的な要素が含まれるようになり、よりアフィリア・サーガの世界観を強調し、これからアフィリア・サーガはアフィリア・サーガにしかできないアフィリア・サーガらしいライブをどんどんやっていくぞ、という前向きな想いに溢れたライブでした。

初めてのライブツアーということもあり、ツアーファイナルであった大阪公演では、アンコール中にメンバーひとりひとりがそれぞれの心境を語っていく、アフィリア・サーガ史上最長のMCが展開され、終了予定時間を一時間以上もオーバーするという異例のライブになりましたが、ワンマンライブでしかありえない、ただ構成どおり時間どおりに曲を歌って踊って喋って終わるだけじゃない『ライブ』らしいライブだったと思います。

そこからカラオケの鉄人スペシャルライブ、アリア・エミュウ卒業ライブとなったグランドデスヴァレーへの冒険というワンマンでのライブを経て、2014年にもアフィリア・サーガはライブツアーを開催しました。

ヴィーナスと蒼き七つの海。初となる海外でのワンマン公演から始まり、ワンマンライブが初となる土地、初となる2日連続のワンマンライブを経て東京ドームシティホールでのファイナルを迎えるツアーでした。

順風満帆なライブツアーではない、各会場で集客にも苦戦し、メンバーの体調不良も重なり、一回一回のライブでメンバーが消耗していくのも感じられてしまうライブツアーでした。その想いが、5thワンマンライブのとき以上に溢れていたはず、なんです。

しかし、東京ドームシティホールでのツアーファイナル公演は、その当時進んでいたStand-Up!プロジェクトのオーディション合格者発表という、はっきり言って全く余計な要素によって台無しになってしまった、と思ってます。

もともとMCをコンパクトにするというテーマのあったツアーでしたが、東京公演ではその合格者発表のためにより時間を短く、そこに合わせたライブ構成でライブが進行されていきました。5thワンマンのときのような長時間MCを繰り返すのがベストというわけではないでしょうが、ツアーファイナル公演で、ツアーを経てきた想いを語れる時間も無いというのは、何が『ワンマンライブ』なのか。アイドルのライブはMCの言葉もまた重要な『ライブ』だと思う。

アフィリア・サーガのライブも他のアイドル同様に、発表や重大発表といったことが無かったわけではないです。しかしその発表の要素を超えるくらいのメンバーの成長や楽曲の幅広い展開が、ライブ自体の成長としてワンマンライブを最高のライブにしてきていました。5thワンマンライブくらいまではワンマン経験の少なさもあって、今までやったことのない新しい要素の追加というわかりやすい成長も見えるわけで、発表はさておきライブすごかったと誰もが感じられるライブができていたはず。

5thワンマンライブはそういう発表の要素が無かったというのも、良いライブだったと感じる要因だったと思います。『発表』ではなく、『ライブ』が一番印象に残る。そしてリリースイベントを経て馴染んできたアルバムの新曲たちが、ワンマンライブという晴れの舞台で命を吹き込まれ新たに輝いていく。オリコンのためじゃない、楽曲はライブのためにあって、ワンマンライブでこそその魅力が一番伝わるという、当たり前のことを当たり前に体験できたのも幸福だった。

前年12月に加入したレイミーさんと2月に加入したレイナさん。新人二人にとっていきなりのアルバムリリースとワンマンライブツアーは明らかな負担と無茶であったと思うし、それでも必死に食らいついてリリースイベントもワンマンツアーも全曲参加していました。新人メンバーが先輩メンバーに合わせるために追いつこうと頑張る姿、新人メンバーの急成長を見られたという部分でも5thワンマンライブは感動を誘いました。

レイナさんの後2014年の夏に入った新メンバー四人は先述のStand-Up!オーディションからの新メンバーでした。しかし加入発表後、ライブには参加せず特典会のみの参加、初めてのライブデビューとお膳立てされたステージでも全曲参加させるわけでもなく、2014年末の舞浜アンフィシアターでのワンマンライブにも全曲は参加できませんでした。この新メンバー四人が加入してからのアフィリア・サーガは、新メンバーが合わせるのではなく、新メンバーに合わせる活動だったと思います。曲は増えていても、出来ない曲も増えていく。

先輩メンバーたちを追いかけているファンと一緒に新人メンバーたちが先輩メンバーを追いかけるから、ファンは新メンバーのことも応援できるんじゃないかと思うんです。しかし、先輩メンバーのほうが新人メンバーに合わせてしまうと、それまで先輩メンバーたちを追いかけてきたファンはどこに向かっていいのか迷子になってしまう。アフィリア・サーガ低迷の要因はそこだったのではないか。

ワンマンライブ、ライブというステージが発表をするための場所になってしまったこと、メンバーひとりひとりの想いや言葉を発信できる時間を削ってしまっていること、楽曲にCDを売っているストーリーしか付与できないイベントを繰り返させていること、5thワンマンライブ以降のアフィリア・サーガで顕著になった部分です。

ライブ自体の進化で新しい姿が見られるのではなく、ライブでの新発表で変化したようにごまかすだけ。先日の主催ライブも、今年12月のワンマンライブも、その悪癖が伴ったライブになりそうです。本当の意味でのアフィリア・サーガの進化も深化も真価も、見られる期待は正直あまりできてません。

それでも自分がアフィリア・サーガのライブに行くのはやっぱり楽しいから。でもその楽しさは、新しさではなく、繰り返しの楽しさになってきている感じがしてる。『繰り返すこと』って鋭くなったり磨かれたりと、美化することも出来るけど、本質は絶対的に『磨耗』だと思う。削られてすり減っていくこと。繰り返し続けていたら、いつかは無くなってしまう。その『いつか』が、アフィリア・サーガには迫ってきている気がしてる。

だからごまかしじゃない、本当の成長が見たい。繰り返しに負けない体力になるくらいの成長が。

5thワンマンライブ以降のワンマンライブでナンバリングが取れたのは、実はとても現状を象徴していることなんじゃないかと。アフィリア・サーガは、6thワンマンライブに進まなきゃいけない。

5thワンマンツアーファイナルの大阪公演、一時間以上オーバーした伝説のアンコールMCでの、
マホさんの『頑張ってまほちゃん』も、
ミクさんの『まだサーガにとって通過点なので、これからももっともっと進化していくサーガなので』も、
コヒメさんの『初期メンバーとして、サーガは変わっていく魅力はあるけど、サーガの変わらない部分、根っことして支えられるようにこれからも頑張ります』も、
ルイズさんの『ワンマンライブって本当に最高のものだから、もっともっとセンパイにこういう機会を作りたい』も、
アヤミさんの『アフィリア・サーガをいい意味で変わったと言う人も、前のほうが良かったと言う人もいるかもしれないけど、でも今ここにいるメンバーが今のアフィリア・サーガなので、このメンバーをみんなで支えていってください』も、
ユカフィンさんの『大好きな仲間やセンパイたちメンバーをたくさん見送ってきて、寂しい想いもあるけど、その都度、希望に満ちた新しい仲間との出会いがあって、今のサーガがあります。常に進化を遂げて、みんなにもうサーガ飽きたとか言われないように進化し続けて最高のユニットになるので、これからも応援よろしくお願いします』も、
どの言葉もまさに今のアフィリア・サーガにすごく合っている、あの日の続きが今のアフィリア・サーガっていう感じがします。それはやっぱり、5thワンマンライブから、残念ながらアフィリア・サーガはあれからまだまだ全然成長も進化もできていなかったという現実でもあるんじゃないか。

アヤミさん、ルイズさん、ユカフィンさんの卒業を控えたアフィリア・サーガ、変化を進化に。オリコン順位に入れるためじゃない、ライブのための楽曲を。発表する場を作るためじゃない、ライブを楽しめるライブを。それが出来てようやく、5thワンマンの先に進めるような気がしている。

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