貶めたいのか
気付いたら、私の手には大きな爆弾があった。
それはそれは大きくて、両手で思いっきり頭の後ろに振りかざして投げなければ遠くに飛ばせないほど。
一体私は何をしているんだろう。
声のする方へ視線を向けると、そこには爆弾を投げ合っている少女たちがいた。
目にした瞬間、私の役目を思い出す。
(そうだ、この爆弾を当てて得点を稼がなきゃ)
「いた!」
状況を把握したのも束の間、少女が私を目にして声を上げる。
(やばい、見つかった)
すぐさま手に持っていた爆弾を相手に投げつけ駆け出すと、うまく命中したのか、小さな悲鳴と共にオレンジ色の数字が浮かび上がる。
得点だ。
不思議と、投げたはずの爆弾はまた手元に出現し、いくらでも投げられるようになっていた。
ゲーム感覚で得点が得られる楽しさを見出し始めた頃、一人の少女が私に向かって「当ててごらんよ」と挑発する。
逃げ足が早いだけでなく、攻撃力も抜群に高く、何度か被爆してしまう。
悔しくて、どうにか一撃でも与えたいと、逃げながらも考えていると残り時間が僅かに。
少女たちの攻撃も激化し、辺り一面煙に包まれたところでチーム戦であることを思い出した私は、得点を確認すると、優勢であることがわかった。
3チーム中、2チームは接戦なのも確認をしていた私は、終了間際にあの少女が自分のせいでチームが負けたら、どんな顔をするのだろうとそればかり考えていた。
機会をうかがっていると、残り10秒とカウントダウンが始まる。
少女を見つけた私は自分の姿が少女の目から離れた瞬間に、爆弾を少女よりも少し遠くに飛ばす。
少女は私の投げた爆弾に気付かずに挑発しながら後ずさりし、残り1秒のところで私の爆弾に被爆。
状況が把握できないといった表情を浮かべ、徐々に自分が被爆してしまったせいでチームが負けとなった事実に泣き出しそうな様子だった。
そして、敗者には罰が与えられる。
先生と呼ばれるその人は、負けたチームには1人ずつ前に出て歌ってもらうと言った。
歌っている間、私たちには悪口を言いまくれとも。
あぁ、なんて酷い罰なんだろう。
これで彼女も少しは痛い目みてくれるかな。
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なんて寝覚めの悪い夢。
きっと、寝る前にパンデモニウムの聖少女たちを見てしまったからだ……。
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