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春の青いオオルリ祭り

ゴールデンウィーク前半戦が終了しました。「軽井沢野鳥の森」にもたくさんの夏鳥が渡来し、その姿を求めるバードウォッチャーで賑わっています。木の葉が繁れば見つけるのは困難になりますから、今がその姿を見るチャンスです。私も平日の今日はお休みだったので、超繁忙期の疲れもなんのその、時折小雨降る天気でしたが、カメラを担いで出かけました。

森に到着すると、オオルリのさえずりが聞こえます。普段、木々の梢から聞こえるさえずりですが、今日は低い場所から聞こえてきます。さっそく姿を探すと、オオルリのオスとメスが低い場所に降りてきていました。

オオルリの♀

オオルリのメスは、全身灰褐色の地味な姿です。他のヒタキ類に比べると、姿が少しほっそりとした印象です。低い場所を飛び回りながら、虫を捕ったり、営巣場所を探しているのでしょう、斜面の穴を覗き込んだりしています。そのメスの姿に惹かれて、オスも低い場所に舞い降りているようです。

♂がすぐ近くまでやってきました
小声でさえずりながら、尾羽を上下します
羽毛をボサッと膨らませました

オオルリのオスは、頭から背中、翼、尾羽が瑠璃色で、顔から胸が深い藍色、そして腹面は純白という美しい姿です。しかしこの瑠璃色を発色させているのは羽毛表面の微細構造。それが日光から瑠璃色だけを選び出して反射させるため、美しく輝いて見えるのです。この構造色は逆光や、下から見上げる角度では見ることができません。今日の太陽光は曇り空を通した拡散された光。しかもほぼ水平か見下ろす角度での撮影です。この条件が、オオルリのオスの瑠璃色を最も美しく見ることができるのです。

フジの蔓に止まりました
モミジの新緑を前ボケに入れて

オオルリのオスの美しさは、メスによる選択の結果、進化したと考えられています。メスが美しいオスを好むため、美しいオスが子孫を残すことができ、その息子にも美しさが遺伝する。その繰り返しが何世代も続いた結果、オスはより美しくなり、そして美しいオスばかりになったという考えです。また美しくなるには時間とコストがかかり、天敵にも目立ちやすいため、美しさはそのオスの健康や経験値、優秀さを示しているとも言われています。

今日の一番はこのコマかな?

今日は他の夏鳥も撮影しようと思っていたのですが、結局ほとんどの時間を、ここでオオルリと過ごしてしまいました。気前良く撮らせてくれるんだからしょうがない・・・。一応、他の夏鳥もちょっと撮りましたよ。

オオルリを横目に通り過ぎて行ったコサメビタキ
夕方、いいかげんに移動した先で出会ったキビタキの♂

軽井沢野鳥の森は、ここしばらく暖かい日が続いたので、低木や亜高木が一気に芽吹いてしまいました。おかげで背景が綺麗な緑の写真が撮れたのですけどね・・・。高木の葉が茂るまでが、野鳥撮影のチャンスです。初めて訪れる方は、まず「早朝バードウォッチング」に参加して夏鳥等のなわばりを把握し、目星を付けて低い場所に野鳥が舞い降りるのを待ち構えるのがオススメです。

朝5時開始のツアーなので、宿泊してのご参加が良いですね。
最寄りのこちらの宿などいかがでしょうか?

それではまた。


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