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短期大学というプロダクトモデルの変化

「短大生、30年で84%減」というニュースがあった。文部科学省の学校基本調査の結果である。「短大学生数の推移」という棒グラフが興味深い。いわゆるプロダクトライフサイクルという概念を教科書のように描いている。1960年過ぎまで導入期があり、1970年前から成長期となり、踊り場を含めて1993年がピークとなり成熟期に入っている。以降、衰退期が始まり2010年ごろからは、その割合が緩やかになって現在に至っている。ビジネス(教育)モデルとしては、80年ほどの耐用年数だったのだろうか。

短期大学、短大。わたしらのころ、女子の進学先としては一番のメジャー進路であった。藤女子・武蔵女子あたりが有名で、幼稚園教諭・看護師・栄養士といった職業資格を得て、その専門職につくという流れがあった。2年間、学んで就職をして、結婚を機に寿退社し専業主婦になる道が主流であった。当時、4年生の大学に進学する女子は、その道からそれる「少し変わった進路」という風潮さえあった。

記事によれば「1986年の男女雇用均等法の施行で、昭和型の性別役割分担を見直す機運が高まった。バブル崩壊後の就職氷河期には、多くの女子が4年生の共学を選ぶ流れができた」と、専門家の分析を載せる。わたしが大学に入ったのは1985年。その1年後にできた男女均等法という法律により、ずいぶんと世の中が変わっていったように思う。

令和の今、男性も女性も働くことが一般的となり、「専業主婦」なる優雅な人は少数派であろう。労働人口の減少もあいまって、なんだか世の中は、余裕のないギチギチの状態でなんとか回っている状態に思える。いや、バスやトラックドライバー業界などで顕在化する、サービスの縮小というかたちでそのほころびが見えてきている。

あらゆる業界でプロダクトライフサイクルを見直し、あたらしいビジネスモデルの構築が必要となっている。

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