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もし、ウェブセミナーがなかったら処方はどうなっていたか?

株式会社pipon北爪です。
製薬業界のデータ解析で実務をしていると、シンプルな疑問が生まれます。

ウェブセミナーが開催されたが、これが開催されていなかったら処方にはどう影響を与えたのだろう?

その影響を知るため、まずはグラフを作り可視化を試みました。すると、、

講演会の後、処方が伸びているような、、しかし、それは講演会の効果と言ってしまって良いのでしょうか。

この問題についてシンプルな四則演算でその効果を検証する方法があります。

まずは講演会に参加した方と参加しなかった方に分けて、講演会前と講演会後でそれぞれの処方を確認します。図にすると以下のような形です。

図の中の①のB地点からA地点を引くことで講演会の影響を測れるでしょうか?
いえ、時間経過による影響と講演会による影響を分離できていません。

では②のB-Dではどうでしょう?
これだと元からあったA(講演会参加)とB(不参加)の差を考慮できていません。

そこで、A地点から講演会不参加の方と同じ傾きの直線を引き、新しくE地点を作ります。講演会不参加の方のトレンドと参加の方のトレンドが等しいと仮定します。(平行トレンド仮定)

本来比べたいのは、講演会参加した方と不参加だった方の処方の違いです。
それを平行トレンド仮定を置くことで、(B-A)-(D-C)で「講演会参加の効果」を算出することが可能になります。

ただし、この計算をするのは以下の2点を注意する必要があります。

1.平行トレンド仮定を満たしているかを
→仮定はあくまで目視でしか確認できないので注意が必要です。

2.他に大きな介入がないかを確認
→薬価改定など大きなイベントが起こっていたら、そちらの影響が大きくなってしまうので正しい計算でなくなる可能性が大きいです。

この2点を注意すれば、引き算だけで、講演会の「介入効果」を測ることができます。

また、こういった介入効果について統計学を使って、より詳細に解析していくことも可能です。

こういった解析にご興味あればseiyakitazume@pi-pon.comもしくはこちらのフォームにてご連絡ください。

https://docs.google.com/forms/d/1RT1AoUMXxHgN2yPzxLMHIKHQFvciziZjfcX6PD3a1Bw/prefill

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