世界はそれでも変わりはしない。

Noteをつい先日から始めたドクターフィッシュ掴み取りですが、
Twitterも半年ほど前から始めました。
春とヒコーキという芸人さんがいるんですが、そのお二人のツイートを追いかけたくなったのがきっかけです。
ツッコミ兼サイコパス担当の土岡さんの過去ツイート「動物ラップ」が怖くて面白いので、是非見てくださいね。
春とヒコーキの魅力についても無茶苦茶書き残しておきたいですが、また今度。

https://twitter.com/tsuchioka_t/status/1466064126137020432?s=20

今年の1月、天野浩成さんもTwitterを始められました。
天野さんといえば、皆さんは何を思い浮かべますか?
めちゃイケの剣道回ですか?仮面ライダーですか?
私は、「428〜封鎖された渋谷で〜」です。

「428」はスパイク・チュンソフトから2008年に発売されたサウンドノベルゲーム。
当時小学生だった僕は今まで触れたことのない実写&サウンドノベルというジャンルに夢中になりました。複数の主人公、大量の魅力的なサブキャラたち、リアルな渋谷の地理情報、それらが絡み合い、影響し合い、生み出される緊張感とワクワク感満載のストーリー。
何より主人公の選択を自分で決めることによって、そのあとの物語が変わる、というゲームシステムに没入感が高まり劇中の世界から抜け出せなくなりました。

特に主人公の一人、遠藤亜智(えんどうあち。アチチじゃないよ)がヒロインを庇いながら不気味な追跡者と対峙するシーン。「近場のビール瓶で殴りかかる」「ヒロインをつれて逃げる」「銃を奪う」という三択が印象的だったなぁ。自分が同じ状況だったらどうするだろうかと、物凄く悩んだのを覚えています。
先ほど紹介した亜智は、元渋谷の自警団のヘッド。長身かつ強面で眼光鋭い男なのですが、現在は日がな街のゴミ拾いに勤しんでおり、世間知らずでいい意味でおバカでお茶目なところを沢山見せてくれます。「428」の登場人物たちは、本人たちは至って真面目だけど、どこか世間一般的な感性とズレている行動や信条を持っているキャラクターが多いです。それがとても人間的で身近に感じられて、作品の魅力にもなっていると思います。
天野さん演じる加納という男は、熱血漢な若手刑事。頑固で愚直な人間なのですが、なんとなく巻き込まれ体質というか、変な人に絡まれては可哀想な目に遭うことが多い。また付き合っている恋人がいるのですが、彼女のお父さんには全く頭が上がらず、怖いから会うことをめちゃくちゃ避けています。こんな残念なところや少し弱いところが、とても魅力的です。
こんな調子でゲームをやればやるほど好きな登場人物が増えてきて、そんな彼らが渋谷という街で巡り合い影響しながら大きな事件に向き合っていく。この壮大な群像劇がたまらなく面白いんですよね。

自分はあまりゲームを何周もプレイすることは少ないのですが、「428」は小学生、高校生、社会人になってから計3回、メインストーリークリアまで遊びました。
多様でありえない超展開に爆笑するバットエンドも含めて隅々まで楽しいんだよなぁ、ほんとに。

たくさん存在するバットエンドを含む選択肢からは、「道草や回り道を楽しむ」ということを学びました。
巨大な事件に立ち向かう中で主人公たち(とプレイする自分自身)が選び取る選択からは、「自分の人生で一番大切なものは何かを見つける」ことの大切さを学べます。
ヒロインの父親である研究者、大沢が辿り、選び抜くストーリーや、加納が彼女の父親とついに対峙した際のセリフが印象的です。
「お義父さんから見たら、俺が刑事だから危険なことに身を投じてるっていう風に見えるかもしれません。でも、そんなことはないんです。俺は俺なんです。俺はこういう人間なんです。たとえ、パン屋だったとしても、酒屋だったとしても、本屋だったとしても、同じように行動します。」

ゲームクリア時に流れるエンディングは「それでも世界は回っている」。これまでの各主人公にとことんクローズアップしたゲーム展開とは裏腹に、この曲では物凄く俯瞰的な位置で歌詞が綴られていきます。
大勢の人々、社会、ひいてはこの世界。自分一人が何かアクションを起こしても、直接的に世界に目に見えた変化は起こらないだろう。けど、世界のどこかにいる誰かには影響を与えられるかもしれない。それがたとえちっぽけなものでも、その事実は水面に水滴が落ちた時に生じる波紋のように、やがて世界を変えてしまうほどの出来事のきっかけにはなりうるかもしれない。
それは別に人の命を救うとか、大勢の人間に呼びかけることじゃなくてもいい。むしろ日々の自分の仕事、大切にしている日課、身近な友人や家族と過ごす時間にこそ、あるのかもしれない。

そんなことに思いを馳せつつ、まだ踏んでない選択肢を探す。ゲームでも。人生でも。


いい感じでもう終わらせようかと思ったけど、どうしても書いておきたいことが。
wii版のソフトについていた特典映像で、俳優さんへのインタビューが観れるのですが…

ヒロインのひとみ役の人、ひとみと全っ然違うじゃん!!!!

と、当時小学生の僕は淡い恋心を粉砕されました。
いいんだけどね。こっちが勝手にゲームの印象でアレしてただけだからね。

あと一番好きなキャラクターは御法川実(みのりかわ みのる)です。
「ナポリタンひとつ!」


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