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ThreeTraderでレイテンシーアービトラージをやってみた話

昨年末から海外FX界隈では出金遅延や利益取消が相次いでいますね。
ボーナス業者以外でも朝スキャEAで利益取消が起こったりと穏やかではありません。

今日はそんな中で「禁止手法なし」を謳っているThreeTraderでレイテンシーアービトラージをやってみた話です。
ThreeTraderといえば業界最高クラスの手数料の安さが売りの業者でEAバンクでも人気のようですね。

レイテンシーアービトラージ

レイテンシーアービトラージとは業者間のレートのわずかなズレを利用した古典的な取引手法で、各社規約で禁止されているのが一般的です。
聖杯と言える手法の1つでもありますが、基本的に現在も通用する業者はほぼありません。というのも各社対策を講じているからです。

聖杯と呼べるような手法をいくつか持っているのですが、今回はその中からレイテンシーアービトラージをお友達に託して動かしてもらいました。
以下は取引のログやThreeTraderとのやりとりを提供してもらいまとめたものになります。以下では一部3Tの略称を用います。
3Tを紹介しているサイトでは現在もこのように紹介されています。

ThreeTraderでレイテンシーアービトラージは通用するのか

これはまさかの通用する、です。
といっても数日ほどでVDPが発動し、チャート上にないレートでの約定により利益以上の損失が発生しました。さらにポジション保有中にもかかわらず口座にロックがかかり決済不能、サポートに連絡し決済はできるようにしてもらうはめに。
その後取引を調査中だから詳細がわかったら連絡すると待ちになりました。
このことからも3TはBブックブローカーであることはほぼ間違いないと思います。

突然のVDP発動

まずVDPとは簡単に言うと客に勝たせないようにするためのツールです。

後にThreeTrader側はスリッページに対して「意図的に特定の顧客にスリッページを発生させることはできない」と回答していますので、あくまでVDPと思われる根拠を後述します。

出金ストップ

その後連絡がなく、これは調査するという口実で事実上の追い出しだろうと残高を出金依頼したところ取引調査中で出金依頼も取消に。
出金額は利益どころかVDPにより損をしていたので元金以下です。
そして再び調査結果待ちに。

規約違反

2週間近く経過しようとしても調査結果がこないので問い合わせをしたところ規約違反であると回答がきます。
規約違反に同意したら追加調査はなしで次のステップに進めると。
これは同意しないと出金させないということか?

同意拒否

具体的にどの部分の違反かについてとスリッページについて再度質問した回答が以下です。

ひたすら規約違反への同意を促されます。
規約違反については「We consider that there are abnormal trading conditions.」が該当するそうで翻訳してみると「異常な取引状況があると判断します。」となります。解釈次第でなんでもありなやつですね。
出金できなくてもいいから同意はしない。スリッページについても流動性のせいというのであればこの事実をSNSで公表すると宣言。

ミクンダ氏登場

SNSで公表されるのを嫌ったのか「問題を解決したい、スリッページについても調査し補填可能であるものはしたい」と突如日本IB担当のミクンダ氏からメールが届きます。
その後ミクンダ氏とメールのやり取りが続きますが、なぜか途中から規約違反が違法取引と表現されるようになります。
「弊社では禁止手法がございませんが(他ブローカーで禁止している高速のスキャルピングやEA、両建てなどは禁止しておりません)、違法行為につきましては禁止事項となっておりクライアント契約の条項で規定されています。」
違法行為は原則禁止、それ以外の違法性のない取引については禁止事項無し

違法行為って法律に反するということですよね?日本、あるいはスリトレのあるオーストラリアでは「レイテンシーアービトラージは違法!」って法律があるんですか?大麻か何かと勘違いしてます?

手法の線引きの難しさ

違法行為と言い出したのは規約違反という表現だと苦しくなってきたのかと推測します。
違法行為は原則禁止、それ以外の違法性のない取引については禁止事項無し
この言い方だと別にレイテンシーアービトラージも禁止ではないように思えます。
それに指標トレードとレイテンシーアービトラージを見分けるのは難しいです。
3Tでは指標トレードは禁止ではないですが、ただ指標直前にポジションを持って動いた瞬間決済して利益をあげたらレイテンシーアービトラージで違法取引だ!と言われても不思議はありません。
3Tはボーナスがないので関係ありませんが、ボーナスアービトラージと丁半博打も見分けるのが困難なことがあります。
そのため最近では規約で丁半博打も禁止と明記しているブローカーも増えています。禁止事項が多いブローカーは当然敬遠されてしまうでしょう。
問題は3Tが「うちは他社と違って禁止手法はありません!安心して使ってください!」というようなプロモーションで顧客を獲得していたことです。

薄利多売と稚拙な管理

某記事で3T社員が「薄利多売で全然利益はないが、ユーザーが増えてかなり忙しい」とコメントしているのを見ました。
業界最高レベルのコストがもたらした結果ですね。
話が少し飛びますが3Tはポイントの計算を間違っていて再計算という問題が発生しました。(いったん取消だったため没収されたと騒ぎにもなったようです)
実はそれだけではなく3Tはキャッシュバックの計算ミスも発生していました。通常キャッシュバック額のおそらく100倍で計算されていて、ポジってすぐ損切すれば0.1ロットで約1000円儲かるという状況にありました。
3Tはこれを3か月近く放置していましたので、すでにキャッシュバックサイト経由で出金され回収不能になっているはずです。
薄利多売の会社でこんなミスが起こったらどうなるか?そのうち取引環境が悪化するのではないかと考えるのが普通ではないかと思います。

VDPが発動したと推測する根拠

さて話をVDPに戻します。VDPの存在については都市伝説のように語られることもありますし、3T側も特定の顧客に対して意図的にスリッページを発生させることはシステム上できない、と回答しています。
(今回の件とは少し違いますが以前からThreeTraderでは逆指値がとんでもなく滑ったという話も聞いてました)
その真偽については以下をみてみなさんが判断してください。
サーバー時間1:13(日本時間8時13分)の取引を例として取り上げます。
指標はないにしても朝方は流動性が落ちるからスリッページは発生するだろ!って思うならそれでもいいです。
この時間の3T1分足からドル円Bidレートは高値134.889、安値134.846で値幅は約4pips程度です。ほぼ同時にオーダーされた売り注文はVDPなしの口座では134.885で約定しているのに対して、VDPありの口座では134.76と12.5pipsの滑りが発生しています。
その後の買い注文もVDPなしだと134.866で約定しているのに対し、VDPありでは134.970と約10pips離れた消える魔球を食らっていますね。

少し細かい話をするとエントリー時間が1秒ずれているのは約定時間がかかっているからです。
VDPなしの口座では約定時間が45msでスリッページ0、ありの口座では約定時間1030msでスリッページ125とログに記録されています。ロットが0.1と0.3の差はありますがこの滑りに繋がる要因になるかは見た人にお任せします。この注文だけでなくある時点からVDPと思われる状況が発生し、相場環境に関係なく常時約定時間が1000ms、スリッページが約10pips発生していました。ゴールドに関しては15pips?という表現が正しいかわかりませんが常時1.5$程度滑っていました。

思わず見せられて笑ってしまったのがVDP入るとPureだった口座タイプがGroup Name Nonへと変わっていたことですw(この時点ではまだ取引はできていた)

最後に

以上が「禁止手法がないThreeTraderでレイテンシーアービトラージをやってみた話」となります。
まだ通用するかもしれないので今度は自分でやってみてもいいんですが、他のリスクを考えるとちょっと躊躇うところです。フォーカスマーケットの悪化と似たものを感じるんですよね。
まだ規約違反じゃない聖杯が通用するブローカーもありますし3Tでリスク取ることもない、というのが個人的な感想です。

コストの安さは間違いないのでお前らみたいに違反しなければ問題ない!と思う人はこれからも使えば良いと思います。

これにて我々は3Tを離れ、新たな聖杯を発見すべくアマゾンの奥地へと向かったのであった。。。

追記

ここまで先週書き終わって温めていたんですが、昨夜(3/14の夜)サーバートラブルが発生していたみたい。もともとサーバーが強いブローカーではないと思ってたけど…。MT5リリースしたらテストだけしようかな?
それからその後は連絡もなく残ったお金も今のところ出金できていないとのことです(連絡がないので試していない)

その他の規約違反事例

禁止手法がないはずの3Tで規約違反とされた事例が寄せられたのでこちらに追記していきます。

両建て

3Tでは両建ても禁止されていません。
一部両建てが禁止のブローカーとの両建てや指標で片方がゼロカットを狙った両建てはゼロカットの対象外といった制約はあると認識していました。
規約違反とされたのはRaw口座とPure口座でスワップがプラスとなる組み合わせの両建てをしたところスワップレートからの利益を目的とした取引は規約違反とされ出金停止措置が取られました。
その後、同様の取引をしないこととSNSでのネガティブな投稿を削除することに同意すれば出金制限の解除となりました。


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