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仕事つくる#14 インフラ事業に参入しやすい時代が到来している

やあ、私です。
先日、日本史のなかで幕末が最も心を動かされる時代だとお話させてもらいました。その理由の一つに、活躍した人たちの年齢が若いということが挙げられます。それは、幕末の志士たちがこの世を去った年齢を見るとわかります。

坂本龍馬 享年31歳
高杉晋作 享年27歳
久坂玄瑞 享年24歳
近藤勇 享年33歳
土方歳三 享年34歳
......

私は後一月で29歳になるわけですが、彼らが主人公の物語に触れるたびに、鼓舞される気持ちになるのです。


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さて、本日はこれまで参入障壁が高いとされていたインフラ事業がどんどん入り混みやすくなってきているというお話。前半はエネルギーインフラ全体の流れを、後半では私が携わっている木質バイオマス事業がもつビジネスチャンスについて書いていこうと思う。

インフラ事業とは

まず、インフラ(インフラクチャー)とは何で、どのようなものがあるかをおさらいしておこう。

インフラクチャー
私的経済活動の基盤となるような施設,制度などをさし,長期にわたって変化の少いものをいう。具体的には,電力などのエネルギー産業,道路・港湾などの輸送施設,電信・電話などの通信施設,都市計画における公園,上下水道,河川などの都市施設をさす。都市整備と産業発展をはかるうえでは欠かせないものである。

組織でいうと大企業を連想するだろう。東京電力、関西電力をはじめとする地域電力会社。JAなどのガソリンスタンド。それからNTTなどの通信会社もその一つだ。また、一部のものは公共が担っているケースもある。

つまり、これまでの常識では大きな資本力がなければ民間企業がインフラ事業に参入することは到底不可能であり、「インフラ事業はじめます」と小さな組織が手を挙げても全く相手にされない業界であった。しかし、ここ数年で自然エネルギーが急速に普及し、時代が大きく変化してきている。


地域分散型エネルギーの時代

地球温暖化抑止や化石燃料枯渇問題を前にして、世界的に自然エネルギーの導入が急がれる昨今において、これまでのエネルギー供給システムが大規模集中型であったのに対し、地域分散型にどんどんシフトしていっている。自然エネルギーが普及するまでは、日本ではエネルギーのほとんどを化石燃料に頼っていた。化石燃料は国内でほとんど採掘できないため原油国からの輸入に頼らざるをえず、中央の大規模施設からの供給が合理的であった。しかし、自然エネルギーは各地域の特性にあった自給が可能になるため、これまでの流れを大きく変えていったというわけだ。


木質バイオマス熱供給というインフラ事業

木質バイオマスエネルギーは、木材産業から発生する未利用材を燃料として活用するもので、ジャンルとしては発電と熱に分けることができる。発電においては、エネルギー効率は高くて25%とされていて木材がもつポテンシャルを存分に活用することが難しいとされる。一方、ボイラを利用する熱においては90%相当のエネルギー効率を発揮できるため、木質バイオマスの利用用途は熱を基本とするべきだといえる。

実際に木質バイオマス熱供給事業がどのようなスキームで行われているかというと、1)燃料となる木質材を仕入れ、2)それを燃料の形に変えて、3)ボイラーに燃料供給をし燃焼させ熱をつくり、4)提供した熱代金を回収するという流れになる。

詳しくは、仕事つくる#3 バイオマス事業でビジネスオーナーになる方法にまとめているのでそちらをご覧いただきたいのだが、簡単にいえばこれまで化石燃料ボイラを利用していたものをバイオマスボイラに代替えして熱を供給するというものだ。冒頭でインフラクチャーについて説明したが、私的経済活動の基盤をつくるという意味で当事業も立派なインフラ事業といえる。また、木材は発熱量/体積が高いエネルギー源のため、移動距離を極力小さくしなければならない。そのため、地域分散型エネルギーの中でも最も地域密着型のエネルギーインフラということになる。

ビジネスとしてのインフラ事業のメリットは、変化が少なく、安定した売上を立てることができることにある。社会の必要な仕組みの中に組み込まれるため変化よりも安定性を重視される。デメリットとしては、逆に安定供給が当然なものとして見られるため、少しでも不備があれば供給側が多大な責任を負わなければならないことになる。これはバイオマス事業を営む上で最も慎重になるべき課題だ。


製材業者にインフラ参入のチャンスあり!

木質バイオマス事業において、最も大事なのが燃料の確保だ。また、その燃料を適度に乾燥させなければ発熱量が下がったり、ボイラの故障の原因になったりとトラブルの原因になる。それらのリスクを回避できるのが製材業者なのだ。製材業では、製品をつくる過程で製品にすることができない端材が大量にでる。その端材を従来はお金を払って処分していたが、それを燃料として使えるのが製材業者が木質バイオマス事業に参入するメリットになる。

製材の端材

製材業者が当事業を運営する場合仕入れコストはタダになるし、スペースさえ確保できれば一定期間燃料を保管することで乾燥問題もクリアすることができる。さらに、木質バイオマスの燃料では、その利便性のよさからチップが最も台頭してくるとされていて、その燃料となる製材端材が手に入りやすい製材業者が最もチャンスといえるのではないか。

チップ製造の様子

設備投資をどのようにクリアしていくかなど、参入する上で課題はあるが、そちらについてはまたの機会にまとめたいと思う。本日言いたかったことは、現在はエネルギー供給の流れが地域分散型に大きくシフトしている時代であり、小規模の事業者がエネルギーインフラ事業に参入しやすくなっているということ。その中でも木質バイオマス熱供給事業は、燃料の確保さえできれば最もコンパクトにスタートできるインフラ事業であるということだ。

このようにバイオマス熱供給事業はビジネスとしての可能性はあるのだが、他の再エネに比べプレイヤーの数が少ないのが現状である。私はこの業界に入って1年と少しになる若輩者である。何かの節にこのnoteを読んでいただき若い仲間が増えることに期待したい。

本日はこの辺で、

ではまた。


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半田 守
1990生、京都府出身。6歳からレスリングをはじめ、網野高校卒業後、専修大学へ進学しレスリング大学日本一になる。2018年から岡山県西粟倉村に移住し
自然エネルギーの勉強をスタート。同時にレスリングウエアブランドMAMOを立上げ、現役選手にエールを送り続けている。
MAMO:https://www.mamo-wrestling.com/
twitter:@handamamoru
note:”仕事つくる”をテーマに連載中!

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