土から離れて生きると病む

日本人は毒されているなと思うことがあります。
やたらと横文字を使う。
ヒーリング、ベジタリアン、ロハス、エコなどと。

お百姓さんの話では、菜食だけだと一日に5回も6回も食べたってバテるそうです。
肉食をやめて菜食に変える。日本人の小腸は長いので、肉食が増えると腸の中で食物残渣が腐敗しますので、肉ばかり食べるのはよろしくない。肉食から菜食に切り替えた当初は体が調子良くなりますが、0か1かみたいに肉食はまったくダメというのでもないです。そういうデジタルな思考をしがちな人間です。危ないですから注意が必要です。

動物も植物も魚介類も私たちが生きる為に用意されています。私たちが死ぬとそれらの命の元に戻っていきます。 「身土不二」なんていう言葉がありますが、人間と土は一体、植物も動物も一体ということです。微生物が動物の死骸を分解し、枯れた植物を分解し、それが土となり、そこで植物が育ち、それを動物が食べ、人間が食べを繰り返します。循環してるんですね。その一部を取り出して菜食のみという発想。これは間違いです。循環概念が欠落した健康法や自然回帰の思想はすべてインチキです。人も動物も植物も魚も土も、別であり尚且つ一体。そういう把握をしてください。命を授けてくれる自然が私たちにとっての神です。そういう循環の中に私たちは八百万の神を想念して、その神々と一緒に暮らしているのです。循環概念が欠落した自然志向というのは、この自然と人間の関係を崩してしまいます。

動物を殺して食べるのは良くないことだから、一切肉を食べないという人は病的だと思います。この心の病的な傾向は理性が作り出します。
すべてが一体で循環しているのに、その一部を否定する。すべての存在は罪を持って命を受けたわけではありません。なのに動物を殺すのは悪い事だからと、人の理性に訴えて贖罪意識を刷り込もうとする。これ宗教ですよ。宗教の手法です。
こういうのはその人の理性に欠陥があることを示しています。
すべての存在が別であり尚且つ一体であるという把握は、本能が活き活きとしている人なら容易ですが、その把握ができない、本能が劣化あるいは不活性化して、理性が本能を覆い隠してしまうと、当たり前のことが把握できないのです。いわゆる頭でっかちというやつ。頭でっかちというのは理性が歪んで肥大化した状態です。

フランケンシュタインの物語を知っていますか? フランケンシュタインは理性だけで創り出した人間の醜さを描いています。理性以外のものを失った人をキチガイと言うのですが、本能を生かすための技術が理性ですから、本能を十分に鍛えて発揮できないと、精神を病んでいきます。

前述の横文字の概念。これらはそういう傾向が表れた人たちがしきりに使う言葉です。
理性に万能感を持ってしまう人です。

本来なら本能と理性は互いに抑制や促進をし合ってバランスを取りながら機能するのに、本能が機能していないから理性を抑えられない。抑えられないから暴走する。大人になっても、女子供に暴力を振るう、すぐきふてくされる、攻撃的になるなんていうのはその表れ。

法隆寺宮大工であった故西岡常一氏は「昔は人の体型を見るとどこの出身かわかったものだ。木もそれと同じで育った土で性質が決まる」というような事を言ってます。

心の病気だと言われて、あるいは心の病気だと思って暮らす人は大勢います。自殺や凶悪犯罪をする人の多くが精神薬を飲んでいるそうです。精神科や精神薬が氾濫していますが、それらは人を治すためにあるんじゃないんですよ。花粉症を抑える抗ヒスタミン薬、コレステロール降下剤、血圧降下剤などにも精神作用があって人間の脳の働きを壊します。
勇気をもってこれらへの依存をやめましょう。治りませんよ。

治したいと思うなら土に触れて暮らしましょう。土から離れては人間は生きられません。

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