マニアのオッサン

きっと若い人は嫌でしょうね。
僕みたいなオッサンでも鬱陶しいと思うから。

自分自身がギターやロードバイクを製造するのは勿論好きだからですが、マニアにはなりたくないと思います。
偏見を持ったり先入観を持ったり、微に入り細に入りどうでもいいことに拘ったり。

モノづくりの末席を汚す身として、職人や技術者として、心構えみたいなものがあります。

ずばり「拘らない」ということ。

そして「解らないことは解らない」という自覚を持つこと。

マニアのオッサンたちって、持ち物自慢や蘊蓄を垂れ流して、時には上から目線で「教えてやる」という態度に出ることが多いですね。
申し訳ないけど、作ってる立場からすると「そんなこと知っとるわい」とか「それは誤解や迷信の類だ」とか思って見ています。あるいは権威を見つけて心酔・信奉するなんていうオッサンも多い。

オッサンはいい歳なんだし、もうすぐ死んじゃうわけです。若い人に譲る・任せるための道標になるなり踏み台になるなりしないといけませんな。

拘りなんか捨てないとモノは作れません。

社会も道具も材料も人の気持ちも不変ではないから、変化に対応できないようでは良いモノはできません。「こだわりの」なんたらとか書いてる宣伝文句は商売人の文句なんですよ。良い職人は拘りません。

そして解らないことは解らないとはっきり自覚しているものです。知ったかぶりや知識偏重はモノづくりにおいては害です。

何でもかんでもやって試す事は不可能です。それを補うために学問や科学がありますが、学問や科学の知識があっても、やった事がないこと(実証していないこと)は解らないのです。科学者だって「ここからは解らない」ということを素直に認められないのは偽物です。

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