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1年を振り返って

 このnoteを始めて1年が過ぎた。
 始めた頃は、もっとアルさんの病気のこととかでわかっていないことがずっと多かったし、noteを始める以前などは…まぁそれはそれは理解などというものからはほど遠い有り様だったことを思うと、書き留めることで少しは成長できているのではないかと思いたい。

 「えまさんはパートナーがいろいろやってくれるからいいじゃない」とよく話す同僚から言われる。以前は「私が男だったらこんなこと言われないんだろうなぁ」とか思ってしまうことがあったのだけれど、今は素直に「はい、助かってます」と答えている。
 事実、仕事の後に家事を全部するのは大変だ。私も一部はやっているけれど、全部やらなくて済むのは助かる。ひとり暮らしだったら自分のペースでやればいいし、やってもやらなくてもいい家事というのもある。経済的には今より余裕があって、もっと外注してしまえばすむこともあったかもしれない。でも、私はアルさんと一緒に暮らすことを選んだのだし、2人分の家事の大半を任せておけるのは助かる。食後に珈琲を飲みながらぼんやりとネットを見ているとき、「洗い物を自分でしなくていいからこの時間があるんだな」と思うし、家事をやっておいてくれる人がいるおかげで自分が時間を他のことに当てられることを意識するのと同時に、自分も相手の時間を作ってあげられるようにしたいと思う。

 私は、いまは結婚しているけれど、結婚する前から仕事しているし、結婚してなくても別に仕事は辞めてない。仕事している状態は変わらない。でも、アルさんは結婚しているから家事をしているし、私に合わせて生活をしている。
 多くの専業主婦(女性)もきっと結婚したことによって生活を大きく変えることになったのではないかと思う。「一家の大黒柱」とやらは、実際には帰る家に誰がいるのかは変わっても出勤してから退勤までは婚姻前と変わらない。自分の生活がさほど変わっていないものだから、相手の生活がどれほど変わったのかということをついつい見落としてしまうんではないかと思う。こういうことに自覚的になれたのは、書くという作業を通して、考えたことをできるだけ他人に伝わるように言語化してきた成果ではないかと思っている。

 とはいえ、自覚したからといって、いつでも相手を思いやることができているわけでもないし、相手がやってくれるのが「当たり前」になってしまっていることもたくさんあって、それは今後も反省を繰り返していかないといけないのだろう。一度、考えたことでも常に忘れずにいられるわけではないから。

 専業主夫はまだ多くはない。そもそも専業主夫が増えることが「良いこと」なのかもわからない。ジェンダーロールの解体、多様な生活スタイルの広がり、「男性の《家庭進出》」などの観点から、専業主夫の存在は歓迎すべきことではある。ケア労働を「女性に適性がある仕事」と無意識に考えてしまうひとはとても多い。専業主夫が家族をケアし、女性の仕事とされていた家事育児をすることで、それらが「女性に適した」仕事だったわけではなく、それらの仕事に女性が適応した結果の男女役割分担に過ぎないことが明らかになるだろうし、家事育児が決して楽でも体力(場合によっては筋力)が不必要な仕事でもないことも明確になるだろう。
 ただ、家庭内の誰かひとりに経済的に依存して生活するという形態はあまり望ましいことではないようにも思う。できればそれぞれが一人でも生活できる状態で、でも、一緒にいることも選択できるというのが理想な気がする。もちろん、各家庭に事情があり、働きに出られない、働きに出たくないということもあるだろう。私たちの場合も、アルさんは持病があるのでフルタイムで仕事にでることが困難だ。一概に「これが正解」と言える答えはないし、私の考えたことが社会に大きな影響を与えるということも考えにくいけれど、それでも今後も考え続けていきたい。

to be continued...


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