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◆ 気になった本 166

「化け者心中」
(蝉谷めぐ実 KADOKAWA 9784041099858)

本作と「おんなの女房」は
ボクが読んだ順と
出版順は逆で
この「化け者心中」は この書き手さんのデビュー作

舞台は江戸後期の歌舞伎小屋
語り手は 歌舞伎をよく知らない部外者だけど
その相棒に歌舞伎役者の女形を配し
主人公が 好むか好まざるかには関わらず
徐々に歌舞伎の世界の奥地へ踏み込んで行くので
歌舞伎そのものをよく知らない読者でも
ついつい その沼の深みへズブズブと導かれて行くよう
工夫されているのが ミソ!
というのが 両作の共通点


ある芝居の出演者が「鬼」に乗り代わられる
その鬼を探し出せるのか
鬼が他の出演者を喰って(殺して)しまうのか...
どちらが先か
というのが このお話しのメインストーリー

しかし
前作でも感じたけど
この書き手さんとボクは相性が良くないのか
ページを繰るのに とてつもなく時間がかかる
特に導入の部分!
また
描かれている場面
そこに誰がいて
そして そのセリフを誰が語っているのか
よく理解できない
(単に 読み手のボクがアタマが悪いのからか...)

この書き手さんは
アタマの中で まず映像が再生されていて
それをテキスト化しているのかな?
だから
台詞の書き分けが やけに省略されているのかも...

その辺りが
すっきり整理されたなら
続編があってもいいかな

それにしても
この本作を読むと
「曽根崎心中」を観てみたくなるよね
歌舞伎でも 文楽でもいいので
是非 劇場へ!

#化け者心中
#蝉谷めぐ実
#KADOKAWA
#9784041099858