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応援隊

誰かを応援したい。2023年はそう思った。
なんだか必死にそう思っていた。

「誰か」とは、例えば赤ちゃんを連れたお母さん。
その時、赤ちゃんは大きな声で泣いていた。
あんまり見てもお母さんの負担になるし、ましてや声をかけるという状況でもなかった。
そんな時ふと、こんなツールがあるといいなと思った。
私の頭の上に
「応援してます。力になれることがあれば言って!」
という吹き出し。頭の上にピコっとそんな吹き出しを出せたら。

誰か開発してくれないかな?

その当時Twitterで見かけた“シール配りおばさん”というものを真似してみようと思い、数種類のシールを袋に入れて持ち歩いていた。
突然の雨でぐずる子供2人を連れたお母さんに「シールをあげてもいいですか?」と声をかけてから好きなシールを選んでもらった。
これは喜んでもらえた、ただ1つの成功例だった。

これで気を良くした私は、またある時、道端でぐずる子のお母さんにシールあげてもいいですか?と聞いてみた。
「結構です」とそのお母さんは言った。
「やってはいけないことを教えているので」と。
見境なく泣く子供にシールをあげようとしていた自分を恥ずかしく思った。

そうだよな。やっちゃいけないことを注意されて、泣いている子供に必要なのはシールじゃない。
必要なのは、なぜ注意されたのかを考える時間だ。

だけど、その後もシールをいつもカバンの中に入れている。私が必要とされる時が来るかもしれない、と思っているだけなのかもしれないけれど。

「応援してるよ」吹き出し、あったらいいなぁ。

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