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1コマ進む。

自分の人生を、すごろくや人生ゲームのように振り返ることがたまにあります。振り返ると、これまで幾つかのステージを経たり時に戻ったり脇へそれたりしながらも、気づけば年齢を重ね、望むと望まざるとにかかわらずマス目を進んできました。

この数年、両親の介護が生活の中心になり時間と感情の多くを消耗する一方で、宝塚の男役スターさんのファンクラブに入って各地公演に観劇に出かけたり出待ちをしたりもして時間とお金をたくさん消費し、それでいて雑貨デザインの仕事を介護前と同じペースで受注していたので、常に睡眠不足で目の下にクマとゴルゴ線を作っていた私です。

それが今、新たなステージへ進む時を迎えました(平成も終わりに近づき、それがなくとも3〜4月は、多くの方にとってもともと今は「そんな季節」なのでしょうけれど)。

両親をそれぞれ見送り、今年3月に入って相続関係の手続きなどもだいたい終わり、あとは実家の遺品整理や片付けをするだけだなぁと思っていた矢先、母が他界した頃から心の支えにしていた宝塚のスターさんが退団を発表されて、数ヶ月後の公演の千秋楽を最後に男役としての姿を見ることはもう出来ないと知りまして。

この3年ほどの間、介護と宝塚歌劇と仕事は絶妙なトライアングルを描いて私の生活を形成していました。介護は漫画や文章を書くヒントや原動力に、宝塚の世界はストレス発散や服を買ったり遠出をする活力になっていたのに、その二つがほぼ同時に消えてしまうとは…

放心している間もなく、仕事の繁忙期を迎えている今、私を支えているのは、次のステージへの期待なのです。

実家の整理などを終え、この数年、心に明かりを灯してもらったスターさんの退団を見送ったら、自分も新しい土地に旅立ち、今まで通り仕事をしつつ、ギャラリーショップを開いてみようかと。

取引先は主に東京・関西だけれど、結局はメールで成立するのでどこに住んでも影響があまりないため、今まで「住んでみたいなぁ」と思う鎌倉や小田原などにひょっこり住み、なのに一日中室内のパソコン前で仕事をしており、たまに観光気分を楽しむ以外は【どこに住んでもほぼ一緒】という、もったいない過ごし方をしてきました。

介護や宝塚観劇があると、仕事から一旦離れる時間が否応なく持てたものの、そういうものがなければ私は何事にも根を詰めてしまって(仕事でも趣味の調べ物でも)、長時間座り続け目も酷使することになるので、新たな仕事場では、【外から誰かが来て席を立つ】という状況と【その土地の人と関わる】という状況を作れないかなぁと思って。

もう一つ、雑貨の仕事をしている関係でサンプルをよくいただくものの保管場所に困るほどなので、お店をすれば一角に「サンプルコーナー」として展示しつつ欲しい方にはお譲りするなどできるかなと。

ただ…お店をすること自体は別に夢だったわけでもなく、どちらかというと自分の置かれた状況の副産物のような感じ。

ささやかな希望は、いつか自分で気に入る(納得できる)作品を生み出してみたい。面白くてちょっと人の役に立つような何か…そんな創作のために、受注仕事にのめり込みすぎないように、だらだら作業ばかりし続けないようにお店(ほとんど客が来ないけど、来た方が少し楽しんで眺めてくれるような物を置けたら)をしてエコノミー症候群や血行不良を防ぎつつ多少社交的にも過ごし、自分が興味を持つ物事への探求を進めてなんらかの作品にして、いつか「こういうものがやりたかったんだよ〜」と自分で満足して父のようにおおらかに死んでゆきたいなぁ、と思っています。

そうはいっても、とりあえず要領が悪いのと仕事の量が多いのと、宝塚のスターさんの公演も今までよりは多めに観に行きたいし、そうなると観劇代や引っ越し代、開店資金なども必要だし、何から手をつけてよいかわからないので、このnoteに開店までの経過を記録しつつ(誰に伝えるでもなく書くことで宣言して、ものごとを現実にしてゆくために)、noteに載せる絵の中でどれかをポストカードやブックカバーなどにしてショップで売れたらなぁ、と。

そんなこんなで、とりあえずヘッダー画像は赤いものを描いて並べました、的な一枚でした。

宝塚の男役スターさんの退団まであと4ヶ月と少し(決定)。

自分の引っ越し〜お店の開店まで、後6〜8ヶ月と少し(予定)。