絶賛 叔母ブーム中。

毎年、清水ミチコさんのライブに行くたび、会場には老若男女幅広い層のお客さんが多くて、ご自身を【国民の叔母】と名乗るだけのことはあるなぁ、と思います。私もみっちゃんに憧れつつ親戚のような親しみを覚えていますが、伯母でなくて叔母、というのが絶妙だなと。

私のイメージでは、世間一般的に伯母(親より年上)さんは、少し浮世離れをしていて自分とは世代・心理的距離があり、向こうの一方的な話に頷いたりお礼を返すことが多い(個人の感想です)。

叔母(親より年下)さんは、世間の常識にとらわれず自由に生きていて、感情を素直にさらけ出してくれて、良き相談相手になってくれる感じ。かつて読んだ小説や漫画でも、圧倒的に主人公の味方につくのは叔母さんでした(まぁ伯母さんと比べて年が近いから当然かもしれませんが)。

最近、私の周りには実際の親戚とは別に、「伯母&叔母」的な存在がたくさんいることに気づきまして。その話をします。

【叔母さんたち】

先日、出先からの帰りに有料座席指定券を買い、発車まで40分あったので付近の「お母さんの味」をうたう居酒屋に入ったところ、料理がなかなか出てこない。二品頼んだうちの一品が来た時に「ごめん、もうすぐ次のも出すね〜」と謝られたものの、その後も来ずに発車時刻が迫り、まだ来ない料理分(300円)も払うつもりでレジで事情を話したら「そんなんお金は要らんいらんて!私がもたもたして段取り悪くてごめんねぇ。次また来て絶対食べてね。美味しいから」と仰る割烹着姿(ユニフォーム)の女性。出口まで見送り「じゃあまた!気をつけて行ってらっしゃい〜」と声をかけてもらって、帰ってきました。

「お母さん」を売りにしたお店の接客の持ち味だったにせよ、お金を受け取ろうとしない本気の顔も含め、素晴らしい「叔母力」をお持ちでした。

他にも、例えば父の入院先に二日に一度出かける中で、認知症や重病の方に会うことより、挨拶をしたり声をかけても無反応の看護師(助手)さんの方が気分的なダメージが大きいのですが、中にはとても感じの良い看護師(助手)さんがいらして、ねぎらいの言葉や、帰りがけに必ず「ご苦労様です」と声をかけてくださる。上品なので義理の叔母さんって感じですが、そんな方に会えると心がふわっと軽やかになります。

病院で気分がダウナーになった時は、その後仕事が詰まっていても、駅前の喫茶店へ、ホールスタッフ(店主なのかも)女性の静かな笑顔目当てで立ち寄ります。ある時からホットコーヒーを頼むと黙っていてもブラックで出してくれるようになり、とはいえ会話をかわすことなく放っておいてくれて、いつも感じよく過ごさせてくれる。声をかけてもらうのは「いらっしゃいませ」「はい」「お待たせしました」「はい、ちょうどいただきました」「ありがとうございました」だけなのに、良質の羽毛に包まれるような優しい声の叔母さん

【伯母さんたち】

一方、伯母っぽい人は、マンションの住民のお二方。上階の方がベランダから一階のうちの庭にハンガーやピンチ、タオルなどを落としてはピンポーン、と鳴らして取りに来られる。時には山ほどりんごを抱えて「悪いな、庭見てくれるか、今落としたんやわ」と。最初に会ったのは庭の草むしりをしていた時で「ねぇ、おたくお母さんどうしてはるの、お元気?」と頭上から声がして、見上げたらナイトキャップ?みたいなものをかぶったパジャマ姿の、文字通り上から目線のおば様でした。

もう一人、隣人夫妻(ほぼ不在なので会ったことない)の母親だとおっしゃる方も、唐突に訪ねれこられては「もらいすぎて食べきれへんねん、助けてくれるか」と、不在の娘夫婦の代わりに私に野菜やお漬物を届けてくださる。「娘は留守が多くて回覧板がなかなか回せへんさかい、私が来ている時、お宅のドアのところにあったら悪いけど先に抜いてハンコ押して戻すけど許してな。ごめんやでほんまに、堪忍な」と、勢いがとにかくすごい。こちらの話を聞かないところが「伯母さん」そのものだなぁ(個人の感想です)。

お二人とも外見はそっくりだけれど、上の階の「伯母さん」は物を落として取りに来るので素顔で、隣家の母上は出先からの帰りに寄るので「お化粧バッチリ」というところか。

ところでつい昨日、父の病室でニュータイプの「伯母さん」に遭遇。

昨日から入院することになったご主人のこれまでの経緯や自身の病気について詳細を話した後、私にも質問攻めにして、父の世話をしている間も話が止まらない。とりとめもなく話が続くところが、リアル親戚の伯母さんに少し似ているなぁ...とタジタジになりつつ、明るいご家族さんがいると病室が賑やかになるので良かったと安堵しつつ、父の世話を済ませて先に帰ろうとする私に、「気をつけてね〜っ」と声をかけ手を振ってくれた。それはまさに、伯母さんならではの愛すべき包容力の詰まったお手ふりで、苦労している人が相手を気づかって茶目っ気を出すときの表情とでもいうのか、何かぐっと来ました。

清水みっちゃんは国民の叔母だけれど、見渡せば、他にも縁もゆかりもなくても伯母っぽい人や叔母っぽい人がいて、なんか不思議と心強い。どちらかというと、というか圧倒的に叔母さん的な人が好きなのだけど、でも伯母さんとの触れ合い(攻撃?)も、多少面倒臭い部分もありつつ日常の醍醐味のような...

いい年になった私に「いまだに姪っぽく、年下っぽく振る舞う」ことを許してくれる、名も知らぬオバたちに感謝します。


ありがとうございます。丸くて明るい月を見つけたような気分です。
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haniho_kum

言葉と挿絵。

考えていることを、言葉で伝えようとしたアレコレ。
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コメント5件

とっても楽しい記事だったのですが、そうか、叔母と伯母の違いってそうか。。と気付きまして誤字を直さなきゃと思いました笑
個人的なことなんですが、父の姉はかなりファンキーな人なんですがかなり人の話も聞いてくれる人で、こう考えると伯母だけど叔母っぽいな、と思いました。
なんか伯母より叔母のほうが字面だけ見ると年上っぽく見えるのは私だけでしょうか。。
nemoriverさん 清水さんのライブに初めて行った時に買ったグッズは液晶クリーナー付き携帯ストラップで、そこに「I'm shimizer」と書いてあったのを覚えています。シミザー仲間ですね(笑)
ほうこさん 実際には親の姉にあたる「伯母」だけど性格は「叔母」テイスト、という人もいるでしょうね。っていうか、自分の印象だけで世間の伯母さんのキャラを決めつけてしまって失礼ですね(笑)
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