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10年ほど付き合った恋人がいなくなった結果困っていることを書く

結論は無料部分の最後から二番目の段落、太字部分です。お急ぎの方、長文苦手な方はどうぞ。

冒頭、誤解を招かないように書いておくと、ことばこそ『いなくなった』と表記したけれど死別したのではなく、わたしからお願いして恋人関係を解消した経緯があります。あちらは多分ご健在につきそこは心配されませんよう。

本題に入る。わたしは人と話すことが殊の外好きだ。ひとりの時間も好きだけれど、気の置けない間柄の相手に、いつまでともなく、何をともなく延々としゃべるのが好きだ。
仕事の愚痴、
よく聞くラジオの話、
この間会ったかわいいねこの話、
好きな色、
昔の思い出、
得意なこと、
言われて傷ついた言葉、
天気、
マイブーム、
最近食べておいしかったもの、
今日の体調、
いつまで話せるのか自分で自分が心配になる。
お察しの方も複数おいでになろうけれど、恋人がいなくなるということは、話し相手を大きくひとり失うということだ。

これは多数派じゃなさそうなわたしの事情なのだけれど、わたしは家族に本音で話せることが少ない。半分も話せているだろうか。それでも以前よりはましになったから丁度半分くらいかもしれない。友達も少なく、困った時にすぐ助けを求められる相手もそれほどいない。こんなわたしにとって、恋人というシステム(システム?)はとてもよいものだった。自分が信頼している家族以外の人間が話を聞いてくれる。時間のゆるす限り聞いてくれる。相づちも打ってくれるし、同調したり、共感してくれる時もある。泊まりがけで出かけては夜更けまでそれは様々なことをしゃべり倒した。話すのがわたしだけだったとしたら今頃罪悪感もわいているだろうけれど、あちらもそこそこ話好きでわたしも聞き手に回ることがあったし、たのしい時間だった。

改めて、恋人がいなくなってみるとどうだろう。長時間の雑談に付き合ってくれる人がいない。
先週買って失敗したもの、
今年の目標、
学生の頃のトラウマ、
びっくり失敗談、
笑っちゃうCMの話、
今一番行きたいところ、
不思議な漢字、
仕事場にいるおっかないベテランのこと、
よくランチに行くお店、
日常のあるある、
今日のニュース、
聞いてもらおうと思う相手がいない。家族に聞いてもらうとしても、それほどわくわくもしないし、話すモチベーションにならない(申し訳ないことに)。

見栄をはる訳ではないが、わたしは自分から恋人関係を終わりにしたことを微塵も後悔していない。もう、その方とはこういう運命だったんだろうと考えている。
ただ、あれほどの尋常でない長い時間を、わたしと、わたしとの雑談に費やしてくれたのは本当にありがたいと今でも思っている。元気で暮らしてください。

長々と綴ってしまったが、
10年ほど付き合った恋人がいなくなった結果、困っていることは、『長時間の雑談をたのしめる相手が居ない』が結論になる。


さて、ここから後はおまけ程度の粗い文章です。10年も付き合っておいて何で別れたのか、その理由を記しておくことにします。情緒が安定しない人間が書くことなので、本当に興味がある方のみでお願いします。元恋人本人はここには辿り着かないと思いますが、読まれて困ることもないので別にどうぞという気持ちです。

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