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何度も何度も読み返す小説たち

めぇちゃんのアドベントカレンダーより

私は非常に乱読で、雑読で、常に何かを読んでいます。手元に活字がないとお薬の成分表まで読んでしまいます。
そして読むそばからタイトルも作者名も内容も忘れます。
そんな私が何度も何度も繰り返し読んでいる、タイトルも作者名も内容も覚えている小説を紹介します。

好みのタイプ

乱読雑読とはいえ一応こういうのが好きだなとかこういうのは嫌いだなというのはあります。特に好きなのが「リアルな警察小説」です。
SFもファンタジーも時代小説もミステリも読むんだけど、地味なノンキャリの捜査一課のおっさんが、地道にストイックに足で聞きこんだ何気ない関係者の一言から38年前の真相が暴かれる、でももう時効過ぎちゃってる。みたいなのが大好きなのです。(殺人罪の公訴時効なくなったけどね)
おっさん刑事が仕事に没頭するあまり奥さんが病気で死にかけてるのに駆けつけられなかったり、それが原因で娘から嫌われてたりすると最高です。
正直地味なので人にお勧めしにくい。
決まった探偵が出てきてかっこよく華麗に事件解決するみたいなのも好きなんですけどね。

好きな小説家はたくさんいます。
漫画でもそうで、私は作家さんを気に入るとその人の全作品を読みつくす感じで追いかけます。
広瀬正、大沢在昌、黒川博行、筒井康隆、堂場瞬一、貴志祐介、宮部みゆき、中山七里、岡嶋二人(井上夢人)
作家名がぱっと出てきて、めちゃくちゃ読みまくったなと思うのは上記の人たち。
東野圭吾や綾辻行人も読みますけども。全作品を追いかけるほど好きではないのだよなぁ。
いわゆる古典ミステリもだいたい読んでます。クリスティもポーもコナン・ドイルもエラリー・クィーンも。
江戸川乱歩も横溝正史もね。まあ内容はほぼ覚えちゃいないです。

「リアルな警察小説が好き」と言っておきながら、何度も読み返してる小説はリアルな警察小説ではないので、もしお好みのものが見つかれば嬉しいです。全部地味じゃないです。
ネタバレに配慮し、タイトルと作家名とリンクと思い出話しか書かないことにします。
ネタバレが致命的なやつ、(何度も読み返してるから)結果分かってるけど過程がハラハラするやつ、ややこしいけど理解するとギャーってなるやつ。そんな感じです。

クリムゾンの迷宮 / 貴志祐介

みんな大好きクリムゾンの迷宮だよ~~~!!
”黒い家” ”天使の囀り” ”ISOLA” ”新世界” ”悪の経典” ”硝子のハンマー"全て複数回読み返してますが、クリムゾンの迷宮を一番多く読み返しています。
さすがにもうええやろ…となってからもう1回読みたいとなって買いなおすを繰り返してます。今手元にありません。読みたくなってきた。

ロートレック荘事件 / 筒井康隆

筒井は他の作品、SFもショートショートもエログロも面白いです。少し人を選ぶものもあります。食事中に読むのは避けた方が良いやつもありますので注意。ゲロとかウンコとかその類。具合悪い時に読んで吐いたことある。
断筆した時はマジでショックでした。
ちなみに”裏小倉”という百人一首のパロディもめちゃ面白いので機会があれば読んでみて下さい。「バブリング創世記」という文庫本に入ってます。短編です。復刻したらしいので手に入るでしょう。
”日本沈没”のパロディ、”日本以外全部沈没”も好き。タイトルだけで笑ってしまう。
”日本沈没”も面白いですよ。小松左京です。
ロートレックは読んでみて下さいとしか言えないです。

模倣犯 / 宮部みゆき

上下巻一気読み徹夜。
映画化だかドラマ化だかされてたのでご存知の方も多いかと。
宮部みゆきはファンタジー以外全て面白いです。
おきゃんな女の子が長屋の不思議を解決するみたいな時代小説もあります。好き。
複数冊にまたがっているのでなかなかのボリュームだけど頑張って読んでほしい。

マイナス・ゼロ / 広瀬正

広瀬正作品で卒論書きました。
日本文学科卒です。
卒論題材だからなのもあるけど、マジでめちゃくちゃ読み込んでます。何回読んでも良いです。また読みたい。
広瀬正作品は、”マイナス・ゼロ” ”ツィス” ”エロス” "鏡の国のアリス"
”タイムマシンのつくり方” "T型フォード殺人事件"の6冊しかありません。
私が生まれる前に著者は亡くなっています。
マイナス・ゼロは復刻されてるので手に入るはずですが、微妙にプレミアついてるなぁ。

メドゥサ、鏡をごらん / 井上夢人

みんな大好き岡嶋二人の片割れ、井上夢人の著作です。もうこれ本当に好き。何回読んだか分からない。
”プラスティック” や ”オルファクトグラム”も面白いですが、ぶっちぎりで好きなやつです。ちょっと怖いヨ。
岡島二人の "クラインの壺" は、二人名義だけどほぼ井上の作と言われているので、クライン好きな人は好きじゃないかな。
岡嶋作品では ”99%の誘拐” も好きです。
片割れの徳山諄一氏は昨年亡くなられています。

いくら読んでも追いつかない


上記すべて10代~20代くらいに読んだやつです。(多分)(初見がいつだったかも既に曖昧)
全体的に古いものが多いですが、手に入りにくいのは広瀬正くらいでしょうか。
今は中山七里に夢中で、日々読んではいるんだけど、タイトルが覚えられないのよね。そして特に何度も読み返してはいないので、今回は紹介していません。
気になるな…となったらすぐに読めるように、タイトルリンクはKindle電子書籍のやつにしています。電子がないやつもあるよ。
気になるやつがあったら読んでみてね。

「タイトル忘れて同じ本買っちゃった。読み始めたら読んだことあるやつだった」とか言ってるのを聞いて「読んだ本忘れてまた同じやつ買うなんてことある??」と若いころは思っていたけど、全然ある。めちゃめちゃある。
表紙とタイトル見て買おうかな…と迷ったやつを読んだ気になってるとかもあります。痴呆が始まっています。
前述したお勧めしにくい地味な警察小説たち、もはや作者もタイトルも出てこない。読みすぎた。

若いうちに読めという話ではなくてですね、「お勧めの小説教えて下さい」と言われてもぱっと出てこないのよ。本当に忘れるのよ。
その人がどういうものを好むのか分からないし、年齢差や性別差などあるともっと分からない。
そうなるともう、”白夜行” でも読んだらどうですか。みたいな雑な勧め方になってしまう。
自分も読んでるし面白かった記憶はあるけど読み返したりしてないし内容忘れてるけど有名だしみんな読んでるぽいし楽しめるんじゃないの、みたいな…。

似たようなタイトルマジで覚えられない。地名+殺人事件とか
浅見光彦シリーズほんと無理。内田康夫著です。途中で制覇を諦めました。
長く続いて巻数ついてるやつ。漫画と違って決まったルーティンで出るわけでもなく10年単位で間があいたりするからマジで覚えてられない。
グインサーガも何度かかぶって同じ巻を買いました。
伊集院大介シリーズも好きだったのですが、もうどれがどれやら。全部読んでるはずなのに1つもタイトル出てこない。栗本薫著。著者亡くなっています。

次々に新しい小説家は出てくるし、古き良きものもあるし、面白かったやつまた読み返したいし、好きな作家の新刊は出るし、時間はいくらあっても足りません。
読むぞ!となるのに勢いがいる、途中まで読んで間があくと今までの話忘れる等ありますが、小説は良いものです。
これ面白いのかなぁ…とか言ってる間にぽちってすぐ読んだ方がいいですね。
私はそろそろ方舟を読むべきかしら。

私の偏った好みによるチョイスではありますが、あなたにとって面白い!と思える新たな出会いがありますように。

お勧め小説とは無関係ですが、今は何故か雑談の流れで、金色夜叉 / 尾崎紅葉を読み返しています。30年ぶりくらいじゃなかろうか。
青空文庫便利ですね。
金色夜叉読み終わったら舞姫読み返すつもりです。古典や近代文学も面白いものたくさんありますよ。
あ、あれ読みたいな、読もうかな、と思ったらすぐ読もうね!

メリークリスマス!
良いクリスマスをお過ごしください。

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