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防災レシピ:節水&燃料節約、100gのパスタを400gカットトマト缶を使って約5分の加熱で食べれるようにする方法

前回、今からもう7年前になるのだが。200mlの水を使った方法を実験したその続きです。

前回の記事の
1.なぜ備蓄にパスタを選択するのか
2.乾麺は水に長時間漬けると生麺ぽくなる手法を利用する
あたりは端折りますので、気になる人は読んでおいてください。今回はずっと気になってた『トマト缶の水分だけでパスタは調理できるのか?』という疑問を解消するためにやりました。結果として食えました。

今回の目次
1.トマト缶の水分をパスタに吸わせてみるぞ
2.蒸し焼きにしてみよう!
3.めっちゃ味濃いやんけ塩分多すぎたけど美味っちゃ美味
4.まとめ、改善点の模索
5.追記:缶の直火調理に関する留意点と洗い物の話

1.トマト缶の水分をパスタに吸わせてみるぞ
まず今回の材料まとめ
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《パスタ大人1人分》
・パスタ(トルコ産バハール、茹で時間8分、直径1.55mm)…100g
・カットトマト缶(400g、うち固形量240g)
・塩4g(缶重量の1%)
・砂糖8g(缶重量の2%)
・オリーブオイル…大さじ2
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自分がトマトソースを作る時、カットトマト缶(またはトマトピューレ)に対して重量比で塩1%、砂糖2%を入れるので、味付けはそれに従った。これが後から悩ましい結果になりますが詳しくは後述。

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トマト缶はこちらです。ネットでケース買いして備蓄しておる。

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巷で見かける安いカットトマト缶のほとんどが、固形量240g程度です。水分が150ml程度は入ってるのかな?って思ったんで今回の実験やってみることにしたんです。

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きっちり100g、半分に折って使います。

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テフロン加工のフライパンにトマト缶どばー、パスタざざー!と入れて気づいた。

『もしかして、先にパスタ入れて上からトマト缶かけた方が水分が絡んでいき渡ったのではないか???』

仕方ないので箸でよく混ぜておく。上から塩、砂糖、オリーブオイルをかけて気づく。

『油分は吸水を妨げるのではないか…加熱直前に入れたほうが良いのではないか??』

後の祭りなので、とにかく待つ。様子を見ながら水分を吸ってくれるのを祈った。そして2時間後…

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吸った!!ちゃんと水分吸ったー!!!デロンデロンの生パスタ状態キター!目安はデロンデロンかどうかです。

2.蒸し焼きにしてみよう!
ガラス蓋で水分を逃がさないようにして蒸し焼き状態を試みる。トータルで5分間火にかける。

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タイマーを5分にセット、蓋をして中火。約1分半~2分ほどでグツグツ煮立ってくるので、焦げるの防止で弱火にして更に1~2分待つ。ここで一度蓋を開けてよくかき混ぜる、中の温度が下がるので蓋をして中火に設定。タイマー鳴ったら終了。

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出来てるー!パスタに火通ってるー!面の色が透明感を帯びて黄色っぽくなっているのが目安です。食えば分かるよ火の通りは。

3.試食、めっちゃ味濃いやんけ塩分多すぎたけど美味っちゃ美味
いい感じに火が通っている。食べて思う『めっちゃ味濃い。』そりゃそうだ、麺自体がトマト味の水分吸いこんでいるのだから…

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比率的には間違ってないんだけど、トマトソースがつがつ食ってるみたいな味の濃さだからね…喉乾くんですよ。水分使わず調理で節水したはずが水分欲してどうすると。アボガドバナナ…(死語)パスタの火の通り具合は最高できた。いい出来だ。味が濃すぎる。味付け後からにすればよかった…。そうだよね、普通は茹でただけで味のない水っぽいパスタにかけるソースの配合だから。嗚呼…。み、みず…。

4.まとめ、改善点の模索
この実験で、トマト缶の水分だけでもパスタに十分吸わせることが出来たらガスコンロでの5分間過熱で可食の範囲まで加熱で調理できることが分かった。しかし味付けの調味料、特に塩分を控えめにして調味しような。すごく大事!!!次回は塩分半分にして試してみます。もしかしたら塩と砂糖ではなく、料理酒&みりんを使って水分をプラスしてみたりすると、もっと調理が楽かもしれない。検討してみます。塩分とうまみプラスで鯖缶も使って吸水させたらもっとおいしいかもしれないよ?仮説はいっぱい思い付くね。

5.追記:缶の直火調理に関する留意点と洗い物の話
コメント頂いたので、ちょっとここは書いておかねばならないと思い記しておきます。断水などで水が貴重な場合、洗い物がネックになるというポイントが。私は大昔、某巨大掲示板の某板の保存食や防災用品などの話題に関するスレの住人だったのですが、そこで度々話題になっておりまして。あくまで私は素人なので私見ですが考えを書いておきます、参考程度に見てください。

〇缶詰の直火調理は原則NGと考えます
フライパンが汚れてしまうので、缶を火にかけたらいいかも?というアイディア、某掲示板にも度々出ていたんですが。これね。特にトマト缶を開けて貰えば分かると思います、今の缶詰の内側って缶が錆びるのを防止するために樹脂コーティングされてることが多いんですよ。トマト缶は特に酸味が強いんで大体コーティングされてます。缶詰を開けてそのまま火にかけるという行為は
※ガスコンロの五徳よりも直径が小さかったり高さもあって安定しないので、沸騰すると倒れてこぼれる危険がある
※内側の樹脂コーティングが熱で溶けて、食品に混ざる危険がある

なので、危ないからNGという考えです。私個人の意見としては、缶を直火にかけるのは勧めません。使い捨ての過熱調理器具としては100円ショップに使い捨てアルミ鍋という商品があって、アウトドアで汁物の調理するのに使える代物(直火調理冷凍うどんの容器と同じようなもの)があります。でもあれ水分少ないと思い切り焦げ付いてしまうのが難点。

〇断水時、フライパンを洗うのはどうするか
断水時にこんな汚れる料理するわけないwwwってなる人も多いと思うので、ほんとそうだなって思うのですが。一応趣旨としては『パスタ茹でるのに1~2Lも水を沸騰させ湯でこぼさなきゃいけない工程を端折れるかどうか?』を検証してみたかっただけなので、食材がパスタしかないこれ食べないと飢えて死ぬかもって時に思い出してもらったり、新たな調理法を誰かが編み出すステップとしての位置にあればいいなと思ってます。で、テフロン加工が世に出る前の鉄のフライパンって原則として洗わなかったんですけど、あの取り扱いと同じイメージで使うのがいいと思います。食器は使い捨ての紙皿か、ラップをまいたお皿でラップだけ捨てる。フライパンに残ったトマトソースはキッチンスクレーパー(またはゴムベラ)で余すことなく取り去り、ティッシュかキッチンペーパーかトイレットペーパーでよく拭き取ったら最後に消毒用アルコール(食品添加物のキッチン用アルコールは衛生用品として備蓄しておいたほうが吉)か少し濡らしたキッチンペーパーなどでふき取って軽く油塗って終わりという手順で。次に料理するときにフライパンを加熱すれば滅菌されますので。テフロン加工だと汚れスルンと落ちるので。ふき取る紙類も台所には防災用品として備蓄しておきたいものです。フライパン洗わずに次の料理にそのまま使っても気にならない人はそのままで。無水調理で野菜の蒸し焼きとかすると、野菜の水分でかなり綺麗になっちゃうよ。

この記事自体は、実用かどうかってよりも『砂漠でパスタ茹でるにはどうしたらいいの?』みたいな話かもしれないです。ヘタリアはまだ読んだことありません。ホールコーン缶や豆の水煮缶は水がビシャビシャだから、より美しく吸わせて蒸して食えると思いますよこれ。今度気が向いたらやってみるね。

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